「エトワール・ガラ2010 Bプログラム」を観る2010/08/06

今日は広島の原爆記念日。アメリカがやっと式典に参加します。

「エトワール・ガラ」を見に行っていたのですが、旅行のため今頃書いています。実はAプログラムのチケットも買ってあったのです。相棒の予定を優先して旅行を入れたので、何ヶ月も前にチケットを買ってしまうと無駄になることがあります。仕方ないですね。感想を見るとBプログラムの方がいいと言う人が多いので、ラッキーでした。でもAプログラムのハンブルク・バレエ団の人たちの踊りは見たかったです。


2010年7月30日(金)  19時開演

「コッペリア」第二幕より
ドロテ・ジルベール
ジョシュア・オファルト

ドロテの衣装が白いレースのスカートで、とってもキュートでした。
二人が楽しそうに踊っているのがわかりました。

「ロミオとジュリエット」よりバルコニーのシーン
振付:K.マクミラン
エフゲーニャ・オプラスツォーワ
マチュー・ガニオ

ガニオ君はもう大人になってしまいました。もうロミオに必要なキラキラした若さが見られません。もっと前に踊っているのを見たかった・・・。
急にパートナーが替わったからか、リフトが大変そうでした。
「ロミオとジュリエット」は若い二人が悲劇に向かっているからこそ、このバルコニーの場面が心を打つんですね。

「フラジル・ヴェッセル」
振付:J.プベニチェック  音楽:S.ラフマニノフ
シルヴィア・アッツォーニ
アレクサンドル・リアブコ
イリ・ブベニチェック

このガラで一番好きな踊りです。
ラフマニノフの曲に合わせて、三人が踊ります。振付がイリです。彼は才能がありますね。三人の絡みが美しい。
「「ヴェッセル」は、私の中では器であり船もイメージしています。私の中の人間としての弱さを意識しました。私達はみなか弱く、そして一種の器としての存在でもあります。我々の魂のためにそれを受け止める器としての肉体があるように」
(パンフレットより)

「プルースト~失われた時を求めて」より囚われの女
振付:R・プティ    音楽:C.サン=サーンス
エレオノラ・アバニャート
バンジャマン・ベッシュ

最初にパンフレットを読んでから踊りを見ればよかったと思いました。
「プルースト」は第一幕「プルーストの天国のイメージ」は若い男女のきらめくような恋の諸相、第二幕「プルーストの地獄のイメージ」は同性愛や若さへの執着が渦巻くくらい愛欲の画だそうです。(パンフレットより)
これは男女の踊りで、主人公が眠る女を見て、彼女の夢すらも自分のものとしたいという嫉妬心と、それが不可能であるというやるせなさを感じる場面。
 
「ディーヴァ」
振付:C.カールソン     音楽:U:ジョルダーノ
マリ=アニエス・ジロ

ジロ姉御の出番です。
黒いドレスに身を包み、マリア・カラスが歌うアリア「私の死んだ母が」が流れる中、存在感いっぱいで、最小限の踊りで表現しています。
どうしてもジロさんの逞しい肩と筋肉に目がいってしまいます。そう、体操選手の体格だ!
 
「薔薇の精」
エフゲーニャ・オヴラスツォーワ
マチアス・エイマン

オペラ座にはジャンプの得意な男性ダンサーがいないと思っていたら、いました。最後の「スターズ アンド ストライプス」を見てから思うに、ここではエイマンはまだ実力を見せていませんでした。
今回のガラではイリとエイマン、この2人が新しい好みのダンサーの仲間入り。

 
写真の左がイリで右がエイマンです。
バレエ・リュスへのオマージュとして踊られたのですが、やはり古い振付だなという感は否めません。
舞踏会から戻り、その余韻に包まれながら眠りに落ちた少女の手から薔薇の花が落ちると、薔薇の精が現れ踊ります。
ピンクのタイツが全く変ではありません。エイマン君はピンクが似合う?

「瀕死の白鳥」
マリ=アニエス・ジロ

ジロの一人舞台です。
誰か後から入って来る人がいて、迷惑なと思って振り向くと、ジロさんが客席から現れました。タバコをくゆらせ、物憂い雰囲気。バーに女が一人。男は来ない。愛の終わり・・・?女の心の痛みが感じられます。

「牧神の午後」よりプレリュード
エレオノラ・アバニャート
バンジャマン・ペッシュ

前に日本人の踊る「牧神の午後」を見てガッカリしたので、今度もか・・・と思っていましたが、全く違ってよかったです。
牧神が女でニンフが男と性が入れ替わっていますが。
最後にニンフが抜いたTシャツを牧神が愛しそうにしているのを見て、汗臭くないと馬鹿なことを思ってしまったのは、私だけでしょうか。

「幻想~”白鳥の湖”のように」第一幕より
振付:J.ノイマイヤー   音楽:P.I.チャイコフスキー
シルヴィア・アッツォーニ
アレクサンドル・リアブコ

アッツォーニとリアブコは公私共にパートナーなんですね。知りませんでした。前の『マラーホフの贈り物』ではシュツットガルト・バレエ団の二人が回りを食っていましたが、今回はハンブルク・バレエ団の二人です。ドイツのバレエ団って表現力がすばらしいですね。さすがゲーテの国(特に意味はないですが)。
「白鳥を愛したルートヴィッヒ二世の死を描いた作品で、今回のは王の友人アレクサンダーとその恋人のクレア妃のパ・ド・ドゥ。幻想の世界に耽溺するルートヴィッヒとは対照的に、現実的な世界の恋人たちによる幸せに満ちた踊り」(パンフレットより)
とても素敵でした。

「プルースト~失われた時を求めて」よりモレルとサンルー
振付:ローラン・プティ
音楽:ガブリエル・フォーレ
マチュー・ガニオ
ジョシュア・オファルト

私は男二人の踊りって結構好きです。この二人、体型が似ていて、陰と陽、二つの合わせ鏡みたいでした。ちょっと無機質な感じがしました。もっとケミカルなものが欲しいかな。
モレルは才能と魅力に溢れたヴァイオリニスト。サンルーはモレルに引かれる高慢な貴公子。
ガニオは「ロミオとジュリエット」よりこういう踊りの方が合ってますね。

「アパルトマン」よりグラン・パ・ド・ドゥ
マリ=アニエス・ジロ
イリ・ブヴェニチェク

ジロさんの迫力にイリはたじたじかな・・・?
この演目を見るのも2度目。男と女の関係が象徴的ですが、あまり好きな振付ではありません。

「スターズ アンド ストライプス」
振付:G.バランシン
音楽:J.P.スーザ
ドロテ・ジルベール
マチアス・エイマン

最後を飾るにふさわしい演目でした。盛り上がって終わりました。
エイマンがすごい。これからの彼に注目していきたいです。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2010/08/06/5270265/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。