近藤史恵 『黄泉路の犬』&『狼の寓話』2016/10/09



題名が固いので、内容まで固い(ハードボイルド)かなと思ったら、全く違っていました。
本格的警察小説を期待してはいけません。
新米刑事とその先輩の女刑事のお話です。

新米刑事・圭司は殺人事件現場で証拠になりそうな髪の毛を流してしまい、女刑事・黒岩と組まされることになります。
黒岩と一緒にやり始めたのが、ホテルで殺された男の行方不明の妻の捜索です。
妻が殺害したのではないかと思われているのですが、黒岩は逮捕状を取らず、彼女のバックグランドを調べ始めます。
彼女は二度結婚しており、最初の夫はDV男で、彼女はその被害者でした。


強盗被害にあった姉妹が飼っていたチワワを探して欲しいと言ってきます。
圭司と黒岩が調べ始めると、ある女の自殺事件につきあたります。
女は一人で一軒家に住んでおり、家には何十匹の犬と猫がいました。
一見、動物保護者のような顔をしていましたが、実は彼女は「アニマル・ホーダー」でした。

「アニマル・ホーダー」って聞きなれない言葉ですね。
よく犬屋敷とか猫屋敷とか言われ、悪臭とか鳴き声がご近所に迷惑をかけているのに、自分は恵まれない動物を保護しているのだと開き直る人がいますが、実際は動物たちはひどい環境に置かれているなんていうことがありますよね。
そういう人のことを言うのだそうです。
一種の精神的な病気ですよね。
病気という自覚がないので、なかなか難しいようです。

DVとかアニマル・ホーダーとかの社会問題を扱っていますが、登場人物たちの会話がコミカルで、それほど悲惨な感じはありません。
シリーズ物として続いていきそうです。


兄犬が相変わらずひっくりかえっているので、今度は違う角度から写真を撮ってみました(笑)。


いかがですか?