マライア・フレデリクス 『レディーズ・メイドと悩める花嫁』2020/03/22



タイタニック号が沈没した1912年。
世間はタイタニック号の話題で持ちきり。
ベンチリー家でレディーズ・メイドをしているジェインは、長女のルイーズが結婚することになり、結婚式の準備で忙しくしていた。
ルイーズはひっそりと結婚式を挙げたかったのに、お相手のウィリアム・タイラーの母親が盛大な式を挙げたがり、ロング・アイランドにあるウィリアムのおじ、チャールズ・タイラーの屋敷で結婚式を行うことになる。

ジェインとルイーズ、そしてベンチリー婦人は屋敷で結婚式が無事に行えるかを調べ、タイラー家の人たちと知り合いになるためにロング・アイランドへと向う。
ところが両家の母親たちは式のことで意見が合わず、花嫁衣装をつきとめようとしてゴシップ紙の記者がやってきたりと、ルイーズが不安になることばかり起きてしまう。
その上、悪いことにチャールズ・タイラーの子どものナニーをしていたソフィアが殺されてしまう。
ルイーズは婚約解消を言い出す。
無事に結婚式を挙げさせるために、ジェインは新聞記者のマイケル・ビーハンの助けを借りながら、殺人事件を調べ始めるが…。

女性の職場が限られ、参政権も与えられなかった時代に、レディーズ・メイドをやりながら自分の道を歩んでいこうというジェインの姿がいいです。
彼女ほどの頭があれば、今の時代ではそうとういい仕事に就けたでしょうに。
女性の参政権運動も起こっていて、ジェインたちがデモ行進に参加する様子が描かれています。
ちなみにアメリカで女性が参政権を獲得するのが1919年です。
ジェーンはこれからどういう風に生きていくのでしょうね。
娘が出てきたので、結婚はするようですが。

三巻目の"A Death of an American Beauty"が4月に発売されるようです。