M.C.Beaton 『Agatha Raisin:Hiss and Hers』2020/10/04

アガサ・レーズン・シリーズの23作目。


前回、カースリーにやってきたジョージにポッとなったアガサは、彼に庭仕事を頼み、庭作りが終わった後、本棚をたたき割ってジョージに大工仕事を頼もうとしていましたね。
残念ながらアガサは彼のお眼鏡にかないませんでした。
どちらかと言えば、嫌われています。
探偵事務所の方は順調なのに、仕事をしているとジョージに会えないので、他の女性に負けてしまうと思ったアガサは、しばらく仕事をトニに任せることにします。
よせばいいのにアガサは村中、ジョージの後を追い回します。
要するにストーカーですね。
アガサが一番ライバル視しているのが、新しく村にやってきた女優のJessica 
Fordyceです。
ジェシカは30代で、長く続いている病院を舞台にしたメロドラマで主役を演じています。
彼女が村のホールの床を張り替えるための資金調達を呼びかけるメールを寄越したのに乗じ、アガサは床の張り替えにかかるお金を全額寄付し、床が新しくなったホールでチャリティー・ダンス・パーティーを開催することにしました。
とにかくジョージと踊りたいがためです。
パーティで入ったお金は「Save the Children」に寄付するので、アガサには一銭も入らないんですよ。いくらなんでもやり過ぎよねぇ。

さて、ダンス・パーティーの夜、ジョージはアガサに最初のダンスを約束したのに、会場に現れません。
よせばいいのにアガサはわざわざ彼を探しに出かけます。
そして、庭で死体になったジョージを見つけるのです。

アガサの探偵事務所は彼の姉妹のJanet Ilstonから犯人捜しを依頼されます。
調べていくと、ジョージは女たらしで、カースリーに来たのも、前の町で起こした女性とのトラブルのせいでした。
カースリーでも数人の女性と噂があるようです。
彼は気の強い女性が嫌いらしく(アガサは駄目ね)、相手にしたのは彼の言うことに従順に従うような女性たちでした。
アガサたちは彼と噂のあった女性たちに会いにいきます。
ジョージが生前アガサにサイコパスについて聞いてきたことがあります。
彼が関係を持った女性たちの中にサイコパスがいるのか・・・?

今回もアガサは嫌がらせやら命を狙われるやらで、心の落ち着く暇がありません。
アガサのせいで平和な町に殺人事件が起こるようになったと怒った誰かが、アガサのポストにブタの糞を入れます。
別の日には送られてきた小包に毒蛇が入っていました。
殺人事件を扱うのって大変ね。
男関係では、昔の男がアガサに手紙で一度遊びに来ないかと言ってきます。
彼はアガサを振り、別の女性と結婚していましたが、妻が亡くなったそうです。
アガサは彼との結婚を期待し、遊びに行ったのですが、行ったその日に色々やらかしてしまい、逃げ出します(笑)。
結婚生活はアガサには向いていないのに、なんで結婚したいのかしら?

サイモンも命を狙われます。
私が思うに彼は要注意人物ですから、そういう目に遭っても仕方ないのですけどね。
彼は違法な盗聴器を使うのですよ。
ある人の家を盗聴しようと思っていたのに、近くにジェシカの家があるのを見て、彼女が何を話しているのか聞こうとするのです。
というのも、彼はジェシカにのぼせてしまい、ストーキングまがいの行動をしているのです。
ジェシカがいないので、帰ってくるのを待っているうちに眠ってしまい、蛇にかまれてしまいます。バカですねぇ。
盗聴器のせいでトニやアガサ、ミセス・ブロクスビーたちを巻き込み、一騒動起こります。彼は早く首にした方がよさそうですよ。
この後も犯人を一人で捜そうとして勝手な行動をし、頭を殴られ、また入院。
彼のような男ってどうしようもないですねぇ。
年下のトニにまで心配されていますよ。早く首にしましょうよ。

男と言えば、アガサを取り巻く三人衆は相変わらずです。
ロイは目立つのが好きみたいで、アガサの探偵ごっこに付き合うのは、新聞に載りたいがためみたいです。
今回はジェシカと契約を結びたくてしょうがないようです。
やっとアガサの良さがわかったジェームズはアガサのことを心底心配しているのがうかがわれますが、アガサを保護するものとして下に見ている感じです。
彼女と探偵仕事もしますが、如何せん、travel booksの仕事があり、肝心の時にいません。
チャールズはアガサに何かアクションを起こすかと思って期待していたのに、若い金持ちの女性と結婚しようとします。
彼も結婚生活には向いてないのにねぇ。
気の向くまま、アガサの家をホテル代わりに使い、これまた肝心の時にいません。
命を狙われ、余裕のなくなったアガサはとうとうチャールズに、もう私の家に来ないでと言っちゃいます。
それ以降チャールズは連絡を寄越さず、淋しくなったアガサは電話や手紙などで彼に謝ろうとしますが、チャールズから無視されます。
その頃、チャールズは前とは別の女性との結婚を考えていたのです。
アガサは盗聴器を使い、彼がどこにいるのかを突き止め、謝りに行きます。
たまたまチャールズは結婚することに嫌気がさしてきた頃だったので、アガサと一緒に婚約者を置いて逃げ出します。
そしてアガサはチャールズとの結婚を考え始めます。
ミセス・ブロクスビーはアガサのことをよく理解していますから、思い込みの激しいアガサがまた傷つかないかと心配していました。
結果はミセス・ブロクスビーの思った通りでした。
可哀想なアガサ!

ミセス・ブロクスビーは夫に対してだんだんと強く出つつあります。
今回、旦那に朝食を作るのを止めて、アガサの元へ行ってくれました。
このシリーズの唯一の憩いが彼女の存在です。

殺人事件の調査より、アガサを巡る人々の様子が面白いシリーズです。
そうそう、DVDは字幕つきで見ています。
本と違うところが多少あり、ドラマ化するには仕方ないのかもしれませんね。




弟犬は目薬が効いたのか、チェリーアイがよくなってきたようです。
興奮して吠えるとまた出てきそうです。
サプリメントは効かないみたいで、土日は夫がいるので吠えます。
吠え始めると、クレートに入れて落ち着かせます。
明日からの平日は夫がいないので、大人しくしているでしょう。