山口恵以子 『食堂のおばちゃん』2019/04/25



笑ってください。
へそ天をしながら頭は小屋の外という姿です。
くつろぎ過ぎの兄犬です。


山口さんというと『食堂のおばちゃん』らしいので、読んでみました。
これも美味しいお料理が出てきます。

佃にある「はじめ食堂」は姑の一子と嫁の二三が切り盛りしているお店です。
二三は元デパートのバイヤーで、夫が急死したためデパートを辞めて、姑の一子と一緒に昼は定食屋、夜は居酒屋を営むことになりました。
実は亡くなった舅が生きていた頃は洋食屋でした。
舅が亡くなった時に一流商社に勤めていた一人息子の高が会社を退職し、舅のような味は出せないということで始めたのが「はじめ食堂」でした。
二三が「はじめ食堂」を利用していたことから縁があり、二人は結婚したのです。

お店のメニューはオムライス、コロッケ、焼き魚、おでん、ニラ玉など普通の家庭で出てくるようなものです。
唯一海老フライは舅の味を引き継いでいます。
定食の中身は、メインと二つの小鉢、味噌汁、サラダ、漬物、ご飯で、なんと七百円です。
安くないですか。千円でもいいぐらいです。(普通の定食はいくらかしら?)
いつも言ってますが、こんな定食屋があれば、通いますわ。

「はじめ食堂」の美味しい料理とお客さんたちが引き起こす出来事がほっこりするお話です。
読んだ二作品よりもこちらの方がお勧めです。
そういえば山口さんは元食堂のおばちゃんでしたね。