米原万里 『オリガ・モリソヴナの反語法』2016/06/02



眠そうな二匹。
兄が寝ている横に弟が寝たようです。
こんな姿もしばらくは見られません。
というのも、弟が〇んちをスヌーピー小屋まで持っていったためママの怒りに触れ、またサークル暮らしに戻りました(笑)。


変わった題名の小説です。
米原さんはエッセイばかり書いているのだと思っていたのですが、小説も書いていたのです。
前に読んだノンフィクション『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』のような小説です。

1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踏教師のオリガ・モリゾヴナに魅了され、ダンサーになることにしました。
オリガは踊りと罵倒語の天才で、彼女が振り付けたダンスは評判になり、チェコのテレビ局が取材になるくらいでした。

それから30年後。
ダンサーになるという夢が破れ、翻訳者となった志摩は社会主義体制崩壊後のモスクワに赴き、ソビエト学校時代の友人の助けを借り、オリガがどのような経緯で舞踏教師となったのか、彼女の半生を辿ることになります。

スターリン統治下のソ連で一体何があったのか。
歴史に疎い私は、なんとなく知ってはいましたが、この本を読んでたくさんの罪のない人々が強制収容所に送られ、そこでどんな生活を送り、どのようにして虐殺されたのかがわかりました。
米原さんの筆力には感心しました。
まるでミステリ小説を読んでいるような感じでした。

『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』と共に読んでもらいたい本です。