樹原アンミツ 『東京藝大仏さま研究室』&『ブルーピリオド8』2020/12/12

東京藝大というと、二浪三浪当たり前。
特に美術系では普通の生活ができない(しない?)、ちょっと危ない人が多い大学。なんてイメージが、私にはありますが、どうなんでしょうね。
私の周りには武蔵美とか多摩美とかはいますが、藝大には会ったことがないのでわかりません、笑。


藝大では美術品の保存修復を勉強できることは知っていましたが、どのような教育をしているのかは謎でした。
東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室っていうのがあるらしいです。(履歴書に書くのが大変そうね・笑)短くして仏さま研究室。
この研究室では主に仏像の構造や修理法を学び、最後の一年では修了制作として仏像模刻をします。
(「模刻」とは、オリジナルの仏像をできるだけ忠実に再現することです。)

この本は仏さま研究室に属する4人の若者たちーまひる・シゲ・アイリ・ソウスケ-が「模刻」をやる傍ら、家族や友達、恋人関係で悩み、才能の限界を知り煩悶し、周りに助けられながら自らの問題点を克服し、最後には自らの行くべき道を選んで行くという成長の物語です。
途中に挟まれている仏像に関する蘊蓄で知識が広がります。

そうそう、彼らがどんな仏像を模刻したかというと、東京メロンボーイ(浦上和久)さんのツイートからおかりした画像ですが、こんな感じです。


左から十一面観音(まひる)、運慶作不動明王(アイリ)、大日如来(シゲ)、沙
羯羅(ソウスケ)です。
これらを三次元計測や透過X線撮影、3Dデータを使って、そっくりに再現していくのですが、難しいですよね。

なかなか面白い本でした。こういう本、好きです。
そうそう、作者の樹原アンミツって映画監督の三原光尋とライターの安倍晶子の合作ペンネームだそうですが、安倍さんはお亡くなりになったそうです。
この本のような作品をこれからも読めるかと思っていたのですが・・・。

もう一冊、まんがですが、藝大を扱っているので紹介します。


高校2年生の時に藝大に入ろうと思い立ち、無事に現役合格を果たした矢口八虎(1巻~6巻)。
藝大の授業では同級生の才能に圧倒されるばかり。
課題の「東京の風景」で少しだけ自分の殻を破れたかな?
藝大の文化祭は一年生が主役みたいなもんで、美術学部と音楽学部混合で8チームに分かれ、それぞれが神輿と法被を作るそうです。
結構みんないい加減で、神輿が無事にできあがるのかしら?

藝大生の日常がわかっていいのですが、色々な人たちが出てきて誰が主人公だったっけと思ってしまいました。
八虎が周りに埋もれているわ・・・。
『最後の秘境 東京藝大ー天才たちのカオスな日常ー』と一緒に読めば、藝大のすべてが・・・まだわかりませんけど、笑。