辻村深月 『朝が来る』 ― 2019/04/15
相変わらずくつろいでいる兄犬です(笑)。
顔が出ているのは何故でしょうね。
いつもこんな風に目を開けて寝ているようです。
この前、弟犬が横になって寝ているのを見ました。
彼はクッションに潜って寝ることが多いので、どういう寝相がわかっていませんでしたが、彼もくつろいで寝ているのがわかって安心しました。
まだ子供はいらないと思っていたのに、親からのプレッシャーから不妊治療をすることになった左都子と清和夫妻。
調べてみると、夫が無精子症だった。
辛い治療を止めようと決心した頃に養子縁組についての番組を見、話を聞きに行き、養子縁組をすることにした。
養子縁組をした子、朝斗が6歳になった頃、息子の産みの親だという女から子供を返して欲しい、それができなければお金が欲しいという電話がかかってくる。
左都子と清和はその女に会うことにする。
電話をかけてきた女は本当に朝斗の母親なのか?
朝斗を産んだ片倉ひかりは中学生だった。
中学受験に失敗した頃から親との間に溝ができていた。
2年生になった時にかっこいい男の子と付き合うことになり、身体の関係を持つのに時間はかからなかった。
まだ生理がないから大丈夫だという気持ちもあった。
他の子たちより自分は優位に立っているというおごりもあった。
しかし、妊娠してしまう。
親は世間体を考え、すべてのことを決めてしまう。
子供を養子に出し、学校に戻ったひかりだったが、彼の気持ちはもはやひかりにはなかった。
その後、高校受験にも失敗したひかりは家を出てしまう。
それは転落の始まりだった。
血のつながりがなくても信じ合える家族と、血のつながりがあっても心の通わない家族。
どちらが子供にとっていいのか。
血のつながりとか関係なく、子供の周りにいる人みんなが子供を育てて行けたらいいのにと思いますが、そういう世の中にはなかなかなりません。
反対に家族が閉じていくような感じです。
これからもっと幼児虐待が増えていくのでしょうか。
墜ちていくひかりが救いようもなくかわいそうでしたが、最後はうまくいき過ぎという感じでした。
こういう希望を持たせる終わり方はどうなんでしょう。
物語ですからねぇ。
実際には起こりそうもないことですが。
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