『2人のローマ教皇』@Uplink吉祥寺2020/01/23

「ローマ教皇」と「ローマ法王」の両方が使われていましたが、日本政府は「教皇」に統一したそうです。
ですからこの映画の題名が『2人のローマ教皇』なんです。


2005年にドイツ出身のラッツィンガーは教皇になります。
この時、彼と教皇の座を争ったのがアルゼンチンの枢機卿、ベルゴリオでした。
彼はベネディクト16世(ラッツィンガー)が退位した後に教皇になります。
昨年、日本に来たのがフランシスコ教皇(ベルゴリオ)です。
この2人がもし会っていたら・・・という発想から作られた映画です。

2012年、ベルゴリオは枢機卿を辞める許可をもらうため、ローマへと旅立ちます。
教皇は別荘に行っており、そこで辞任の許しを得ようとしますが、教皇は受入れてくれません。
当時、バチカンでは修道女や小児への性的虐待や不正を告発した内部文書のリークなどのスキャンダルが持ち上がっていました。
保守派対改革派の相対する2人でしたが、対話を通して理解し合っていきます。

退位を決心するベネディクト16世よりもベルゴリオの過去に重きを置いて描かれています。
彼には結婚まで考えた女性がいたことやアルゼンチンの軍事政権下にイエズス会の神父たちを守るために奔走したのに、軍事政権に協力したと批判されていることなどが描かれています。(アルゼンチンのこと全く知りませんでした)
ベネディクト16世が「ナチ」と批判されているのもでてきますが、彼は第二次世界大戦時、義務とされているヒトラーユーゲントに加入していたからですかね。
難しい教義のことを話すのかと思っていたらそうでもなく、意外とユーモラスだったりします。
ベネディクト16世が運動量を計測するApplewatchみたいなものをつけていたり、ピアノが上手かったり、フランシスコ教皇がサッカー好きで、一緒にドイツ対アルゼンチンの試合を見たり、テイクアウトのピザを食べたり、別れの時にタンゴを踊ったり・・・。
笑いどころがいっぱいです。

ホント、二人は仲いいです。
おじいさんたち、可愛い(失礼)です。
教皇とはいえ人間なんですね。