中山七里 『テミスの剣』2020/03/05



昭和59年11月、浦和インター近くのラブホテル街にある不動産屋で夫婦が何者かに殺されているのが見つかった。
浦和署の渡瀬巡査部長は教育係の鳴海警部補に呼び出され現場に赴く。
鳴海は隠されていた帳簿から不動産屋が高利貸しをしているのを知る。
それを捜査会議では報告はせず、渡瀬と共に帳簿に書かれていた65人の顧客1人1人に当たっていく。
その中で楠木明大という男に突き当たる。
鳴海は彼を犯人だと見なし、強引な取り調べを行い、渡瀬は鳴海に協力していく。
楠木は罪を認めなかったが、ある証拠物が不利に働き、裁判で死刑を言い渡されてしまう。
やがて楠木は東京拘置所で自殺をする。

それから5年後、平成元年、盗難事件と殺人強盗事件を扱っていた渡瀬は手口が同じことからこの2つの事件は同一人物の犯行ではないかと考え捜査をしていた。
ある人物に行き着き、2件の犯行を認めさせるが、渡瀬は5年前の事件もこの男、迫水二郎がやったのではないかという疑念を持ち始める。
そして、渡瀬は迫水に確かめてしまう・・・。

平成24年、渡瀬は埼玉県警捜査一課の警部になっていた。
迫水は府中刑務所から出所するが、公園のトイレで刺されて死亡しているのが発見される。
新聞で迫水のことを知った渡瀬は管轄外ではあるが、自らの事件に決着をつけるために独自に調べ始める。

冤罪事件を起こした刑事が30年間に渡り、自分のおかした罪を背負い、正義を通そうとします。
最後の最後までどんでん返しがあります。
重いテーマの割に、ある理由が軽いですけどね。

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