読んだ本、4冊2013/10/05

4冊は図書館から借りてきた本です。
どうしても読みたい本というよりは、どんなのか買うほどもないので、借りてみたという感じです。
まず、直木賞受賞作品『ホテルローヤル』。


舞台が北海道の田舎町のラブホテル。
そのホテルの利用者や経営者の家族、従業員たちの日常を七編の短編で描いています。
どの人たちにも独自の人生があり、悩み迷いながらも日々淡々と生活を営んでいるんだなと思いました。


柴田錬三郎賞を取ったそうです。おめでとうございます。パチパパチ。
賞を取ったといっても、私はそんなにこの本、いいとは思いませんでしたが。

老人が殺された。
彼は花の栽培が趣味で、昔はバイオテクノロジーの研究をしていたという。
彼の家から黄色い花の鉢植えがなくなっていた。
その花は江戸時代に存在していた黄色い朝顔ではないかと思われ・・・。

朝顔を昨年から鑑賞していますが、そういえば黄色い花はありませんね。
このことから想像を広げていくのが小説家の腕の見せ所。
東野はどう料理したでしょう。


このミステリは表紙と題名に惹かれて読んでみました。
しかし、学園物だったので、しまったと思いました。
ポチというあだ名の須川君が主人公で、彼が一目ぼれをしたカードマジシャン志望の女の子・酉乃初と共に高校生活に起こる日常の謎を解いていくという話です。
それにしても須川君、独り言が多いよ。
君の考えることなんか、私は興味がないんだよ。
さっさと酉乃初に謎解きをさせなさいと何度思ったことか。
高校時代から大分遠ざかっているオバサンには(ポチの独白が)ちょっとつらい内容でした。


何年か前に「3K(きつい・きたない・危険)」といわれていたのが、今は「3H(暇・ヒモ・非正規)」といわれているそうです。
『リアル30’s』を読んだ時はピンとこなかったのですが、この本を読んで現代の若者の状況をリアルに感じることができました。
派遣法規制緩和から非正規労働者が増えていったということは、その時から正社員になれない人が増えていったということですね。
日本は「一度、階段からおりると二度とのぼれない社会」だと筆者は書いています。
知り合いの人の息子さんは最初に勤めた会社がつぶれ、その後は正社員になかなかなれず、今はパートをしていると言っていました。
親が元気なうちは親に寄生していればいいのですが、「自分が死んだ時にどうなるのか、考えるのも嫌だ」と言っていました。
若ければ仕事があると思っていましたが、そうでもないんですね。

「貧困は社会構造から生まれている」

富が一部の裕福層にしか分配されない社会になりつつあるようです。
これからの日本が、どんな若者にも仕事があり、未来にささやかでもいいから夢の持てる社会になればいいのですが。
現状を考えると難しいものがありますねぇ(溜息)。

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