山田純大 『命のビザを繋いだ男 小辻節三とユダヤ難民』2015/03/21

映画『シンドラーのリスト』を見た時に日本にも同じようなことをした人がいるということを知りました。
杉原千畝です。
しかし、人間、いくつになっても知らないことがあるなぁとこの本を読んでつくづくと思いました。
というのも、私はビザがあれば日本経由で簡単に他国へ行けると思っていたのです。
杉原からビザをもらった人たちはなんとか日本までは行けるのですが、滞在期限は10日間しかなく、この期限を過ぎると送り返されてしまいます。
10日間では受け入れ先を見つけ、入国手続きをとり、渡航費用を工面するのは難しいため、期限を延期してもらおうとするのですが、日本政府は許可を与えません。
そのため、もう一人の日本人の働きが必要だったのです。


小辻はユダヤ学の研究者であり、ヘブライ語を流暢に話す人でした。
日本に来たユダヤ人のビザ延長のために働き、船便の手配をし、ナチスの親衛隊将校がユダヤ難民の処分を迫った時も間に立ち、ユダヤ人難民のために奔走したのです。
後に彼はユダヤ教に改宗し、死後、遺骨は彼の遺言によりエルサレムに埋葬されました。

ほぼ毎日殺人事件が起こり、人の命が軽んじられているような今の時代に、小辻のような戦時下でも自分の信念を曲げずに人のために働くという人がいると知ることができ、人間は善なるものであるということを信じてもいいんじゃないかと思いました。

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