”はじめて”の旅行2013/12/01

土日に夫の仕事がないということなので、急遽一週間前に宿をとり、初めて犬を連れて旅行に行ってきました。
空いていたのが伊豆長岡の温泉旅館。
わんこが2時間以上も車に乗るのは初めてです。
車酔いが心配でした。
ドライブ用の箱のようなものに入れると鳴いてうるさいので、ずっと抱いていることになってしまいました。


(↑)すごく緊張しています。
旅行の終わりごろには車にも慣れたようです。

宿は残念ながら犬と一緒の部屋ではなくて、犬だけ檻の中になります。
他の犬がいなかったのでよかったのですが、一人にされるのでわんこは不満のようです。
夕食をやると食べないので外で軽く遊ばせようとすると、どんどん走っていくので、結局散歩になってしまいました。
疲れました。

部屋からは富士山が綺麗に見えます。



途中でいちご大福を売っていたので買ってみました。
容器は立派ですが、皮が厚く、中の餡が白餡で無骨な感じです。
いちごソフトも食べてみたのですが、ソフトクリームというよりもアイス・・・という感じでちょっとガッカリしました。


宿では色々と魚介類がでましたが、まあ、巨大ホテルですから食事はこんな感じでしょう。


泉質は単純温泉ということですが、何故か私の左手の昔やけどをした皮膚が痛みました。
残念ながら私の皮膚には刺激が強かったようです。

朝の富士山です。


外に出ると俄然元気になるわんこです。


調べてみると、足柄SAにドッグランがあるということなので、帰りに行ってみました。
下りは狭いドッグランでしたが、ドッグランが初めてのわんこにはちょうどいい大きさです。




呼んでも来なくて、捕まえようと必死になる自分の姿を想像していたのですが、全く問題ありませんでした。
SAも犬用の施設を作っているんですね。ありがたいです。

ドッグランの傍にポニーがいました。


犬も中に入れるということで、久しぶりに横浜のベイサイドマリーナに行ってみることにしました。
夫のものばかり買うことになってしまい、私は不満でしたが、わんこは初めての経験ではしゃいでいます。
馬で言うとトロットではなくて、ギャロップで駆けています。
「跳んでいるよ」とか「小さいから元気でいいですね」とか言われてしまいました。
私たちが物を食べていると、クレといって騒ぎます。
仕方ないので、パンの端を小さくちぎってやって大人しくさせました。



ベイサイドマリーナから家までの車中にハウスの中に入れてみると、初めてばかりで疲れたのか、ウトウト寝ながら大人しくしていました。
家に帰ってご飯を食べると、サッサとハウスに入り寝てしまいました。

これからも機会があれば色々なところに連れて行こうかと思います。

今回の旅行で気にかかったのですが、どうも他の犬が苦手のようで、仲良くしようと近づいて来てくれているのに逃げ回っていました。
仔犬の時に他の犬と触れ合う機会をもてなかったからなのでしょうね。
これからもっと外に連れていくようにしますわ。
それから、家のわんこは外でおしっこができません。
おしっこシートの上でないと駄目なのです。
犬らしくないですね。
躾を間違ってしまったかしら・・・。

一泊二日でしたが、楽しい旅行になりました。

西條奈加 『無花果の実のなるころに』2013/12/04



日常の謎を解くというミステリです。

僕こと滝本望(のぞむ)は親の北海道転勤で入学したばかりの中高一貫校を辞めたくないために、元芸者の祖母、お蔦さんの神楽坂の家に住むことになります。
お蔦さんは粋できっぷのいい、人情味あふれる女性で、色々起こる日常の謎を持ち前の機転を生かして解いていきます。
流石、元芸者。
すべてを明らかにするのではなくて、黙るべきことは黙る。人生の機微を知ってなさる。
望は料理下手なお蔦さんのために、父親譲りの料理上手を生かしていきます。
彼の作った無花果のタルトや揚げたてカレーパンなんか、特に美味しそうです。

登場する社長が言っていた言葉がいいですね。

「攻めというのは、勝つための行為だ。僕は負けなければそれでいい」
「負けないように周りを固めながら、その中でできるだけ遊びを楽しみたいんです」

何でも勝つことばかり考えていると、仕事でも勉強でもつまんなくなってしまうように思います。
不謹慎に思われるかもしれませんが、遊びがあってもいいし、楽しんでやってもいいんじゃないかしら。
その方がいい結果がでそうな気がします。

望君はお蔦さんやご近所衆など色々な人々と出会い、だんだんと成長して、いい男になってきています。
続編ができるといいですね。

リース ・ボウエン 『貧乏お嬢さま、古書店へ行く』2013/12/06

英国王妃の事件ファイル・シリーズの二作目。


王位継承権34番目なのに、貧乏なのでロンドンでメイド派遣業をやり、自らメイドになって働いているジョージーは、相変わらずの生活をしていました。

ある日、王妃に呼び出され、アメリカ女に夢中になっている息子の目を覚まさせるために、ドイツから来る王女と息子を会わせたいから協力するように言い渡され、ドイツの王女の面倒をみることになってしまいます。
家に王女が来るということは、王女とお付の者たちの食費やら滞在費やらなんたらかんたら、すべて面倒を見るということです。
お金がないのに・・・。
仕方がないので、スコットランドにいる兄に前回のことを思い出させ、なんとかお金を送ってもらい、召使がいないので苦肉の策としておじいちゃんと彼のガールフレンドに助けてもらいます。

やって来た王女ハニはずっと修道院に入っていたというわりになんだかね、ギャング映画から学んだという変な英語を話し、男に色目を使うわ、デパートから万引きをするわで、困ったもんです。
王女にねだられ怪しいパーティに行ったところ、ジョージーの目の前で出版王の息子がバルコニーから落ちて死んでしまいます。
彼の死の後にも次々と人が死んでいき、ハニ王女は疫病神か?

王妃の命を受け、ジョージーは再度殺人事件を解決しにロンドン中を駆けずり回ることとなります。

本を読みながら、貴族よりもお金のある庶民の方がいいなとつくづく思いました。
次回、舞台はロンドンからスコットランドになるそうです。
お兄さんと義姉が登場しますね。
義姉とのバトル、期待しちゃいます。

イルミネーション@昭和記念公園2013/12/07

冬と言えばイルミネーションの季節ですね。
昨年見に行こうと思っていたら終わっていた昭和記念公園へイルミネーションを見に行ってきました。
まだ始まったばかりなので、それほど混雑していませんが、何故か犬がいっぱいいます。
犬にはイルミネーションはわからないのに・・・。


イチョウ並木のイチョウはもう葉を落としています。
夫によると、都心の方ではまだイチョウは葉をつけているそうです。


噴水の前で記念撮影をする人がたくさんいました。


イルミネーションの迷路。


光る大ケヤキ。


レストラン前で小平の中学校のブラスバンドが演奏していました。
結構うまいです。



音楽に合わせて光が上下に移動するというリズミックタワー。




入り口にキャンドルで作ったタワーがあります。


色が変わります。




鐘がありました。


もっと大々的なイルミネーションを期待していたのですが、意外とこじんまりとしたものでした。

夕食は同僚が教えてくれた焼き鳥屋で焼き鳥と卵ご飯をいただきました。
美味しかったです♪

国立でもイルミネーションをしています。



堂場瞬一 『凍る炎』2013/12/09




イケメンでシングルファーザーの刑事総務課勤務の大友鉄はまたリハビリということで、垂れ込みの宝石店強盗事件の手伝いに行かされます。
ところが、予期しなかった爆発が起こり犯人は逃走、同期の柴は爆発の影響で耳が聞こえなくなります。

その次に大友が借出されたのが「燃える氷」と言われているハイドレートの研究施設で起こった密室殺人事件です。
自分なりに自信のあった被疑者の尋問でしたが、今度ばかりは上手くいきません。
一体自分の存在意義は何かと悩む大友。

私生活では息子が親離れしつつあります。
今までは再婚のことを考えもしなかったのですが、義母からお見合いの話があり、相手の写真を見て心が揺れます。

次は捜査一課に異動か・・・というところで、最後に衝撃的なことが起こります。
次のアナザーフェイスが待ち遠しいです。



私がソファで寝そべっている時に足の上で寝ていたわんこです。
前まではこんなに大人しくしていることがなかったのに。
大人になったってことですかね。

帚木蓬生 『賞の棺』2013/12/12



白血病になって以来、年に一回ぐらいしか新作を発表しなくなった帚木さんの新作がノーベル賞物?
と思って不思議に思って読み終わると、最後に1996年に文庫になったものだと書いてありました。

英国のアーサー・ヒルがノーベル医学・生理学賞を取ったという新聞記事を見た津田は恩師のことを思い出します。
彼の恩師の清原修平はヒルと同じ筋肉生理学者で、三年前に白血病で亡くなっていました。
もし彼が生きていれば、ヒルと一緒にノーベル賞をもらったかもしれません。
同じ分野にはロバート・アンダーソンとアルベルト・ベヴェシーもいたはずです。
何故彼らは受賞しないのか。
不思議に思った津田は<医学索引>で二人の論文を調べてみました。
奇妙なことにここ4・5年、二人は論文を全く発表していないのです。

清原教授の記念論文集をみている時に<研究の光と影>という随筆を見つけます。
そこには清原がパリで講演した時、二年前に清原と同じ実験結果を得ていたという男性が質問をしてきたということが書かれていました。
彼は実験結果の論文をヒルが編集委員をしていた<細胞生物学雑誌>に投稿しましたが却下され、その翌月、<細胞>に彼と同じ結果を示す論文が載ったと言うのです。
その論文を書いたのはヒルでした。

津田はブタペストの国際学会でポスター発表をする予定があり、学会の後、休暇をとり、パリに住んでいる恩師の娘と会い、アンダーソンとベヴェシーのその後を調べ、ヒルにも会ってみようと思いたちます。

ノーベル賞は死んだ人には与えられません。
もらうためには生きていなければならないのです。
出来る限り若い年代の研究者にあげて欲しいですね。

野地秩嘉 『サービスの達人たち』2013/12/13

前に紹介した『サービスの裏方たち』の人が書いている本です。
こちらの本の方が人間の裏の世界に踏み込んでいる感じです。


サービス業に勤める人で達人と呼ばれている人がどのように仕事をしているかというハウツー物かなと思って読んでいたのですが、全く違いました。
出てくるのは普通の達人ではありません。
彼らの生き方が丹念に書かれています。
印象に残った人を紹介してみましょう。

ロールスロイスを年間20数台以上も売る男。
ともすれば金持ちの客ばかり相手をしていると勘違いをしてしまう輩がいるのに、彼は明確にお客と自分との間に一線を引いています。
私生活では若くで奥さんが亡くなっており、残された子供を育てています。
娘さんによるとお母さんはお父さんのことが大好きで、いつも「幸せ」といっていたそうです。いいですね。
こんなお母さんがいたら、今のように結婚しようと思わない若者が増えなかったでしょうね。

サントリー山崎蒸留所のチーフ・ブレンダーの輿水精一。
彼は「響」をブレンドした人です。飲んだことないけれど。
サントリーはスコットランドのボウモアにウイスキーの蒸留所を所有しているそうです。
その蒸留所の広報をしている人の言葉は、ウイスキーを飲まない私にもわかることです。

「ウイスキーはあくまで人間が造ったものだということが。ウイスキーはリフレクションなんだ。この島を反映し、この島の人々を反映し・・・」

ウイスキーは無くても生きていけるけれど、それでも人生をかける人がいるということはすばらしいことです。

電報を配達してもらったのはいつのことでしょうか?
記憶にないです。
今はお祝いの時に電報を贈るというのがあるぐらいですか。
電話が今ほど普及していなかった時は電報を使っていたようです。
でも、今でも役立つ時があったのです。あまりうれしくない時ですが。
災害の時です。
阪神・淡路大震災の時に電話線が破壊され、殺到した通話のためにライン容量がパンクし、通話不能状態が長く続きました。
その時、五十代以上の人たちが「見舞いや安否を気遣うために電報を打ち、電報配達員が被災地に駆けつけ、自らの危険もかえりみず、瓦礫を乗り越えて電報を届けていた」のです。
知りませんでした。
何故、このようなことをマスコミは報道しなかったのでしょうか。
あって欲しくないことですが、電話が不通になったら電報を試してみるのも一つの手なんだなということがわかってよかったです。

他にも魅力的な方々が出てきますので、目次を見ておもしろそうと思ったら読んでみてください。

森下裕美 『大阪ハムレット』2013/12/14



胃腸炎で寝ている合間に読んだのが、この『大阪ハムレット』。
始めは絵が嫌いなタイプかなと思ったのですが、内容が内容なので、絵が気にならなくなりました。
大阪を舞台に、そこに住む人たちに起こる日常の辛苦を見事に描いた漫画です。
生きていくのは楽しいことばかりじゃない。
どの家庭も側から見れば幸せそうでも、その家庭なりも問題があるかもしれない。
辛いことがあっても、そこは自分で乗り越えていかなくてはならない。
なんて偉そうに書いていますが、自分の緩さ加減は十分わかっています。
私の苦労なんて、苦労じゃないもんね。
胃腸炎ぐらいで私も年だ・・・なんて落ち込んでますから。

久々のハードな漫画でした。
おもしろいだけが漫画じゃないと思う方限定のお勧め漫画です。

宮部みゆき 『R.P.G.』2013/12/15



R.P.G.とは「role-playing-game」の頭文字です。
NHKでドラマにしていたとのこと。
ドラマでも舞台でもいけそうな話です。 

建設中の住宅で複数の人間が喧嘩をしているという通報が。
交番から現場まで駆けつけていってみると、男がナイフで刺されて死んでいました。
男は食品会社の顧客管理課課長の所田良介でした。
彼の死の三日前に元交際相手の女子大生も、渋谷のカラオケボックスで何者かにより絞殺されていました。
捜査線上に浮かんだのがA子でしたが、これといった決め手はありません。
調べていくうちに、所田にネット上の家族がいたことがわかります。

事件の突破口を開くために、デスク担当だった中本があることを提案します。
その線でいってみようとなった時に、彼は心筋梗塞で倒れてしまい、中本の代わりに抜擢されたのが、中本と同じデスク担当の武上でした。

所田の娘の一美を取調室の隣のマジックミラーのある部屋に待機させ、普段は書類仕事の武上が所田のネット上の家族たちの取調べをします。

「サイバースペースで育まれる人間関係には、現実社会のそれと同じくらいの価値もあれば、温かみもあるんです。デタラメや嘘ばかりが横行しているわけじゃありません。顔を合わせないからこそ、自分の姿や立場にとらわれないからこそ打ち明けあうことのできる本音もあれば、そこで育つ親愛の情だってあるんです」

現実の家族が機能しないためにネット上の家族を求めるということはありそうです。
そういう家族を求めざるえない状況というものに悲しさを感じます。
この頃の事件をみていると、崩壊家族で育った子達が起こしているものが結構あるように思います。
淋しいから、その淋しさで結びついても、どう家族を作ったらいいのかわからなくて困っているようです。
そういう子供たちと関わっていく、いい大人がいればあのような事件は起こらなかったかもしれないですね。

この本では最後の最後に驚かされます。
詳しくは書きませんが、宮部さんの発想の豊かさにはいつものように感心させられました。
次はどんな驚きをくれるのか、楽しみです。

ジェフリー・ディーヴァー 『シャドウ・ストーカー』2013/12/21



尋問とキネシクスのエキスパート、キャサリン・ダンスが主人公のシリーズです。

ダンスは休暇でカントリーミュージックの人気歌手ケイリーに会いにいきます。
ケイリーはストーカーに悩まされていました。
ストーカーは頭のいい男で、法に触れることは一切してきません。
そのため打つ手が無いままできていました。
コンサート間近にコンサート会場でロードクルーのチーフ、ボビーが殺されます。
彼が殺される前に、何者かがケイリーに電話をかけてきました。
電話では彼女のヒット曲「ユア・シャドウ」の一番が流れていました。
歌の歌詞をなぞった殺人がこれからも起こるのでしょうか。

休暇中にもかかわらず、ダンスはケイリーの事件に協力することにしますが、残念ながら地元の警察との協力関係が構築できず、次の殺人が起こってしまいます。

中だるみの部分もありますが、最後にディーヴァーらしい一転、二転・・・で驚かせてくれます。