M.C.Beaton 『There Goes The Bride』2020/08/25

アガサ・レーズン・シリーズの20作目。


前作の最後に元夫のジェームズの婚約パーティがありました。
アガサの探偵事務所の面々とブロクスビー夫妻、ビル、ロイ、チャールズは結婚式にも招待されています。
トニとアガサは結婚式が開催される町まで一緒に車で行くことにします。

結婚式の前夜にパーティが開かれ、そこにはボウタイをつけ、革のエプロンをした半裸の男性たちのNaked Servantsがいて、驚くアガサたち。
ジェームズによると花嫁のFelicityが彼らを雇おうと言ったそうです。
彼は結婚したくないとアガサに告白します。
とんでもないパーティになりそうだと思ったトニとハリーは、早くパーティを終わらせるために、屋敷にいた番犬をパーティに乱入させることにします。

結婚式当日、アガサは遅れて式場に登場します。
いくら待っても花嫁のFelicityは現れず、やって来た警官によって彼女が何者かに拳銃で撃たれ、殺されたことがわかります。
アガサは会場に遅れてきたため犯行を疑われましたが、馬鹿げた帽子を買ってかぶっていたため村人たちが彼女のことを覚えており、なんとかアリバイが成立して無事釈放されます。
家に帰ろうと荷物を詰めていた所に電話が来て、アガサはFelicityの母親のOliviaに探偵として雇われます。
アガサとトニは一緒に調査を始めますが、調べていくと意外なFelicityの姿が…。

元夫のジェームズは自分より30歳以上も若いFelicityの顔と体に惹かれてしまったようです。
でも、彼女のおつむが弱いことに気づき、結婚を止めようとしたのですが、彼女の父親に脅され、仕方なく結婚することなってしまったのです。
死んでくれてラッキーという感じです。
男ってどうしようもないですね。
これで少しはアガサの良さがわかったでしょう。
そうそう、本を読みながら疑問に思ったことは、今時のイギリスの50代の男性は女性に家事能力を期待しているのかしら?
そもそもアガサはまるっきり家事ができませんもの。

トニにも若さ故の悩みがあります。
アガサに恩は感じていますが、それが嫌なんですね。
アガサから独立して探偵事務所を経営することになったのですが、友達にお金を持ち逃げされ、アガサに泣きつきます。
そのためまたアガサの探偵事務所で働くことになり、アガサの気の迷いから探偵事務所を任された時には、いかに自分の力が足りないかを思い知ることになります。
探偵としていい仕事ができても、探偵事務所を経営することは別ですからね。

アガサはこのところずっと中年の危機に陥っています。
ジェームズが若い女と結婚しようとしたこともショックでしたが、それ以上にトニが若くて美人故に脚光を浴びているのを見て、ジェラシーを感じつつ、自分はしがない中年女だから見向きもされないのだ、その上、彼女ほど探偵能力もないと落ち込むのです。
相変わらずミセス・ブロクスビーの忠告を聞かず、女としての自分の価値を知りたいがために、ホイホイとよく知らない男についていきます。
そのため何回も危ない目に会い、そのたびにトニやチャールズ、ジェームズたちに助けられます。
そろそろ自分の男を見る目のなさに気づいてもいい頃ですよね。
まあ、物語的にはアガサがこうでなくてはなりませんが(笑)。

アガサの男友だちは今回いい働きをしてくれます。
アガサが危ない目に遭いそうな時に、連絡し合って駆けつけてくれるのです。
恋人がいなくたって、こんなにいい男友達がいればいいじゃないのと思いますよ。
足ることを知ることがアガサに必要ですね。
最後には唖然としてしまいました。
真面目な元教師の男性にまたまたポッとなってしまうのです。
まさか、アガサ、結婚か!?

今回はFelicityの殺人事件調査が難航し、アガサが何度も危ない目に遭い、どうなるのかしらと思っていたら、なんとか上手く解決しました。
アガサが思うように、彼女の探偵能力は低いですね。
でも彼女には事件解決運(?)がついています。
今のまま彼女が探偵事務所を経営していき、従業員たちに指示を出し仕事をさせるといいでしょうね。

後、10冊。このままのペースでいけば、なんとか読めそうです。
今年中に読めるかな?

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