風野真知雄 『隠密味見方同心 1~5』2016/04/02



風野さんの作品がおもしろそうなので、また違うシリーズを読んでみました。

(ネタバレあり)

味見方同心なんて実際はないですよね。(ある?)
南町奉行所の同心、月浦波之進に食い物屋を探り、悪事を暴くという「味見方」という特命が下りました。
どの食い物屋を探るかを決め、ブラブラしている風を装いながら、周りに目を配る波之進。
彼は推理力に優れ、剣の腕もすばらしい人です。
そんな彼に悪事を知られるのを恐れる一派がいたのです。

なんと一巻目で、主人公だと思っていた波之進が殺されてしまいます。
二巻目以降は波之進の弟、魚之進が兄の「美味の傍には悪がいる」という言葉を受け、味見方同心として活躍します。
魚之進はできる同心の兄の陰に隠れ、ちょっと変わった冷や飯食いの二男として暮らしていたのです。
兄ほど自分はできないと思いつつも、兄の仇をとろうと決心します。

二巻目以降を読みましたが、魚之進はそんなにへりくだるほどではありません。
兄がよすぎたのです。

江戸の美味しい物を楽しめる作品です。
食いしん坊の私はタイムスリップできるとしたら、江戸時代に行ってみたいです。