新しい家族です♪2012/09/01

今日から我が家に新しい家族が増えました。


雄のハーフ犬(マルチーズとチワワ)です。
6月生まれなのでふたご座です。
かわいいでしょう。

前から犬か猫を飼いたいと思っていました。一カ月前にペットショップをのぞき、衝動買いをしてしまいました。
本当は大型犬を飼いたかったのですが、マンションではかわいそうです。
元気のいいこの子が相棒には気に入ったようです。(私は落ち着きのない犬だなと思っています)


今日ペットショップから引き取ってきたので落ち着きがなく、私の顔を見ると飛びつこうとします。
写真を撮ろうとするのですが、なかなか大変です。
しばらく顔を見せないようにして、落ち着かせますわ。

ご飯はもう2回でいいらしいのですが、後一カ月間はご飯の後にミルクもあげなくてはならなく、朝が忙しくなりそうです。


一番心配なのはおトイレ。
ちゃんとしてくれるでしょうか。
(何故かトイレがお気に入りのようで、トイレの上での写真撮影になっています)

ペットがいると手がかかりますが、楽しみも増えそう。
健康で育ってくれるのを祈っています。

スタンレー・コレン 『理想の犬の育て方』2012/09/02

犬が来てから一日目。
ペットショップから車に乗せて連れてきました。
車の中では鳴いていたので、指をケージのところに入れ、声掛けすると、指をなめ静かになってくれました。
家では落ち着かないのか、サークルの中でしばらく駆けずり回っていました。
ペットショップの店長さんが2、3日周りを段ボールで囲っておくといいというので囲っておくと、ハウスにつかまり私たちの様子を見ようとします。


今は私たちが見えるところにいて、たまに鳴きます。
鳴いても無視をしていると鳴きやみます。
夜鳴きするかと心配していましたが、まったく鳴きませんでした。
心配だったトイレは大丈夫でした。
でも、ご飯をあまり食べてくれないので、ちょっと心配です。
とにかく元気。かまって欲しくてたまらない感じです。
家に慣れるまでは、あまりかまわずにいようと思っていますが・・・。



犬を飼う前に犬の本を読んでみました。

犬にも性格があるというのは誰でも知っていると思います。
著者は犬の性格を5つに分類しました。
①支配性・縄張り意識②知能・学習能力③感情反応④社交性⑤活動力
犬の性格検査というのもあって、人間のを犬用に改良しています。
ちなみにうちのガブはチワワとマルチーズのハーフなので、活動性と感情反応が高い傾向があるようです。
今落ち着かずに動き回っているのは仕方がないことなのでしょうね。

なんといっても人間に役立ちそうなのは、そう、あの懐かしい”ラッシー”のコリー犬です。
コリーは牧畜犬で、支配性や縄張り意識と活動性が低くいのですが、知能・社交性・感情反応が高く、人間とはいい関係を築けます。
統計的に身体を使って人を危険から守る行動を犬の中で一番多くとるもの牧畜犬のコリーとジャーマン・シェパードだそうです。
次点はテリアでそのつぎが作業犬。
一軒家で大きな庭があれば飼いたいものです。

犬の祖先は狼だと言われています。
学者はそれを実証するために野生の狼の家畜化を試みています。
実験結果は、残念ながら野生狼の家畜化は人間の手ではできないということです。
どんなに手をつくし、愛情を与えても、狼の攻撃性はなくならないからです。
では、何故狼が犬化できたのでしょう。
著者は言います。
狼の群れの中から警戒心や友好性の高いものが人間の残飯を食糧にするようになり、何世代も経るうちに野生狼が変化を遂げ、自ら家畜化の道を切り開いたのではないかと。

犬の本を読んでいると、犬の社会化という表現がでてきて驚きました。
昔犬を飼っていた時には、そんなこと言われていませんでしたよ。
犬は犬。番犬ですから、犬小屋のところに繋いでおいて、人間の残飯を食べさせ、たまに散歩に連れて行けばいいという感じでしたよ。
今は色々な犬や人間と接触させ、色々なことを経験させ、あらゆる環境での適応力を養うなんて、人間と同じですね(笑)。

仔犬は来月のワクチンを打つまではお散歩ができないので、しばらくはテレビやラジオの音を聞いて慣れてもらいますわ。

この本は、犬は人間によって人間社会に適応するように作られてきたということがわかる内容の本でした。
軍用犬とかモンスタードッグ、闘犬とかがでてきますが、人間が自分たちの利益のために犬を活用するのは仕方ないのです。しかし、やりすぎないようにしなければなりませんね。(この本にでてきたアメリカの軍用犬、かわいそすぎ)

狭いマンションの中で犬を飼うのも考えものかもしれませんが、いい関係を築ければいいなと思います。
明日から一人でお留守番です。どうなることやら。

三浦しをん『悶絶スパイラル』&映画「メゾン・ド・ヒミコ」2012/09/04

この前読んだエッセイがおもしろくなかったので、買うのをどうしようかと思って迷いましたが、表紙がかわいらしいので買いました。
『夢のような幸福』から『乙女なげやり』、そして『桃色トワイライト』と続き、『悶絶スパイラル』で終わりだそうです。
誠に残念です。


表紙はどこかで見たことのある絵です。そう、松苗あけみの絵です。
最後ということで、なんと松苗さんの漫画があとがき風に載っています♪

最後だからか、しをんさんのBLラブがいっぱいです。
BLって何かって。Boys Loveの略語です。
「男性の同性愛を題材とした小説や漫画のジャンル」ですよ。
私の好きな漫画の『風と木の詩』とか『トーマの心臓』もこのジャンルに入るんでしょうね。

BL以外で意外なのが、しをんさんって結構、社会的なことにも興味があるようなのです。
これからどんな本を書いてくださるのか、興味がでてきました。
では、本当かと怪しむ人のためにしをん語録を。

「たぶ女は、「女になる」コツさえつかめば、あとは「女でいる」ことは比較的簡単なのだ。しかし男は、「男になる」必要はなく、ただひたすら「男でいることを求められる。男女ではくぐり抜ける関門の場所がちがうので、両性はいつまでも噛み合わない部分で葛藤する羽目になるのだ」

「ひとが一番最初に被る可能性の高い暴力は、もしかしたら家庭や学校における「硬直した教育」なのかもしれない」

「結婚披露宴は、しばしば私の血圧を上げる。なんでなのかと考えるまでもなく、結婚という制度のまえに、思考停止状態になるひとが散見されるからだ」

「いまこの瞬間、特に楽しいことなどないように思える毎日にも、実はいろんなドラマがひそんでいる、ということだろう。そのことに気づかないまま過ぎて行ってしまう日常も、「記録」や「記憶」に残した時点で、「フィクション化(=物語化)」の道筋をたどる。時間という名の魔法、その不思議を思わずにはいられない」

ふざけたような(失礼)エッセイにも、こんな言葉が散らばっています。
私はしをんさんはとっても頭のいい方だと思います。

この本の中で一番気になったのが、映画の「メゾン・ド・ヒミコ」。


「シャツがイン!」ってなんだろうと思って見てみると、ホント、「シャツがイン!」。
世の中のお父さんと中学生と高校生諸君。是非とも『メゾン・ド・ヒミコ』をみておくれ。
正しい「シャツがイン!」の姿がある。

映画の内容は大したことがないのですが、オダギリジョーの姿が麗しいのです。
彼ってあんなに綺麗でしたっけ?
結婚するときのインタビューの時はきたない男って感じだったのに、「メゾン・ド・ヒミコ」のオダギリジョーは美しい。

知らないで見る人のために一言、言っておきます。
BLラブのしをんさんが勧めるのですから、映画の舞台はゲイたちの老人ホームです。
以上。それ以外は自分でみて確かめておくれ。

私はオダギリジョーを見るだけで、変な映画も許せちゃいました。

ジェン・マッキンリー 『恋するベーカリーで謎解きを』2012/09/05

カップケーキ探偵シリーズの二作目。


<フェアリーテイル・カップケーキ>を経営しているメルとアンジー。
メルはアンジーのお兄さんのジョーと一作目で両想いになりました。
アンジーは店の出資者のテイトのことがずっと前から好きだったのですが、テイトはメルのことが好きだと思っています。
テイトはメルのことを異性として好きというわけではありません。そのことを知っているメルはテイトがいつアンジーと自分の気持ちに気づくかと案じています。

父親が亡くなってから母ジョイスがデートをしないのを気にしていたメルは、母が久しぶりにデートをすると聞きホッとしていました。
しかし、ジョイスがデート相手のバクスターの家に行き更衣室から出てみると、バクスターがプールで殺されていたのです。

母親が第一容疑者になってしまい、メルは仕方なく事件を調べ始めます。
ところがアンジーがバクスターの息子でロックバンドのドラマーのブライアンと付き合い始めます。
この息子が怪しいと思っているメルは、アンジーのことが心配でなりません。

アンジーがブライアント付き合いだしてから、やっと自分の気持ちに気づき始めたテイト。
さて、彼らの恋模様はどうなり、犯人は一体誰なのか。

この本で信じられないのが、メルとジョーが大人の関係にまだなっていないと、町中の人々が知っているらいいということです。そんなこと、いくらなんでもないですよね。
笑っちゃったのが、大人の関係になりたいジョーがやったこと。
ロマンチックというんでしょうか?私なら引きます。

「床にバラの花びらが敷き詰められ、フトンはゴールドのサテンシーツで整えられ、カウンターにはシャンパンとチョコレートが置かれ、部屋のいたるところでキャンドルがともされ、ステレオからはジャズが流れている。美しくて、ロマンチックで、すてきで、完璧だった」

ゲー。
ちょっといただけないです。
三巻目が出たら買おうかどうか悩みますわ。
きっとこのコージーミステリーはアメリカの主婦たちが読むのでしょうね。
ちょっとハーレクインみたいですもの。

<今日のわんこ>
さて、我が家に来たハーフ犬ですが、5日目になり、少しずつ家に慣れてきたようです。
心配したお留守番もちゃんとやっています。
下痢もなく、昨日、今日とうんちを一日四回もしています。ご飯は2回なのに、しすぎじゃないかしら?
私が彼を無視して他のことをしていると・・・。


このようにじーっと私を見ています。
しばらくすると、私から見えないハウスの後ろに隠れたり、トイレの横にいたりします。これは私に自分を探させるためにしているのではないかと思うのですが、夫はそんなに頭がよくないだろうといいます。どうでしょうか?

困ったことは、よく吠えるようになったことです。
なんでなんでしょうね。
特に夫が帰ってくると吠えるような気がします。
彼のことが嫌いなのかな?

トイレは今のところ失敗がないのでえらいと思いますが、これからどうやって色々なことをしつけていったらいいのか、ちょっと自信がありません。
生き物を飼うことは大変です。

『冷静と情熱のあいだ』を見る2012/09/06

ツタヤで100円でDVDが借りられるので、『冷静と情熱のあいだ』を借りに行ってきました。
ところが、この作品、人気があるのですね。2本とも借りられていました。
2,3日後に再度行ってみると、返却されていたので借りてきました。


竹野内豊が若くてびっくりしました。
相手役のあおいは香港の女優さんですか。
悪いんですが、なんか私のイメージとは全然違うんです。
脚本も新たに書かれたとのことで、内容も小説とは微妙に違います。

はっきり言って、フィレンツェの街並みが見られてよかったわ、としか言いようがない映画です。

まず最初に、お馴染みのミケランジェロ広場からのドゥオモの美しい景色が映ります。(私の写真↓)


そして、ウフィツィ美術館の中。
10年以上経っても変っていません。今との違いは新館が出来て広くなっているぐらいです。
トイレが地下の迷路のようなところにあり、迷いそうになりましたのを思い出しました。

ミラノやフィレンツェの街角も雰囲気があっていいです。

何と言っても、やっぱりいいのは、ドゥオモのキューポラ。
飛行機から撮ったらしいのですが、二人がキューポラの上にいるのが空から写っています。
ピサに行かないでキューポラに登ればよかったかしら・・・。

それにしても、こんなに美しい映像をわざわざ撮らなくてもよかったんじゃないのかと思います。
だって映画としてみると、とっても残念な内容ですから。
まあ、イタリア旅行の再確認のために見たと思えば、100円は安いかもしれません。

J.D.ロブ 『死者のための聖杯』2012/09/08



死者のためのミサで、聖餅を割り、かけらのひとつを聖杯に入れ、神父が血(赤ワイン)を飲んだ瞬間、彼は息絶えた。
その神父の名はミゲル・フローレス。年齢35歳。
解剖で彼は青酸カリで殺されたことがわかったが、彼の身体にナイフの傷がやタトゥーをとった跡、そして、顔を整形していることがわかりました。
一体何のために整形したのか。
調べると、彼は司祭のフローレスではなく、元ギャング団<ソルダドス>の幹部の
リノだということがわかりました。
彼は何のために整形までして司祭になりすましたのでしょうか。

今回のテーマはキリスト教です。
イブは無神論者のようですが、ロークはアイルランド人ですから、本人は否定していますが、カトリックの影響がありそうです。

精神分析医のマイラのかわいい一面がでてきました。
二人の女が取り合いをしていたバッグをちゃっかり自分のものにしちゃうんです。
おしゃれに興味があるんですね。

まだまだ続くイヴ&ローク・シリーズです。


家の仔犬ですが、一週間が経ち、やっと家に慣れてきたようです。
えらいのは、私が仕事に行くときに吠えないのです。
吠えるのはかまってもらいたい時。吠えたら無視するを続けています。さて、いつになったら無駄吠えを止めてくれるでしょか。

トイレは最初のうちは、いつするのか全くわかりませんでした。
コソコソとやっていたのです。
昨日ぐらいから、うんちをやるなということがわかるようになりました。クルクルと回るんですから。
小の方は未だにわかりません。
それでもおトイレ以外でしないので、ほっておくことにしました。
褒めることができないので、どうなんでしょうね。サークルから出した時に、ちゃんとしてくれるでしょうか?

ご飯は私が見ていると食べませんでした。
今日から私が見ていると食べるようになりました。
"Food"と言ってお皿を示すと、やっと全部食べてくれました。ミルクをまだやっているのですが、あまり飲まなくなりました。

犬への指示語は英語にしようかと思っています。

岡崎琢磨 『珈琲店タレーランの事件簿』2012/09/10

この本、『珈琲店タレーランの事件簿』の後に『また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』というような副題みたいなのがついています。
長すぎる。どうしてこんなに長いのにしたのでしょうか?
『このミス』に応募して落選した作品を書き直してデビューしたようですが、『このミス』で面白かったのは海堂さんぐらいのような気がします。


『ビブリア古書堂』と表紙の雰囲気が似ています。同じ出版社だからです。

舞台が私の好きな京都のとある小路にある珈琲店ということで(好きなのは京都と珈琲店の両方です)、どんなものかと思って読んでみました。
美味しい珈琲、バリスタ、そしてミステリーといえば、「コクと深みの名推理」シリーズを思い出します。
残念ながら、このシリーズ物に比べると、楽しみがありません。
日常のちょっとした謎に挑む内容にしたいのかもしれませんが、謎とは言えない内容ですし、登場人物がそれほど魅力的ではないし、なんといっても珈琲が美味しそうに思えないのです。
シリーズ化するのなら、もう少し考えた方がいいでしょう。

恋人と喧嘩した後、偶然入った珈琲店「タレーラン」でアオヤマは「理想ともいうべき」一杯に出会います。
しかし、恋人から電話が来て、財布がないことに気づきます。仕方なく、連絡先をメモし珈琲屋を後にします。
後日、珈琲屋に行ってみると、あの珈琲を淹れたバリスタが女性であることがわかります。
彼女は切間美星といい、大叔父と一緒にお店をきりもりしていました。
美味しい珈琲と共に美星のことも気になるアオヤマでしたが、美星に何やら暗い過去がありそうな・・・。

「タレーラン」とはフランス外相シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴールのことで、ナポレオン以降のフランス政治に君臨した人だそうです。
彼の珈琲についての名言が有名です。

「よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、恋(愛)のように甘い」

最後の「天使のように純粋」とか「恋のように甘い」というのが、私にはちとわかりません。甘いのは砂糖の入れ過ぎではないのといいたいですわ(笑)。

アオヤマ(とカタカナにしているのは訳ありですが、本を読むとわかります)が美星の珈琲を飲んだ時の衝撃は、「唇から注ぎ込んだ瞬間、鼻腔にふわりと広がる香ばしさ。次いで感じたのは、そっと舌をなでるような甘みだった。丹念に炒られた豆だけが生み出せる絶妙な清涼感が、刺々しくなりがちな後味を上手にフェードアウトさせている」と表現されています。
う~ん、わたしには美味しそうに思えませんわ。珈琲がそれほど好きじゃないからかもしれませんね。香りは好きなのですが、一日3杯以上飲むと胃が痛くなるのです。

食べ物を扱ったミステリーって難しいですね。

高橋克彦 『だましゑ歌麿』2012/09/11



テレビドラマで『だましゑ歌麿』というのを前に放送していたらしく、第二弾がまた放送されるようですね。
それで思い出しました。この本、読んでいたのですが、ブログに書いていないはずです。
高橋克彦の本は同僚から紹介されてから大分読みました。私は特に浮世絵に関するものが気に入っています。
北斎広重写楽を題材にしてミステリーを書いていますが、歌麿に関するものには『歌麿殺贋事件』があります。
現代の話で浮世絵研究家の塔馬が活躍するものです。
『たましゑ歌麿』のように江戸時代の歌麿の生きていた時代ではありませんが、おもしろいですよ。

さて、『だましゑ歌麿』です。
江戸を高波が襲った夜、人気絵師・喜多川歌麿の女房・おりよが惨殺されました。
その事件をあつかったのが同心・仙波でした。
その縁から歌麿と彼を取り巻く人々と親しくするようになり、いつしか深みにはまっていき、命まで狙われるようになります。

テレビドラマのサイトを見ると、歌麿が「幕府の弾圧と戦いながら、千波たちと江戸を騒がせる謎めいた事件を解決していく」ようですが、この本の歌麿は幕府の弾圧と闘ってはいますが、仙波たちとは組んでいません。表だって謎を解いていくのは、あくまでも仙波です。
歌麿は幕府の裏をかき、妻の敵をうとうとしています。

歌麿の生きていた頃を調べてみると、老中・松平定信が寛政の改革を行っており、贅沢禁止令が出されていました。
本にも出てきますが、華美な絹の着物とか鼈甲の櫛、珊瑚のかんざしなどは売るのを禁止されていました。禁止令の出る前に買い、蔵にしまっておいたものも処分の対象になっていました。
錦絵も色数の制限や版下で検閲するなど、どんでもない時代でした。
歌麿がそんな幕府を嘲笑うかのように、検閲の裏をかくだましゑを描いていたのです。

『さやゑ歌麿』というのが今回のドラマの原作のようです。
読んでいませんが、この事件の後一年間、ほとぼりを冷ますために江戸を離れ栃木に行ったはずの歌麿が江戸に戻り、仙波と共に事件解決をするという内容なのかしら?

/ハンナ・リード 『家出ミツバチと森の魔女』2012/09/13

はちみつ探偵シリーズの二巻目。


<ワイルド・クローバー>という食料雑貨店の店主ストーリー・フィッシャーは前回同様に、共同経営者で店を手伝っている妹ホリーの遅刻とバイトをしているいとこのキャリーの飲酒問題に悩んでいます。

店の地下室で手作りキャンドル教室を開いた日、ホリーのミツバチたちが古巣を捨てて逃げ出しました(分巣というそうです)。
何処に行ったのか探さなければ、今までの苦労がパーになってしまいます。
ホリーと隣に住む詮索好きのヘティに手伝ってもらってミツバチを探しに行きました。この時、拳銃を発砲したような音を聞きます。
ミツバチは森の失地の白樺の木のところにいましたが、高くて手がとどかないので、次の日に出直すことにしました。
その夜、ストーリーの高校時代の同級生で刑務所を出て町に戻ってきたばかりのローレンが行方不明になります。
ローレンの家族は捜索隊を編制し、ストーリーのボーイフレンドのハンターは警察犬のベンを連れて、ローレンを探します。
ミツバチが休んでいる白樺の木の下で見つかったのは、ストーリーの隣人で魔女と言われていたヘティでした。
ローレンはその夜のうちに林道から離れた、森の奥で遺体で発見されました。

とんでもないことに、ストーリーは、同級生で昔から犬猿の仲の警察署長ジョニー・ジェイから犯人扱いをされます。
ジョニーへの腹いせと、ローレンの殺人事件が高校時代のことと何か関係があるのではないかと思ったストーリーは、事件を調べ始めます。

ストーリーが母親に悩まされている様子には笑ってしまいました。
母親には辟易している人は少なからずいるのではないでしょうか。
私も電話で話すと、自分の言いたいことだけ言って人の話を聞いていないので、ちょっと頭にくることがあります。
仲がよさそうだった兄が一緒に暮らし始めてから、「何かと考え方が自分中心で、人の言う事は聞かない感じです」とメールしてきて、やっと私の苦労がわかったかと思った次第です。
年を取ると自分中心になるのは仕方がないのでしょうかね。

この本は美味しそうな料理は出てこないし、食料雑貨店の仕事はおもしろそうではないのですが、キャラクターが濃い人たちが出てくるので、最後まで読み続けることができました。
ままならない人間関係をどうストーリーがさばいていくのかが次回の楽しみです。


この前、自由が丘にある紅茶のお店TGWに行ってランチをしてきました。
もともとシンガポールにあるお茶屋さんだそうです。


こじんまりしたお店です。席が隣の人と近くて、話がバッチリ聞こえてしまいました。
頼んだのは、デザート付のランチ2100円です。
チキンはカレー味の私好みの味付けでした。デザートはクリームの中に紅茶が使われているのですが、大きくてとっても甘かったです。



ついつい暑かったので、アイスティーを頼んでしまい、失敗しました。
びっくりするぐらい大きいグラスで出てきて、味も香りもわからなかったのです。
そういえば美味しいアイスティーって飲んだことがないような気がします。
私が美味しいなと思ったのは、国立の葉々屋のサービスでくれるアイスティーです。ものすごくコクがあり、すごく美味しいのです。
いつも小さなグラスでくれるのですが、お金を出してもいいからもっと飲みたいといつも思います。
TWGにもう一度行くことがあったら、お茶はポットで頼みますわ。


ここのパッケージはかわいいですよ。
スコーンとアールグレイの青い花が入った紅茶50g、そしていただき物のこれもアールグレイで赤い花の入った缶入りです。
スコーンは葉々屋の方がカリッとしていて私好みです。そうそう、土日だけではなくて平日も売り始めるそうです。
紅茶はいい香りがして美味しいです。日本で買うと結構お高いので、シンガポールで買うことをお勧めします。
それまでは自分の好みの紅茶を探すために50gずつ買っていこうかと思います。
なにしろ沢山種類があるのですから。

小路幸也 『東京バンドワゴン』2012/09/15



知り合いの息子さんが、文化祭でこの本をもとにして劇をすると聞き、どんなものなのか読んでみました。

語り手は幽霊。幽霊と言っても全然怖くない、76歳で亡くなったおばあさんのサチさんです。
幽霊ですから便利です。
どらえもんのどこでもドアがなくても、瞬時で空間移動ができてしまいます。
人の内緒話も気づかれずに聞くことができます。

今ではめったにない、大家族のお話です。
東京の下町でお寺や路地の多いところというと、そうです。谷根千付近でしょうかね。東大が近いので、古本屋もあるでしょう。根津神社らしき神社も出てきます。

「東京バンドワゴン」ってバンドの名前かと思ってしまいますが、実は古本屋の名前なんです。いわれがあるようなのですが、ここには書きませんので、気になったら本を読んで下さい。
築70年ぐらいの日本家屋に古本屋とカフェがあります。
古本屋は昔から営んでいるのですが、カフェはお嫁さんの元国際線スチュワーデスの亜美が言い出して始めたようです。

この「東京バンドワゴン」を営むのが、堀田家です。
おじいさんの頑固おやじ勘一を始め、息子で伝説のロッカー我南人(がなと)、娘の藍子、藍子の娘花陽、我南人の息子の紺、紺の妻の亜美、紺と亜美の息子研人、我南人が愛人に産ませた息子の青。
以上8人がこの古い日本家屋に住んでいます。
8人でも多いと思うのですが、シリーズが進むにしたがい、もっと増えていくようです。

知らなかったのですが、この本、人気があるらしく、シリーズ化しています。
著者は北海道に住み、年に一回、春にこのシリーズ物を出版するようにしています。
もう7冊出版されているようですね。

堀田家を中心に起こる日常生活の些事を、ほのぼのとしたタッチで描く、古き良き昭和の香りが漂うシリーズです。

もうドラマ化か映画化をしているとばかり思っていましたら、まだしていないそうです。
何故なのでしょうね。
こんなに出演者が多いと時間が合わないからでしょうか。
誰がこの役にいいかという話も出回っています。
是非読んで考えてみてください。
私の案はしばらく考えてから紹介します。