横山隆治、山本直人ほか『ポスト3.11のマーケティング』2011/08/03

AMNブッククラブ・キャンペーンで本を頂きました。ありがとうございます。
マーケティングについて全く知らない私ですが、おもしろく読まさせていただきました。


3月11日の震災から五カ月が経とうとしています。
地震、津波、原発事故、計画停電、そして自粛、節電と続いたため、経済活動が停滞していると言われています。

地震直後に運輸、観光、外食企業が打撃を受けましたが、少しずつ元に戻りつつあります。しかし、耐久消費財の需要は低迷し、一般消費財の需要のうち高級品の買い控えが続いています。
その主な原因が過剰な自粛と節電です。
こういう時に企業はどうマーケティングのあり方を考えていけばいいのでしょうか。8人の方々がそれぞれの立場から書いておられますが、だいたい同じようなことを言っておられます。

今後のマーケティングに必要なのは「共感」だと言います。
3.11では携帯電話は通じず、テレビやラジオを利用できない人たちがツイッターでリアルな情報を知るということが起こりました。
ソフトバンクの孫社長はツイッターで発言してきました。このツイッターが共感を生み、ソフトバンクは「RIGHT」だという感じが広まりました。これがソフトバンクのブランディングに役立っています。
企業はこの「RIGHT」という感じ、この人、この企業は信じられるという感じを増幅させていくことが必要なのです。
「リアル」な心を動かす情報を、地味でもいいから地道に発信し続けていくことが必要なのです。このような情報を発信し続けていくことで、消費者に「信頼」を与えることになり、これを基盤にマーケティングを推し進めていくことができるのです。
情報発信の手段として、震災時に活躍したインターネットインフラを使ったカンバセーションが役に立つであろうと書かれています。

私たち消費者はもう3.11以前のような生活ができませんし、しようとも思わなくなっています。「安定した・安全な・安心した生活」が崩壊したからです。
疑心暗鬼になっている消費者一人一人のニーズに応じたマーケティングを行い、日本経済に活力を与えて欲しいと切に思います。
政府があてにならないのですから、この本に書いてあるように、企業が個々に情報を発信していくことが望まれます。
これからは本当に「信頼」できる企業が生き残っていくのではないでしょうか。
この本を読みながら、この思いが強くなりました。

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