読んだ本2020/12/10



西條奈加 『千両かざり 女細工師お凜』
四代続いた錺職、椋屋では四代目が夭折し、五代目を誰にするか決まっていませんでした。細工の目利きがたしかなお凜は義兄である四代目から跡目決めを託されました。
義兄に跡目決めに必要だと言われた時蔵という男を迎えましたが、彼は天才肌の一流の職人で、江戸にはない技で簪を作ります。
人知れず一人で錺細工の修行をしていたお凜は、彼の技術と人柄に惹かれていきます。
やがて天保の改革で奢侈禁止令が出て、金銀を使用した細工はできなくなりましたが・・・。

江戸時代に職人の道に励む女性のお話。お勧めの一冊です。

小原周子 『人生においしいりはびりメニュー 病院でちゃんとやってよ 3』
『おかんむりナース 病院でちゃんとやってよ 2』では私的に最低のナースに成り下がった看護師・大八木新菜でしたが、今度は少しまともに、いいえ、以前に戻ったのかな?
リハビリ病棟に新しい主任がやってきます。それは新人時代、整形病棟に勤務していた時に、新菜をイビリ倒した茅野でした。案の定、茅野は新菜を目の敵にします。前回自分が理学療法士の潮田に取っていた態度が、これに近かったのではと気づく新菜でした。
そんな時に、スポーツジムでいがみ合っていた沼野が患者としてリハビリ病棟にやって来ます。
新菜、ピンチ!

前回で読むのを止めようかとも思っていましたが、今回は読んでよかったです。
リハビリ病棟の看護師の大変さがよくわかります。患者も同僚も、そして上司も、それぞれに対処が難しいですね。どんな職場でもあるのでしょうが、私ならメンタルに来そうです。

山口恵似子 『婚活食堂 4』
読むのを止めればいいのに、本の説明の「めぐみ食堂に、”バチェラー”現る!?」を見て買ってしまいました。バチェラーってどんな人と思っただけなのですけどね、笑。

おでん屋「めぐみ食堂」にイケメン独身のIT実業家・藤原海斗がやってきます。何故か「めぐみ食堂」が気にいったらしく、よくやって来るようになります。そのため彼目当ての4人の美女たちも来るようになり、さて、恋の駆け引きはどうなるのか・・・。

藤原の愛する人(?)を知ったとたんに、冷めました。

志賀内泰弘 『京都祇園もも吉庵のあまから帖2』
一見さんお断りの甘味処「もも吉庵」を巡る人たちのお話。
仕事が遅い和菓子屋の女店員や舞子修行中の子、「祇園祭のサンタ」と新聞記者など様々な人が出てきます。
京都人って冷たい印象があったのですが、人情溢れる人たちだったのですね。

竹村優希 『さくらい動物病院の不思議な獣医さん 6』
大学院生の手塚と心を通わせるようになった獣医の亜希でしたが、ある日、動物たちの声が聞こえなくなりました。このまま一生声が聞こえないのではないかと不安に思う亜希。そんな時に動物のシェルターに行くことになり、そこでリクという人に怯える犬に出会い、亜紀はリクの後ろ脚に違和感を覚えます・・・。

このシリーズは後一巻で終わりそうですね。亜希も幸せになりそうで、なによりです。動物が出てくるお話って、それだけでいいですもの(私だけ?)。

濱好嘉之 『院内刑事 ザ・パンデミック』
警視庁公安部出身の廣瀬知剛は、川崎殿町病院のリスクマネジメント担当顧問をしており、”院内刑事”として同病院の危機管理を担当し、病院内外で起こる様々なトラブルを昔からの人脈を生かしながら解決していきます。

タイムリーな新型コロナウイルスにまつわる本かと思ったら、それだけではありませんでした。産科の問題や労働組合、看護師に対するストーカー被害とか色々と話題が多く、一冊では深く書ききれなかったという感じです。
蘊蓄が多く、そのおかげで知識が増えますが、ちょっと多すぎ。
WHOや中国、韓国などに関することも主人公の廣瀬の思うことが作者の思うことなのでしょうね。
ミステリというより、危機管理とはなんぞやということを知りたい人にはいい本です(たぶん)。

桜木紫乃 『おばんでございます』
桜木さんの初のエッセイ集。
ストリッパーとシークレット歌劇団0931の話が面白かったです。
シークレット歌劇団0931のことは全く知りませんでした。
2002年にデビューしたそうで、その頃私は北海道にいませんでしたものね。写真で見た感じ、宝塚のパロディっぽいですが、いつか北海道で舞台を見てみたいです。


可愛らしく伏せをする弟犬です。


服を着ると細く見えますね。それでも3㎏はあります。
他の服も届いたので、後ほどお見せしますね。