市井豊 『聴き屋の芸術学部祭』&『人魚と金魚鉢』2018/03/08



おもしろい題名なので、読んでみました。
「聴き屋」って何でしょう。
その名の通り、人の話を聴く人のことです。
無料なので、仕事ではないというのがポイントです。

ある大学の芸術学部生で文芸サークル第三部<ザ・フール>のメンバーである柏木君は、人の話を聴くことが得意でした。
というか、何故か彼に色々な人が愚痴ったり、話かけてきたりするんです。
そのため人よせパンダとして、芸術学部祭で「聴き屋」を命じられてしまいます。
彼のおかげで<ザ・フール>の文芸誌は売り上げがよく、打ち上げ代もおつりがでるほどでした。
が、芸術学部祭の最中に殺人が・・・。
柏木君は自分の得意技を使い、犯人をつきとめようとします。


こちらの本の方がお勧めです。
誰も死なないですし、大学生という身分の柏木君たちの(おバカな)様子がよく描かれていると思うからです。(かくれんぼなんてするかよ)
大学生は何者でもないからいいんです。
過去に戻れるとしたら、大学時代なら戻ってもいいかな。
今の精神状態のままで体だけ大学生になれるんならいいんですが(笑)。

まだ若い作家さんなので、これからの活躍が期待されます。
聴き屋はまだまだ続きが書けそうです。