ジョアン・フルーク 『ラズベリーデニッシュはざわめく』2021/02/01

この本、原書を買ったのですが、何ページか読んでそのままになっていました。
アガサの方が面白そうだったので…。
アガサの新しい翻訳本『アガサ・レーズンの探偵事務所』が出ました。
アガサがエマの探偵としての優秀さに嫉妬をしていることを、私は本の紹介で書かなかったのですが、出版社の本の紹介ではそこがしっかりと書かれています。
読者を引きつけるために何を書けばいいのか、出版社はよく知っていますね。


<クッキー・ジャー>を経営しているハンナは、ロス・バートンとめでたく結婚しました。ところが夫のロスが出ていってしまったのです。理由も告げず、どこに行くかも言わずに、急に。
失意のハンナに周りの人たちはとっても優しいです。特にハンナの元ボーイフレンドのノーマンは。ロスなんかどうでもいいから、ノーマンと…と思いますわ。

ある日、妹のミシェルがタンスの引き出しに入っていたロスの車のキーを見つけます。ハンナはロスがミシェルに車を使ってもらいたいということだと思い、車が必要なミシェルにロスの車を使わせることにします。しかし、ロスのアシスタントのPKが車を修理に出したと聞き、ハンナとミシェルは車が直るまで、PKにロスの車を使ってもらうことにします。

ある夜、PKから電話がきますが、何か変です。
PKはロスの車を運転していて、ビデオ通話をしてきたのですが、お酒かドラッグのせいで朦朧としているようなのです。
ハンナは急いで保安官助手のマイクに動画を送り、現場に急いで行くように頼みます。もちろん自分もミシェルと一緒に現場に向かいます。
それなのにPKはこの事故で亡くなってしまいます。
後で彼の様子がおかしかったのは、職場にロス宛てに何者かが送ってきた薬物入りのチョコレートを食べたためであることがわかります。

ハンナを元気にするには殺人事件以外、何もいらない、笑。
調査していくうちにロスがハンナに多額のお金を残していたことがわかります。
このお金とPKの殺人と何か関わりがあるのか?
疑心暗鬼のハンナです。

最後にロスが何故ハンナの元を去ったのかがわかります。
なんか期待していたのに肩すかしでした。おもしろくないわぁ。
次は読まないかも。

クッキーのお店を経営しているという設定なので、美味しそうなお菓子のレシピがついています。
例えば「オートミール・レモン・クッキー」を作ってみようかと思ったら…。
gramではなくてcupで計量します。(計量器がなくてもいいのでcupの方がいいかも)
え、ベーキングソーダ(重曹)を使うの。まさか掃除用の重曹は使えないわよね。
中力粉?そんなのあるの?
バニラエキストラクト、え、何これ?バニラエッセンスじゃないの?
などとアメリカと日本の違いがあって、すぐには作れません。
バニラエキストラクトは通販で買えるようです。
薄力粉、中力粉、強力粉はグルテン含有量の違いなのだそうです。
中力粉は日本で言ううどん粉だそうです。うどん粉ってスーパーで売っているかしら?(これも無ければ通販で買えます)
一番問題なのは、量が多そうなことです。一体クッキー何枚できるの?
約5ダース分ってことは・・・60枚もいらないわぁ!

お菓子作り初心者の疑問です。
レシピに60枚分の分量が書いてある時に10枚のクッキーを作りたい時は、単純にすべての量を六分の一にすればいいのでしょうか?
お菓子は分量通りにしないととんでもない目にあうと言いますよね。
クッキーなんかは失敗がないかもしれませんが、ケーキなんかの時はどうなんでしょう?
せっかくレシピがついているのに、失敗が怖くて試せませんわ、笑。
どなたかお菓子作りのベテランさん、教えてくださいませ。(゚゚)(。。)ペコッ

トリミングに行く2021/02/02

12月の末にトリミングに行ったので、一ヶ月ちょっと後のトリミングです。
弟の毛を長くしてもらったら、櫛でとかしずらく、おしっこもついてバッチイので、5㎜にしてもらいました。が、5㎜ではなくて1㎝ぐらいです。


耳がトリマーさんによって変るので、ミッキーじゃなくなりました。(ちょっと残念)。


お兄ちゃんは隣に弟がいるので、顔が嫌そうです。
何故かいつもフワフワの毛布の上に座る兄です。


二匹で撮ろうとしたら、こうなっちゃいました。
この二匹の間の微妙な距離が、二匹の関係を表していますね。

トリミングの帰りにカートに乗せるんですが、兄がちょっかいを出す弟に怒って吠えまくっていました。ついでに道を通る人にまで吠え、吠えられた小学生の男の子はビビっていました。ごめんね。兄に代わって謝ります。


正面から撮ると離れているので、斜めから撮ってみました。


弟はフセが嫌いみたいで、滅多にしません。
トリマーさんの技量にもよるのですが、弟、もっと可愛くならないかしら?
何かが違う…。顔が丸すぎなのかも。
微妙な切り方の違いが気になります。


ニュースでは「歩行募金で47億を集めた100歳キャプテン・トムがコロナ感染で入院」が気になりました。ご高齢ですので、いつ重症になるかわかりません。
コロナに勝って、元気な姿を見せて欲しいですね。

久しぶりにdans dix ansのパンを買いました。シンプルなパンです。


まだパン作りまで手を出していませんが、どうでしょうねぇ・・・。

「Gala d'ouverture - Ballet de L'Opéra national de Paris」を観る2021/02/03

悲しいお知らせがあります。昨日、キャプテン・トムが新型コロナウィルスに感染して入院したことを書きましたが、2日にお亡くなりになったそうです。
一人でも人々のためにできることがあることを教えてくれたあなたは、私たちに希望と勇気を与えてくれました。


ご冥福をお祈りいたします。


パリ・オペラ座バレエのガラ公演が無料配信されています。
シャネルとロレックスがスポンサーという豪華さ。
もちろんシャネルは衣装を提供しています。

【プログラム】
1.Défilé du Ballet  「 デフィレ」
2.Grand pas classique  「グラン・パ・クラシック」
   出演:ヴァランティーヌ・コラサント  ユーゴ・マルシャン
3.In the night  「イン・ザ・ナイト」
   出演:リュドミラ・パリエロ  マチュー・ガニオ
     レオノール・ボラック  ジェルマン・ルーヴェ
     アリス・ルナヴァン  ステファン・ビュリヨン
  ピアノ:久山亮子
4.The vertiginous thrill of exactitude 「精密の不安定なスリル」
  出演:アマンディーヌ・アルビッソン、リュドミラ・パリエロ
     ポール・マルク、オニール・八菜、パブロ・レガサ

「デフィレ」を初めてみました。
これは伝統行事だそうで、毎年9月のシーズンが始まる日に行われるそうです。
「デフィレ」とは「行進・行列」という意味で、約250名のバレエ学校の生徒から団員までが舞台上を行進します。
使われた音楽は2種類あるのだそうですが、今回はベルリオーズのオペラ「トロイ人」のマーチです。
最初に舞台奥に横たわっていた一人の女の子が起き上がり、観客席に向かって歩き出します。
その後方に6名の白いチュチュを着た女生徒たちが横一列に並びゆっくりと歩いて行き、最後に3人ずつ左右に分かれていきます。低学年から最長学年へと続きます。


学生が終わると、団員です。
コール・ド・バレエの女性ダンサーたちが6名並び、その合間にプルミエール・ダンスーズが2名、エトワールは1名ずつで登場します。彼女たちはティアラをつけていますね。


女性の後は男性。学生から団員へと行進は続きます。
最後に登場するのは、マチュー・ガニオです。


昇進の新しい人から行進するので、一番古株の彼がトリなんですね。
42歳で引退するまで、彼がずっと最後だそうです。若い頃の彼の印象が強いですが、もうそんな年(36歳だけど)になってしまったのですね。


最後はこんな風に全員そろって終わります。
一同にダンサーを観られるなんて、素敵な行事です。
今回特別に参加者全員がマスクをしていますが、こんな姿を見られるのは今年だけだといいけれど・・・。

「グラン・パ・クラシック」は、私はあまり好きではないのですが、笑。
とにかく衣装がシャネルです。濃紺の地にビーズが散らしてあるのかしら、キラキラして綺麗です。
ユーゴ・マルシャンは日本公演でエトワールに任命されたらしいですね。他の演目の彼を観てから判断しますわ(何様だ、笑)。
ヴァランティーヌ・コラサントは逞しく貫禄がありました(失礼)。バランス感覚が見事です。回転はスピードがありませんけどね。

「イン・ザ・ナイト」ではショパンの曲に合わせて3組の男女が踊ります。
大きな声で言えませんが、言っちゃいます。衣装はこちらの方が好きです。
日本人ピアニストがショパンを弾いています。
とってもしっとりとした情緒のある踊りでした。

「イン・ザ・ナイト」とは反対に溌剌とした踊りが「精密の不安定なスリル」です。衣装も奇抜でした。
オニール・八菜さんが出演しています。早くエトワールになって欲しいですね。
応援しています。

無料配信でこんなにいいものを観られるとは、とても嬉しいプレゼントですね。
いつまで配信しているのかわからないので、観たい方はすぐ観ましょう。

ここをクリック。

読んだ本2021/02/04

軽い本を紹介します。どの本もすぐに読めますよ。


石井睦美 『もちじゅわ中華まんの奇跡』
「ひぐまのキッチン」シリーズの3作目です。
理系女子で生真面目でとっつきにくい性格故に就職活動で連戦連敗だった「ひぐま」こと樋口まりあは、社長が祖母の知り合いの食品商社「コメヘン」にコネ入社して二年目です。
社長秘書の仕事にも少しずつ慣れてきているため安心して読んでいけました。
この会社、社長の来客に秘書の手料理をふるまわせています。料理なんかしたことのなかったまりあは前の秘書のゆかりと倉庫にいる管理部長の安藤の助けを借りて、頑張って料理をしていきます。
今回お客様に出すのは小松菜、ボルシチ、にんじんケーキ、お粥、ニョッキ、中華まんです。
お粥は土鍋で、お湯が沸いてから米を入れると美味しくなるのだそうです。まだ試していませんが、今度やってみます。
中華まんはゆかりからのリクエストです。
まりあはゆかりを満足させられたでしょうか?

牛鳥志季 『それでも、医者は甦るー研修医志葉一樹の手術カルテー』
研修医の志葉一樹は難病の女子高校生・湊遙の自殺を思い留まらせました。そのことから遙と親しくなり、遥の手術に参加することになります。しかし手術は失敗し、遙は亡くなってしまいます。遥の死のショックから一樹が手術室を出て、当て所なく歩き続けていたところ、急に視界が揺れ始め、彼は気を失ってしまいます。
気づくと、遥の手術前の前日に戻っていました。
それから何度も過去に戻り、遥の死を迎えることとなります。
いつか一樹は遥を救えるのでしょうか…。

高橋由太 『作ってあげたい小江戸ごはん3 ほくほく里芋ごはんと父の見合い』
川越にある定食屋「たぬき食堂」の店主・大地の父・昇吾に縁談が!
といっても何か変です。見合いは食堂で行い、料理は昇吾が作るんですよ。
そんな時に見合い相手の孫娘がやってきます。見合いには隠れた「親心」が。

川越には小学校の時に行ったことがありますが、鰻を食べたこと以外覚えていません。干し芋が美味しいですよね。
看板娘のたまきさん、よく食べるわぁ。美味しい物ばかり食べれて羨ましい。たまきに慣れたのか、今回は違和感なくスルスル読めました。

塔山郁 『毒をもって毒を制す 薬剤師・毒島花織の名推理』
今回も毒島さんの推理がすごいです。
彼女が関与するのが、アルコール依存症の男性と赤ちゃんのいる若い母親、そして毒島さんのことが好きなホテルマン・爽太の勤務するホテルです。

新型コロナウイルスの影響が爽太の働くホテルにも。
同僚の馬塲に熱と咳があります。濃厚接触者の知り合いはPCR検査は陰性だったとのこと。そうこうしている間に他の従業員にも発熱者が出てきます。保健所に相談してもPCR検査は受けられません。自宅で静養できない人をホテルで隔離することになり、爽太はその人の面倒をみることになります。
発熱した人たちを調べていくと、どの人も喫煙の習慣があり、喫煙所を使っていたようです。
隔離の二週間が過ぎた時に爽太は熱を出します。たまたま毒島さんからsnsのメッセージがあり、彼女に発熱をしたことを告げると、ビデオ通話アプリで話をすることになります。爽太の話を聞いていた毒島さんの出した答えは…。

池永陽 『珈琲屋の人々 どん底の女神』
人を殺した経験のある行介が経営する「珈琲屋」には常連客の他に様々な動機を持った人たちがやってきます。そんな人たちのお話が7つ。
河川敷で暮らす米倉と犬のイルの話が心に残ります。
イルはペットではない、苦楽を共にする家族で互いに助け合う仲間という米倉。
ある日、豪雨と強風でイルが川に流されてしまいます。米倉はイルを探しに旅に出ます。果たしてイルは見つかるのでしょうか?

友井羊 『スープ屋しずの謎解き朝ごはん 6 心をつなぐスープカレー』
いつもこんなスープ屋があればと思いながら読んでいます。実はこの本を読んでからルイボスティーを飲み始めました。
店主でシェフの麻野は安楽椅子探偵です。なんでわかるのでしょうね。
今回も色々と謎を解いてくれています。
彼に気がある常連の理恵の気持ちはわかっていても、知らんぷりしているのかな?

奥田英朗 『コロナと潜水服』2021/02/05

私の頭の中で、著者が奥田さんから伊坂さんになっていて、読み出したら違和感が…。表紙を見直して、この本は伊坂さんではないと頭にインプット。
大丈夫か、私…。
まあ、久しぶりに読む奥田さんですからねぇ(笑)。


5編の短編集です。信じるか信じないかはあなた次第です。日常生活には説明できない不思議がたまにはあります(よね?)。

「海の家」
妻の浮気が許せなくて、葉山に古い民家を借りた小説家。民家を住めるように手を入れていくことに楽しみを見いだしていました。しかし彼はそこにいる見えない存在を感じ始めます。

「ファイトクラブ」
早期退職を勧告され、抵抗していたら工場の倉庫の一角のプレハブ小屋に回された人たち。運動具が使われないで置いてあったので、ボクシングまがいのことを始めたら、そこに現れた一人の男。彼は自分のことは語らず、彼らにボクシングで闘うことを教えていきます。

「占い師」
野球選手と付き合っているのが自慢のフリーアナウンサー、麻衣子。彼が活躍すると、他の女に取られ捨てられるのではないかと心配し、スランプに陥ると、結婚相手としてふさわしくないのではないかと思う始末。事務所の女社長から紹介された占い師のところに行ってみたのですが…。

「コロナと潜水服」
うちの5歳になる息子には不思議な力があるんです。
35歳の会社員・渡辺康彦はコロナに感染したと思い、息子や妻に移さないように自主隔離を始めます。息子と外に行く時には妻が買って来た潜水服を着ていきます。そんな康彦はいつしか評判になり…。

「パンダに乗って」
パンダって動物のパンダではありません。車好きならわかりますよね。「フィアット・パンダ」のことです。「イタリアのコンパクトカーで1980年にデビューし、名匠ジウジアーロによるシンプルで愛らしい外観で世界的にヒットした人気モデル」だそうです。
その初代フィアット・パンダをたまたま新潟の中古車店のホームページで見つけ、買った小林直樹は、わざわざ車を取りに新潟まで行きます。
なかなか爽快な走りをする車で、ナビの通りに走らせていくと…。

どの話も最後がスッキリ、心が暖まる感じです。
1980年代(だと思う)の音楽が出てくるので、聴いてみようかと思いました。
そうそう聞きながら読むのがお勧めかも。
本の奥付の前のページにリストが載っていますので、参考にしてください。

「半世界」を観る2021/02/06

「半世界」という題名は戦前の写真家・小石清の写真展の名前だそうです。
東京都写真美術館の所蔵品に写真があります。興味がある人はここを見てください。

稲垣吾郎が出ているということで観たわけではないです。たまには邦画でも観ようかと思って探していると、目についたので観てみました。
題名の「半世界」って何か格好いいですよね。
(ネタバレあり)


40歳目前の炭焼き職人の紘は、父親の職業を継ぎ、生まれ故郷で妻と息子と暮らしています。だんだんと炭を使う機会がなくなったので炭は売れず、暮らしも大変です。同級生の中古車販売業を営んでいる光彦と酒を飲むのが生きがいみたいなもんです。
そんなこれといったことのない生活が続いている時に、元同級生の瑛介が自衛隊を辞め、妻子とも別れ、戻って来ます。
廃墟同然だった実家に瑛介は引き籠もり、紘たちとも会おうとはしません。海外の派遣先で何かあったようだとは思いながらも、瑛介の元へ紘と光彦は押しかけます。
やがて瑛介は紘の炭焼きを手伝うことになります。

紘の息子の明は反抗期の真っ只中。家のことを考えると、高校進学も躊躇しています。学校ではパシリに使われ、いじめられていますが、親たちの前ではバレないように友だちのフリをしています。
妻の初乃はそんな息子のことを心配していますが、紘は息子のことには無関心です。
息子に言うことは、「ちゃんと靴を履け。かかとを踏むな」ですもの。
息子も「そんなことしか言えないのかよ」と言いたくなりますよね。
明は万引きをして警察に捕まってしまいます。万引きもいじめっ子に強いられたのですけど。
そんな明に手を差し伸べるのが、瑛介です。
駐輪場で殴られている明を助け、彼に身の守り方を教えます。その後、食事に連れて行き、紘のことを話します。本当は公務員になりたかったのに、父親への意地で跡を継いだと。明が楽をしたかったから跡を継いだんだろうと言うと、それなら炭焼きを自分でやってみろと言う瑛介でした。

車の販売をしている光彦のところに、不法投棄をしている奴らが、買った車を返すから金を返せと言ってきて、喧嘩になります。
ちょうどそこに通りかかった紘と瑛介。瑛介が彼らをやっつけたのはいいのですが、やり過ぎてしまいます。首を絞め、「次にやったらぶっ殺す」と脅してしまったのです。
瑛介の常軌を逸した姿を見た紘たちは、彼の闇に気づきます。
瑛介は言います。「お前らは世間しか知らない。世界を知らない」と。
やがて瑛介は故郷を出て、漁師として働き始めます。
瑛介に会いに行った紘は、瑛介が話す部下のことを聞いた後、こう言います。
「こっちも世界なんだよ」。

紘の家に変化が訪れていました。
明は塾に通い始めます。塾の前で待ち合わせをしていたいじめっ子たちと戦い、勝ちます。
久しぶりの同窓会に参加する予定だった初乃は同窓会へは行かず、夫の炭を持って、前に断られた式場に行き、再度売り込みをします。
そして、紘は…。

思っていたよりも悟郎ちゃんよかったです。田舎の親父になりきれていたかというと疑問ですが。最後に彼を〇〇す必要あったかなぁ?
悪くはない映画でしたけど、題名には負けてたかも、笑。


いつものdog beerの持って来いの後に、ハートの持って来いをやりました。


すると、ちゃんとハートを咥えて持って来ます。


僕ってすごいでしょう。


どうです、この嬉しそうな顔。

中山七里 『七色の毒』2021/02/07

刑事犬養隼人・シリーズの二作目。
一作目の『切り裂きジャックの告白』は読んでいたのに、もう一度読んじゃいました。これ読んだよな・・・と思いながら、笑。
2作目は絶対に読んでいないという自信があります・・・(たぶん)。


七色というのですから、七つの短編集です。

「赤い水」
名濃バス株式会社の高速バスの運転手の居眠り運転が原因で1名が死亡、重軽傷8名という大事故が起こります。マスコミのカメラの前で謝る運転手を見て違和感を感じた犬養が死亡した多々良のことを調べていくと…。

「黒いハト」
ある中学校で少年がいじめを苦に教室の窓から飛び降りて亡くなった。母親の携帯に遺言らしい声が残されていたため、所轄署は事故性のない自殺として処理。しかし学校側がいじめの事実を隠そうとしたため、改めて捜査することになる。

「白い原稿」
公園のベンチでロック歌手兼小説家の桜庭巧己がナイフが胸に刺さった状態で発見される。その3時間後、自称小説家の荒島が出頭してくる。彼はある文学賞を桜庭のせいで受賞できなかった恨みから犯行に及んだと言うのだが…。

「青い魚」
45歳独身の帆村は1人で釣具店をやっていた。三ヶ月前に20代の美人女性が現れ、なんと一緒に暮らすようになり、結婚まで約束するようになる。しかし兄だという男がやってきてから雲行きが怪しくなってくる。
ある日、三人で船を出してハギ釣りに行くことになる。

「緑園の主」
犬養はホームレスの塒が放火され、そこで寝ていた男が救急搬送されたという事件現場を訪れていた。その時に別の事故現場に行くように命じられる。中学生が部活動の後、帰り道で倒れ、搬送先で亡くなり、体内からタリウムが検出されたというのだ。目を覚ましたホームレスは死んだ中学生が火をつけたと証言する。

「黄色いリボン」
桑島翔には秘密があります。彼は毎日学校から家に帰ると女の子の格好をして化粧をして、ミチルとして過ごしているのです。
ある日、いないはずのミチルにダイレクトメールが来ます。それから知らない男や警察までやって来て、ミチルのことを聞いてきます。

「紫の献花」
名濃バス株式会社の運行管理係だった高瀬昭文が自宅で刃物で刺され死亡していました。彼は高速バス追突事故後、バス会社を退職していました。不思議なことに退職直後に生命保険に加入しており、その受取人が高速バス事故で怪我を負った樫山有希でした。樫山と高瀬には面識がありません。それなのに何故樫山を受取人に…?

なんで犬養にはわかるのかという思いで次々に読んでいきました。
人の中に潜む悪意って怖いですね。
犬養のように人(男限定)の嘘が嗅ぎ分けれれるのも良いようですが、私はそんな特技いらないです。騙されていたいかも(笑)。

「世界にひとつのプレイブック」を観る2021/02/08

この映画、私にはちょっと合わない映画でした。
主人公とその相手が精神的に病んでいて、如何にもアメリカ的と言えば言えるけど…。


ポスターを見ると、明るい映画に見えますが、明るいというよりも…?
(ネタバレあり)

高校で歴史を教えていたパットは双極性障害で精神病院に入院していましたが、やっと退院しました。
元妻のニッキーが同僚と浮気をしている場面に出くわし、浮気相手に暴行をしため、病院に入れられたのです。
パットはニッキーと復縁しようと固く決心していました。

パットのやることなすこと、病んでます。
ヘミングウェイの『武器よさらば』を読んで、ヘミングウェイに電話をかけて謝るようにいってくれと両親に言ったり、セラピーに行き、流れている曲が気にくわないと暴れたり、接近禁止令が出ているのに、妻の学校に押しかけたり…。

笑っちゃうのは、彼の父親役がロバート・デ・ニーロで、アメフトのノミ屋をやっているのですが、彼はテレビで試合を見る時に手にハンカチを握り、リモコンが3つないと駄目なんです。彼も少し病んでますね。
なんでデ・ニーロはこの映画に出たのかしら?もったいないけど、楽しそうに演じているのでいいのですけどね。

ある日、友だちのロニーの家にディナーに招かれます。
ロニーの女房の妹・ティファニーも来ていました。ティファニーは夫のトミーが亡くなったショックから心理療法を受けているようです。
二人は薬のことで盛り上がりますが、急にティファニーが帰ると言い出し、パットが送っていくと、セックスに誘われます。妻がいるからと断ると、頬をひっぱたかれてしまいます。
その夜、夜中の3時に結婚式のビデオを観ようと探し始めるパット。見つからず、奇声を上げて騒いだため、近所の人がびっくりして起きてしまい、電話が鳴り止みません。彼を落ち着かせようとした母を殴り、父とはつかみ合いの喧嘩をしてしまい、警官がやってきます。

次の日、ジョギングをしているとティファニーが現れ、友だちになりたいと言います。二人は夕食を一緒に食べることにしますが、レストランで頼んだのがパットがシリアルでティファニーは紅茶です。パット曰く、シリアルだとデートと思わないから。
パットのニッキーに対する気持ちを知り、ニッキーに手紙を渡してあげると言い出すティファニーでしたが、話しているうちに仕事を解雇された理由を話し出し…。

次の日の朝、父親は封筒が一枚ないと騒いだ後(パットが取ったのね)に、パットにアメフトの試合を一緒に見ようと誘います。家族が一緒に見ることに意義があり、賭けに勝てるんだそうです。パットは父親と試合を見ることよりも、ニッキーへの手紙をティファニーに渡すことに頭がいってます。
急いで手紙を持ってティファニーに会いに行きますが、手紙を渡す代わりにダンス大会に出てくれと言われ、いやいやダンスをする羽目になるパットでした。

パットもパットですが、お父さんもやってくれます。
全財産を賭けてしまったのです。その試合会場で父親はエキサイトして人を殴ってしまい、出入り禁止になっちゃいます。
結果はおわかりでしょう。そう、全財産がパー。
やけになって父親が暴れているところにティファニーがやってきます。父親から負けたのはお前のせいだと言われ、怒ったティファニーはカウボーイ戦で賭け直し、パットと出るダンス大会の点数も賭けの対象にすることを提案します。
パットはダンス大会は勝ち目がないので、出るのを止めるといいますが、ティファニーはニッキーが見に来ると嘘を言います。ニッキーに会いたいパットは仕方なく大会に出ることにしますが…。

私はこの頃、聴覚過敏傾向なので、怒鳴ったりすることの多い、こういう映画はちょっと苦手です。
でも終わりがハッピーだったので、観てよかったです。

中山七里 『ハーメルンの誘拐魔』2021/02/09

刑事犬養隼人・シリーズの三作目。


週に一度の通院の日に、母親がドラッグストアに寄りちょっと目を離した隙に、月島香苗は行方不明になってしまいました。彼女には記憶障害があり、今では母親さえ認識できません。母親の綾子はしばらく一人で探し回るのですが、見つからず、交番に飛び込み助けを求めました。
手分けをして探し回った二時間後に、香苗が姿を消したドラッグストアの前で落ち合いましたが、香苗は見つかりません。綾子は失望のあまりその場に蹲ってしまいますが、偶然に自動ドアの隅に二枚の紙片を見つけます。それは香苗の生徒証と絵葉書でした。絵葉書には一人の男に先導されて村から出て行く子どもたちのイラスト、有名な童話の<ハーメルンの笛吹き男>の絵が印刷されていました。

月島家は母子家庭で、財産もないので、身代金目当ての誘拐ではなさそうで、犯人から連絡が来る可能性が低そうです。
猥褻目的か本人か母親に対する復讐か?

今回の事件で犬養隼人は高千穂明日香とペアを組むことになります。
高千穂は25歳で、捜査一課の紅一点。何故か犬養を嫌っていて、何かと皮肉を言ってきます。思い込みの激しそうな、相棒にはしたくない部類の人です。

その頃、犬養親子の間に変化が訪れていました。沙耶香がやっと言葉を交してくれるようになったのです。
いつものように沙耶香のところに行くと、香苗の事件を担当しているのかと聞いてきます。彼女は前から綾子が書いた香苗の闘病記録のブログを読んでいたそうで、香苗は子宮頸がんワクチンの副反応で記憶障害に陥ったというのです。
犯人がブログの読者であり、コメントを寄せていたら…。

数日後、下校途中に寄った神社の境内に、忘れた携帯電話を取りに行った女子高校生が行方不明になります。境内にはいなくなった女子高校生のスマートフォンと<ハーメルンの笛吹き男>の絵葉書が残されていました。
誘拐されたのは槇野亜美と言い、父親は日本産婦人科協会の会長でした。

子宮頸がんワクチンの被害者と加害者の双方の子どもが誘拐されたのです。
犯人の狙いは一体何なのか?

今回は子宮頸がんワクチンがテーマです。
前に子宮頸がんワクチンを扱った本『10万個の子宮 あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか』を読みました。
この本と一緒に読むと、より深く子宮頸がんワクチン問題についてわかると思います。
是非若い女性の方と、娘さんを持った親に読んでもらいたいと思います。


千葉県のパイのお店からのお取り寄せ。


これはアップルパイです。他に甘くないパイが5種類入っていました。
レンジとトースターを使うと熱々でした。

青山美智子 『お探し物は図書室まで』2021/02/10



小学校の横にある「羽鳥コミュニティハウス」では様々な講座や催しが行われています。そこには集会室の他に図書室があります。図書室には高校を卒業後、司書補の資格を取ろうとしている図書室スタッフと主にレファレンスをしている司書がいます。
司書の小町さゆりはものすごく大きい女性で、一見とっつきにくいのですが、「何をお探し?」という一言で、やってきた人たちにどっしりとした安心感を与えます。

転職をしようかどうか迷っている総合スーパー・エデンの婦人服売り場の店員やアンティーク雑貨屋をやりたいと思っている家具メーカーの経理部で働く男性、産休で戻って来たら資料部にまわされた元雑誌編集者の女性、絵で身を立てようと思っていたけど挫折してニートをしている男性、長年お菓子の会社に勤め定年退職をしてから何をしたらいいのかわからなくなった男性が図書室にやってきます。
小町さんは彼らの探している本のリストと共に1冊、何の関係もなさそうな本を紹介し、付録としてひたすら毛玉に針を刺して作ったぬいぐるみ(ニードルフェルトっていうのかな?)を1つくれます。(表紙の動物たちがこれです。私は付録よりもおまけの方が好きだな、笑)
不思議なことにこの1冊の本が、読んだ人に新しい世界の扉を開かせることになるのです。

こんな司書さんが図書館にいてくれたらいいなぁと思います。
私にはどんな本を紹介してくれるのかしら?
どんなぬいぐるみをくれるのかしら?
小町さんはてきとうにインスピレーションで選んでいるらしいです。
本も付録の意味も、自分で探し当てるもの。
「作り手の狙いとは関係のないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を、読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るんです」と言っています。

定年退職した人には草野心平の詩集を紹介していました。
その中から知らない詩が出ていましたが、とっても心に染みる詩です。載せておきましょう。

 窓  草野心平

波はよせ。
波はかへし。
波は古びた石垣をなめ。
陽の照らないこの入り江に。
波はよせ。
波はかへし。
下駄や藁屑や。
油のすぢ。
波は古びた石垣をなめ。
波はよせ。
波はかへし。
波はここから内海につづき。
外洋につづき。
はるかの遠い外洋から。
波はよせ。
波はかへし。
波は涯しらぬ外洋にもどり。
雪や。
霙や。
晴天や。
億万の年をつかれもなく。
波はよせ。
波はかへし。
波は古びた石垣をなめ。
愛や憎悪や悪徳の。
その鬱憤の暗い入江に。
波はよせ。
波はかへし。
波は古びた石垣をなめ。
みつめる潮の干満や。
みつめる世界のきのふやけふ。
ああ。
波はよせ。
波はかへし。
波は古びた石垣をなめ。

東北かどこかの海辺の家の窓から寄せては返す波を見つめている老人。
彼(彼女)は自分の辿ってきた人生を振り返っている…。
というような感じを想像しましたけれど、この本の中で若い娘さんが、「民宿に泊まっていて、窓を開けたら海!」という風景を想像していて、びっくり。人それぞれに感じ方も違いますからねぇ。それが面白いですね。

草野心平といえば蛙の詩というイメージしかありませんでしたが、他の詩も読んでみたいなと思いました。

初めて読んだ作家さんでしたが、お勧めです。
人生に迷っていたり、悩んでいたりする人が読むと、何か答えがもらえるかもしれませんね。

今週のお取り寄せのおやつ。


イギリスの「SHORTBREAD HOUSE OF EDINBURGH」のショートブレッドです。好みの味と食感でした。美味しいので小さい缶入りも頼んでしまいました。