読んだ本2021/02/25

読んだ本が溜まってきたので、ミステリー以外をまとめて載せておきます。


篠田節子 『廃院のミカエル』
ギリシャを舞台としたサスペンス。
食品輸入会社に勤めていた美貴は男で失敗し、遠くレバノンに飛ばされたが、紛争のためアテネに逃げて来た。何か商売になるものはないかと探していると、絶品の糖蜜と出会い、その糖蜜の産地であるギリシャ北部、アルバニア国境に近いピンドス山中の村に行くことになる。
村に行く途中で廃院になった修道院があり、壁に大天使ミカエルの絵が描かれていた。薄ら寒いものを感じ、早々に後にするが、その後に不思議な現象が起こるようになる。

オカルト的なお話で、舞台のギリシャの廃院っていうのは好きなのですが、登場人物たちにはまったく共感できませんでした。
キリスト教的なものが好きな人なら楽しめるかも。

一色さゆり 『コンサバター 幻の≪ひまわり≫は誰のもの』
晴香が助手をしている元大英博物館のコンサバター(修復士)・スギモトの工房に、行方不明になっていたゴッホの≪ひまわり≫が持ち込まれ、修復と鑑定をすることになる。しかし持ち主に返却する前日に≪ひまわり≫が盗まれてしまう。
同じ頃、個人宅でフェルメールの≪少女と手紙≫も盗まれていた。
しばらくすると一通のメールがロンドン警視庁に届く。そこにはこの2点の絵画と引き換えに、ヒースロー空港地下倉庫の盗品をすべて渡すようにと書いてあった。
スギモトと晴香はロンドン警視庁美術特捜班の刑事マクシミランと共に調査に乗り出す。

大事の割にあまりそう感じられないのは何故かしら?
作家さんの筆力と出てくるキャラのせいかもね、笑。
ガチのミステリーと思って読むとガッカリしますよ。ライトノベルのちょっとミステリー色のついたものとして読んでください。

溝口智子 『万国菓子舗 お気に召すまま 真珠の指輪とお菓子なたこ焼き』
『万国菓子舗』の店長・村崎荘介と店の接客・経理・事務担当で荘介と付き合っている斉藤久美。今回は主にこの二人のラブラブな姿が描かれています。
荘介から指輪をもらい、彼の親とも会い、プロポーズもあり、後は結婚式だけです。次回にハッピーエンディングが待っているでしょう(たぶん)。
それにしても息子の婚約者とたこ焼きを食べる親たちってなんか変ですねぇ。
犬用のケーキなんかがでてきて、そろそろタネも尽きた?

今回食べたかったのは、バレンタイン用のチョコレートテリーヌです。

青山美智 『木曜日にはココアを』
お探し物は図書室まで』を書いた青山さんの本、二冊目です。
小さな喫茶店「マーブル・カフェ」の出会いから、次々と人が繋がっていき、最後はまた「マーブル・カフェ」に戻って来ます。
軽く読める、心がほんわかする本です。あまり頭を使いたくない時にどうぞ。

風野真知雄 『わるじい慈剣帖 五 あるいたぞ』
相変わらず孫の桃子LOVEの愛坂桃太郎です。
前回は桃太郎の妻と嫁が桃子のところに押しかけてきていて、慌てる桃太郎で終わっていましたね。何故慌てたかというと、嫁は珠子と桃子のことを知らないのです。(桃太郎の息子の浮気相手が珠子で、できた子どもが桃子です)
どうも嫁が桃太郎が赤ん坊を背負って街を歩いているという話を聞きつけたらしく、急遽妻は珠子が桃太郎の隠し子ということにしたようです。
桃子は掴まり立ちをするようになりましたが、今度は長火鉢が桃太郎を悩ませることとなります。やけどしたら困りますものね。どうする桃太郎。
そしていよいよエレキテルを巡って対立してきた北町奉行所の与力・森山平内と決着をつけなければならなくなります。
じいじは(悪?)知恵を働かせて、江戸に戻って来た大泥棒・音羽屋花三郎と共に森山平内に一泡吹かせることにします。

じいじ、大活躍。いつ読んでも楽しいお話です。

藤本登四郎 『祇園「よし屋」の女医者』
京都、祇園で50年続くお茶屋「よし屋」の一人娘の月江は現夢和尚のところで学問を学んでいた。才能があるので、医師の小島源斎が立派な女医者にしこむので預からせてくれと言ってくる。月江の母親・喜久江はカンカンになって断り、松の内があけるとすぐに月江を舞妓として見世出しすることにする。月江は源斎の申し出を受けたかったのに…。
ある日、源斎の恩師が江戸にやって来る。源斎は彼から新しい医書を借り筆写することになる。舞妓の仕事と筆写を一日おきということで、喜久江は月江が筆写の手伝いに行くことを許す。
しかししばらくして、母に内緒で月江は癇狂を患う生糸問屋の娘・小雪の治療を手伝うことになるが、なかなか小雪の治療は上手くいかない。

この話のように、舞妓をしながら医師の手伝いをするなどという女性が本当にいたのでしょうか?
作者は精神科医なので、癇狂の描写は正確なのでしょうが、上手く行き過ぎという感じが残りました。

<今日のわんこ>
夜中の四時過ぎにワンワン吼える弟犬。
どうも夫を起こそうとしているみたいです。
夫が平日、四時過ぎに目覚ましをかけているのをちゃんと覚えているようです。


平日ならいいのですが、休日は止めて欲しいです。
犬は休日だとわからないので困ります。