「ロケットマン」@TOHOシネマズ日比谷2019/08/31



「トミー」でピンボールの魔術師役だったエルトン・ジョンの自伝的映画。
映画でもピンボールは歌っています。
幼い頃のことが中心だと思って見に行ったら、そうではなくてちょっとガッカリしました。

(以下ネタバレあり)
とんでもない格好をしたエルトンがAAAか何かのミーティングに現れる場面から始まります。
彼は自己紹介をし、自分の幼い頃のことを話し始めます。
彼の本名はレジナルド・ドワイト。
父は滅多に家にはいなく、いても甘えを許さない厳格な冷たい男。
母は自分勝手で気が向いたらレジーに優しくし、いつも不満を抱き、密かに浮気をしています。
レジーができたから仕方なく結婚したのかなと思いました。
唯一彼のことを気にかけてくれるのが祖母。
彼の音楽の才能をいち早く見つけ、ピアノを習わせ、王立音楽院入学へと彼を導いてくれました。
こんな愛のない家庭で育ったレジーは一生涯、愛を求め、満たされぬ思いを抱き生きていくこととなります。

音楽の道へ入っていったレジーは黒人歌手グループのバックバンドとして働いている時に、レコード会社に自分の音楽を売り込みにいきます。
作曲はできても作詞ができないというレジーに渡されたのが、バーニー・トーピンの詩でした。
それから二人は一緒に歌を作り始めます。
彼らの歌の中で初めてヒットしたのが「Your Song」。
いい歌です。
「Your Song」から次々とヒットを重ね、エルトンは音楽界の頂点に立つこととなりますが、満たされぬ思いはそのままでした。
ゲイであることを隠して女性と付き合ったり、結婚までもしますが、自分を偽ることはできませんでした。
マネージャーと付き合いつつコンサートツアーを行いますが、自分がビジネスに利用されているだけだと気がつき傷つきます。
満たされぬ思いは酒とドラッグ、セックス、ショッピングへと向かうこととなります。
とうとう身体が悲鳴をあげ・・・。

次から次へと音楽が流れ、圧倒されます。
なんかしんみりとしたいのに音楽に流されてしまい、心に染みこむことがなくて残念。
音楽も期待していたのですが、中途半端でした。
もっとバーニーの歌詞を味わいたかったです。
(バーニーの自伝的映画にしてもよかった?)
これならミュージカル仕立てではなく、普通のセリフ+コンサートの方がエルトンの苦悩がよく描けたのではないかしら?

しみじみとした映画と思っていった私なので、こんな感想になってますが、ガンガンとエルトンのロック魂溢れる曲を聴きたい人にはいいかも。
私は彼のバラード系が好きなので、この映画の曲は今一でした。