アン・クリーヴス 『地の告発』2021/03/01

『空の幻像』に続くジミー・ペレス警部シリーズの7作目。
kindleでは最初の4冊は発売されていないので、この本を読み終わったら紙の本を買って初めから読むことにしました。


ジミー・ペレスが知人のマグナス・テイト(第一作目『大鴉の啼く冬』参照)の葬儀に参列している時に、地滑りが発生しました。シェットランドでは墓地は海のそばにあるので、土砂は墓石をつぎつぎとなぎ倒すと、そのまま砂利浜を超えて海へとなだれ込んでいきました。
ペレスの元婚約者・フランの墓石も押し流されてしまいました。
あそこに埋まっているのはフランの抜け殻で、彼女のことを思い出すのに墓石は必要ないとペレスは思い、周りを見渡してみると、”トーイン”と呼ばれている1軒の農家が被害を受けていました。
空き家でしたがペレスが確認しにいくと、その中で赤い絹のドレスを着た女性の遺体が見つかります。
ペレスたちは女性の身元を特定をしようとしますが、身元を確認できるものは何もありません。
後でサンディが農家の中を詳しく調べてみると、写真と手書きの手紙が見つかり、手紙にアリスという名前が書かれていました。この女性の名前はアリスなのでしょうか?
検死では死因が絞殺で、地滑りの前に殺されていたことがわかります。
ペレスはウィロー・リーヴズ主任警部に電話をし、再度彼女と一緒に殺人事件の捜査をすることになります。

サンディ君にも春が来ました。上手くいくといいですね。
そしてなんとペレスとウィローの関係が変わります。
ウィローはヘブリディーズ諸島のヒッピー共同体で育った、髪の毛がぼさぼさでからまっている、バイキングのように力強い女性で、毎朝ヨガをする菜食主義者でもあります。瞑想なんかもしている割に、本人も自覚しているようですが、気が短く、思い立つとすぐにやらずにはおえない人。
ペレスの元婚約者のフランはウィローとは正反対のフェミニンな人だと思うのですが、ペレスとは上手くいくのかしら?ちょっと心配です。

このシリーズも後1冊、『Wild Fire』で終わりになるようです。
翻訳は今年の11月頃なのでしょうかね。う~ん、原書を読もうかしら。

「ジャージー・ボーイズ」を観る2021/03/02

ミュージカルをクリント・イーストウッドが映画化したようです。
なんでイーストウッドが?って感じの映画ですねぇ。
「グリーン・ブック」にもイタリア系移民が出てきましたが、一族思いが強烈ですね。


こんなポスターを見たら、落ち着いた雰囲気の感動物の映画だと思ってしまいますよね。このイメージのまま映画を観たい方は、これから書くのを読まないで映画を観て下さい。
(ネタバレあり)

1950年代、ニュージャージー州、ベルヴィル。
フランキー・ヴァリは床屋で働きながら、夜は友だちのトミー・デビードとニック・マッシの三人とバンドを組み歌っていました。
フランキーの歌声はマフィアのボス、デカルロにも愛され、彼から困った時はいつでも助けるとまで言われていました。
トミーとニックはケチな犯罪で何回も警察にお世話になっています。
フランキーの家族はトミーと付き合うと犯罪に巻き込まれるのではないかと心配していました。
警察もフランキーの美声を知っているので、捕まえてもフランキーは釈放され、トミーとニックは実刑。警察までフランキーに手心を加えてるのね。

バンドにトミーの友人の紹介で曲がかけるボブ・ゴーディオが加入します。フランキーとボブはデモテープを作り、レコード会社に送り、なんとかレコード会社と契約しますが、一年間コーラス以外の仕事はありませんでした。
レコード会社からは、レコードを出すためにレコーディング資金、3500ドルと曲を作るように言われます。
バンド名を「フォー・シーズンズ」とし、ボブは「シェリー」を書き上げ、トミーが資金を調達し、やっとレコードを出しました。
「シェリー(Sherry)」は大ヒットし全米チャートで1位になります。
その後、「恋はヤセがまん(Big girl don't cry)」、「恋のハリキリボーイ(Walk
like a man)」と続けて1位を獲得し、「フォー・シーズンズ」は一躍大スターとなります。
しかしバンドが上手くいっていても、フランキーの家庭は壊れていて、離婚をしてしまいます。

ある日、人気番組エド・サリバン・ショーに出演することになりますが、出演前に高利貸しが取り立てにやってきます。フランキーたちは知らなかったのですが、トミーはレコーディング資金をマフィア絡みの高利貸しから借りていたのです。
このことがきっかけとなり、トミーに対するみんなの不満が爆発します。
トミーが宿泊代を払っていなかったため逮捕されたり、フランキーの恋人のロレインに手を出そうとしたり、ホテルの部屋の使用方法があまりにもひどくて同室のニックが辟易していたりと、素行に問題があったのです。
トミーはトミーでフランキーとボブの二人が個人的に契約を交していることを面白くなく思っていました。
フランキーはマフィアのボスのデカルロに助けを求め、話し合いの場を持ちますが、その時にトミーがグループの口座から50万ドルも手をつけていたことがわかります。
結局フランキーは借金を肩代わりすることになり、ニックはバンドからの脱退を宣言し、トミーはマフィア達の監視の行き届くラスベガスから出られなくなります。

フランキーとボブは新メンバーを入れ、借金返済のため年間200日のホテル暮らしを始めます。
そんな頃、元妻から連絡があり、娘のフランシーンが家出をし、薬に手を出しているというのです。
フランキーは歌手になるという夢を持つ娘に力を貸すと言いますが、やっと借金を返し終わった時にフランシーンはオーバードースで亡くなってしまいます。
失意のフランキーにボブはある曲を渡します・・・。

驚いたことに、映画で歌われていたフォー・シーズンズのヒット曲はだいたい知っていました。彼らが歌っているのを聞いたのではなくて、他の人たちが歌っているのを聞いていたからです。ボブ・ゴーディオに才能があったのでしょうね。曲がスタンダードになっていますから。

トミーのやったことに腹を立てながらも、彼を見捨てられないフランキー。
昔の恩を忘れられないんですね。
そんなフランキーの気持ちにつけ込むトミーもトミーです。
途中でニックが嫌になる気持ちもわかります。
犯罪に手を出していたり、マフィアが出てきたりして、歌はよくても清廉潔白ではいられないのが1950年代から1960年代のショービジネスなのでしょうか?

次はクィーンの「ボヘミアン・ラプソティ」を観てみようかしら。


その時の気分でお菓子を焼いているので、朱雀モンブランを頼んであったのを忘れていました。
冷凍なので、しばらく冷凍庫に置いておきます。


これは大きいです。普通のモンブランの二倍以上あります。
人気らしくなかなか買えません。今日も品切れになっています。
みんないつ頼んでいるのかしら?

碧野圭 『書店員と二つの罪』2021/03/03

キエフ・バレエの「くるみ割り人形」と「雪の女王」が配信されています。
「雪の女王」は日本初公開です。
簡単に言うと雪の女王に連れ去られた男の子を探し回る女の子のお話で、アンデルセンの話が基になって作られています。
日本語のあらすじもついていますので、お子さんと一緒に観ても良いかも。


椎野正和は大学を卒業してからずっと書店で働いています。今は契約社員ですが副店長で、主に文芸書を扱っています。一応カリスマ書店員の一人です。

ある日、17年前に名古屋で起きた女子中学生殺人事件の犯人が書いた告白本が新刊本として届きます。
その事件は女子中学生が殺され、頭と手足、胴体が切り離され、彼女が通っている中学校の校庭に放置されていたというもので、犯人は正和と同じクラスの男子中学生でした。
実はこの犯人は正和の家の隣に住んでいた友人でした。そのため正和は共犯ではないかと疑われてしまいます。
事件後、正和は名古屋を離れ、祖父母の家に世話になり、そこから高校に通いました。その時のことがトラウマとなったのか、今でも事件当時の記憶が曖昧で、思い出そうとすると気分が悪くなります。
しかし何故今頃、告白本などを書いたのだろう。
出版社は売れると思えば、どんな本でも出版し、書店は売れればどんな本でもに売るのかと憤る正和。

久しぶりに名古屋の家に帰ると、隣の家にあったみかんの樹は切られており、庭には誰がしたのかゴミが沢山投げ入れられています。
正和の弟の和秀は犯人の弟と親友であったため、事件後にひどいいじめに遭い、事件のショックといじめの苦しみから、引き籠もりになっていました。
家に帰ってしばらくして、元同級生の加藤つぐみから電話が来ます。クラス会のことを話した後、二人で会いたいと言われますが、何故自分に会いたいのかと疑念を抱く正和でした。

つぐみと会った後、高速バスで東京に帰る予定でした。
バスの窓側の席に座っていると、あの事件の時に現れた『週刊トレンド』の記者・青木毅が隣の席に座ってきます。会いたくない相手でした。青木の記事のせいで正和が共犯ではないかと疑われたのです。
青木は17年前のことは時効だとか、俺が書かなくても他の誰かが書いたはずだとか、大衆が欲したことだとかほざき、悪いことをしたとは思っていないようです。
あの本を読んだ感想を聞きたいようでしたが、読んでいないという正和に、彼は意味深なことを言います。
「きみに会いたかったのは違和感を覚えたからだ。…あれはほんとうにやつが書いたのだろうか?」と。
この青木の言葉が気になり、正和は本を読むことにします。
そして正和も違和感を感じます…。

神戸の酒鬼薔薇事件を下敷きに、「書店ガール」を入れてみましたという感じのミステリーです。
「書店ガール」、面白かったけど、紺野さん、次はこの路線でいこうと思っているのかしら?
出版社や書店、そしてマスコミの良心に関して、色々と考えさせられました。
最後は書きませんが、ちょっと薄気味が悪かったです。
正和は納得して生きていけるのでしょうかね。


ひと暴れした後のヨーキー。相手をするのも疲れます。


よくよく考えてみると、彼は人間では40歳。
人間の40歳が彼のように走れる?
普通の40歳なら、アキレス腱を切ってるわね。

額賀澪 『転職の魔王様』2021/03/04

会社に入ってから、ふとした折に転職しようかなって思う時がありませんか。
親や先生から、3年我慢しなさい、なんて言われませんでしたか。
3年我慢できれば、5年、10年と勤めていけますよ、なんて言われ、その気になって働いても、「なんかこんなもんだっけ、仕事って」と思うことがありませんか。
昔よりも今の方が転職しやすいとはいえ、転職ばかりしていると、駄目な奴と見られるのではと思っていませんか。
そんな人はこの本を読んでみるといいかもしれません。


未谷千晴は、入社した大手広告代理店でたまたま上司になった奴がとんでもないパワハラ上司で、なんとか無理して働いていましたが、仕事中に倒れてしまい、仕事を辞めざるおえなくなってしまいました。
「三年も仕事が続かない、働きもせず、家にお金を入れず、税金も年金も親に払ってもらっている、そんな自分は駄目な大人だ。そんな自分に耐えられない」などと色々と考えてしまい、自信も希望も持てないでいました。
そんな姪のことを心配した叔母の洋子に、彼女が経営する人材紹介会社「シェパード・キャリア」を使って会社を探したらどうかと勧められます。
彼女のCA(キャリアアドバイザー)になったのが、「転職の魔王様」と呼ばれている来栖嵐でした。
彼は足が不自由で杖をつき、無機質に顔の整った顔立ちで、歯に衣着せない物言いをします。
彼から言われることは、どれも心に刺さり、千晴はつい言ってしまいます。
「私は、どうすればいいんでしょうか」と。
来栖は言います。「そんなこと自分で決めてください。大人なんですから」

どんな会社でどんな仕事がしたいのか、自分の人生のビジョンがないという千晴に洋子は来年の三月まで、シェパード・キャリアで見習いキャリアアドバイザーとして働いてみないかと提案します。
千晴の教育係は、もちろん来栖です。
さて、どんな転職希望者がやって来るのでしょうか。
そして千晴は3月までに自分の進む道を見つけられるでしょうか。

転職希望者5人のお話が載っています。
この中の誰かが、あなたと同じ悩みを持って転職を希望しているかもしれません。
実際にはこんなに親身に相談にのってくれる人材紹介会社はないと思います。
と言っても私は利用したことがないので、どんな感じなのかわかりませんが。
とてもいいCAに出会えたらラッキーと思って利用するといいでしょうね。

転職とは違いますが、前に読んだリストラ請負人のお話も面白かったです。
垣根涼介の『君たちに明日はない』シリーズ5冊も一緒に読むことをお勧めします。

トリミングに行く2021/03/05

月に一回のトリミングに行ってきました。
いつもはカートに乗せていますが、今回は歩かせました。
そうすると始めの5分は二匹一緒なので、うれしさでグイグイあっちこっち歩こうとして大変ですが、しばらくすると落ち着いてきます。
弟は前に行きすぎると名前を呼ぶと立ち止まります。
うちの犬たちは何歳になっても勢いがおさまりません、笑。

さて、トリミング後の姿ですが、いつも載せていて、変わりがないようで申し訳ありません。
今回は2015年から7年間の写真を載せて、今の姿はどれ?クイズを行いたいと思います。(単に昔の姿を見たいだけですが)
わかる方は若い順から並べてみて下さい。

【1】2018年5月

【2】2020年2月


【3】2017年4月

【4】2021年3月

【5】2015年10月


【6】2019年5月

【7】2016年5月

兄はあまり変っていませんが、弟は毛の色が変るので、なんとなくわかるかな?
ヒント:ヨーキーは若いときは背中の毛の色が黒く、顔の色も濃いです。

正解:5⇒7⇒3⇒1⇒6⇒2⇒4

意外と犬って年をとりませんね。羨ましいです。


兄って弟がいるといつもムッツリしていますね。


笑顔が素敵な弟です。


兄はいつもおすましです。
今月の体重は弟、3.1㎏で変らず、兄は3.4㎏で0.1㎏痩せました。
獣医さんによると、お泊まりした時は二匹で仲良く遊んでいるそうです。
おかしいですね。ママの前ではもう遊びません。
兄がソファにいて、弟だけが駆けずり回っているのですが。

そうそう、面白い写真を見つけちゃいました。


2015年の写真だと思うのですが、二匹共にこんな姿を見せることは滅多にないです。

ピーター・トレメイン 『憐れみをなす者』2021/03/06

修道女フィデルマ・シリーズの新刊。
七世紀アイルランド、五王国の時代。
アイルランドにキリスト教がもたらされて二百年が経ち、しだいにローマ・カトリックの思想が浸透し始めていますが、まだアイルランド古来の信仰や習慣が根強く残っています。


主人公のフィデルマはモアン王国の王コルグーの妹で、古代アイルランドの法典<ブレホン法>を修めたドーリィー(法廷弁護士)であり、学問における最高位に次ぐ地位であるアンルー(上位弁護士・裁判官)の資格を持ちます。
二十八歳で赤毛に綠の瞳のすらりとした長身の美人。語学も堪能、歴史や文学の知識も広く、記憶力も抜群。馬に乗り、歌も上手い、護身術まで身に付けている才色兼備で文武両道の姫君でありシスターです。(後書きより)
今回は船に乗りますが、船酔いまでしないというのは、ちょっとすごすぎですね。

フィデルマは一人で巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステラを目指す聖地巡礼の旅に出ます。
というのも、一緒に事件を解決してきたサクソン人修道士エイダルフに対する自分の気持ちを知り、そしてこれからも修道女としての人生を送りたいのか、法律の道を究めたいのかを考え、あらゆるしがらみを置いて人生を整理し直したかったからです。

フィデルマが乗ったカオジロガン号の船長はマラハッドといい、彼に聞いたところ、船には彼女の他に修道女が四人、修道士が六人乗っているということです。巡礼団は12人か13人で旅をするのが普通です。不思議に思ったフィデルマが尋ねてみると、一人は途中であきらめ、もう一人は朝、波止場に姿を現さなかったと言うのです。
自分の素姓は内緒にしておこうと思っていたのですが、船に乗ることになった経緯を話しているうちにマラハッドに知られてしまいます。
いつも思うのですが、フィデルマは性格的に傲慢なところがあり、自分が王の妹で高貴な身分であることをそれとなく自慢しているように思えます。彼女のいけないところですね。

給仕係のウェンブリットに案内され、下甲板の客室に入ろうという時に、思いもかけない男に声をかけられます。
それは、忘れようとし、忘れられたと思っていた初めての恋人、キアンでした。
10年前、18歳になったフィデルマはキアンに恋をします。しかしキアンは「女性を口説き落とすまでを楽しむ質」の男で、学業までも捨てたフィデルマをもて遊び、他の女と結婚するために彼女を捨てたのです。
彼は大王の警護団団員でしたが、腕を怪我したためバンゴア修道院で修道士になり、これから行く聖ヤコブ大聖堂の近くにいるモーモヘックという薬師に腕を診てもらう目的で巡礼に参加したのです。
話をしようというキアンを振り払い、部屋に入った途端に呻き声に驚かされます。
そこにはシスター・ムィラゲルという若い修道女がいて、船酔いで苦しんでいるようでした。彼女は心配して声をかけるフィデルマを部屋から追い出します。

正午に食事に行き、他の修道女と修道士に会いますが、なんとも変った一行で、彼らの間にはなんだかもめ事がありそうです。これが神に仕える人たちなのかと思えるような感じで面食らうフィデルマ。キアンだけでも面倒なのに…。

その夜、時化がやって来ます。
フィデルマはキアンとのことを思い出しながら、うつらうつらしているとうちに寝てしまいます。本当に船に強いのですねぇ。羨ましい。
次の日の朝、真っ白な濃い霧が船をすっぽりと包んでいました。
甲板で出会ったマラハッドがフィデルマにシスター・ムィラゲルが行方不明だと告げます。結局彼女は時化のさなかに看板にあがって海に落ちたことになりますが、船酔いで寝棚からおきあがることさえ出来なかったはずなのに、と不審に思うフィデルマ。

シスター・ムィラゲルのことを聞き、混乱し騒ぎ出す修道女と修道士にフィデルマは、船の持ち主がマラハッドで、船籍がアードモアであることを確かめてから、この船はアイルランドの法律に従うべき立場であり、『海に関する法律』が当てはまり、この船の船長であるマラハッドは船に乗っている全員を統べる立場にあることを指摘し、黙らせます。

しばらくしてウエンブリットがフィデルマにシスター・ムィラゲルの船室の寝台の下に隠してあった血のついた法衣を見つけたと知らせてきます。どうも事故ですまされないようです。
フィデルマはマラハッドに、船長である彼が船から転落した理由を法的機関に報告する義務があり、その家族や親類から賠償を請求されることもあることを伝え、彼の依頼を受けてフィデルマが聞きこみ調査をすることを承知させます。

早速調査に乗り出すフィデルマでしたが、なかなか一筋縄にいきません。
キアンを巡る女たちの争い、横恋慕、嫉妬心など様々な感情が渦巻いています。
海賊船や難破船に遭遇したりしているうちに、海に落ちたと思われていた修道女の刺死体が船室で見つかります。
果たしてフィデルマは船旅の終わりまでに犯人を見つけることができるのでしょうか。

この時代には修道士と修道女が同じ修道院で暮らしており、結婚し子どもを育てる人たちもいたそうです。
それにしてもこの本に出てくる修道士と修道女はあまりにも世俗的な方々です。
修道院に入らなくてもいいでしょうにと言いたくなりますわ。
フィデルマに黒歴史があったことは知っていましたが、相手のキアンがあまりにも愚劣な男で、なんでそんな男に・・・と思いましたが、若さ故のことですかぁ。
スーパーウーマンのフィデルマンにも弱点があったということで、笑。
エイダルフとはどうなるのか、興味があります。
本国ではこのシリーズは32冊出版されているようですが、日本では9冊目なので、この調子でいくと全部翻訳されるまで20年以上もかかってしまいます。
アガサ・シリーズは簡単な英語だったので読めたのですが、フィデルマ・シリーズは固有名詞が難しそうです。
これは人名?地名?王国名?なんて迷いそうで、読めるかどうか自信がないです。
とりあえず、10冊目の『Our Lady of Darkness』でも読んでみましょうか。
今はアン・クリーヴスの『Wild Fire』を読み始めたので、そのうちということで。


どうも弟はどうしたら可愛らしく写るかを知っているようです。


カメラを向けるとすぐに舌を出します。


兄はカメラなんか知らんという顔をします。毛布で嫌々をした後なので、耳の毛がボサボサです、笑。


僕って可愛いでしょ、という弟にちょっかいを出している兄です。

「五時から七時までのクレオ」を観る2021/03/07

何でなのかわかりませんが、この映画の題名が私の脳の中に強烈にインプットされています。
前に観ていたからかと思いましたが、観てみても、以前に観た記憶はありません。
1962年の作品ですから、観たはずありませんね。
たぶん題名の何かが私の心を掴んだようです。


有名な映画なのか、色々なポスターがあります。
白黒で好きなのがありましたが、小さいのでこのポスターを載せることにしました。
夏至の日の5時から7時まで、クレオがパリの街を彷徨う姿が描かれた映画です。
(ネタバレあり)

クレオは歌手で3枚レコードを出しており、そこそこに人に知られています。
ある日、病院で検査を受け、自分が癌ではないかという思いに囚われてしまいます。

5時。
タロットカードで占ってもらいますが、出たのは「死」のカード。
(タロットカードだけがカラーです)
手相をみてもらいますが、チラッと見た後、占い師は私は手相を見ないと言ってごまかします。
アンジュールとカフェで会い、泣き出すクレオ。隣では別れ話をする男女。
アンジュールは火曜日には新しいものを身に付けてはいけないと言いますが、帽子屋で帽子を試し、季節外れの黒い帽子を買うクレオ。
タクシーに乗ろうとしますが、ナンバーが不吉だというアンジュール。
他のタクシーに乗り家に着くと、すぐに靴を脱ぎ、タバコを吸うクレオ。
恋人が急にやって来て、すぐに帰って行きます。
ボブたちが白いコートを着てやって来ます。薬剤師の真似をしてクレオを笑わせようというのです。
ボブのピアノの伴奏で歌うクレオ。どの歌も気にくわない。
ボブたちを置いて、一人で外へ出かけます。
街をブラブラとあてもなく歩くクレオ。
カフェに入ったり、蛙を飲み込む男を見たり…。
友人のドロテがモデルをしている彫刻家のアトリエに行きます。
二人で車で出かけ、病気のことを話すクレオ。
ドロテのバッグが落ち、鏡が割れます。不吉な予感…。
ドロテと別れ、モンスリ公園の中に入っていくクレオ。
天文台や木馬の前を通り過ぎます。
川の側の階段で立ち止まっていると、帰休兵のアントワーヌが話しかけてきます。
彼に検査結果を待っていることを話すクレオ。
愛について熱心に語るアントワーヌ。
クレオの苦悩に気づき、病院に行こうというアントワーヌ。病院まで送った後で隊に戻ると言います。
二人はバスに乗り、病院に行きます。
受付で医師は帰ったと言われますが、アントワーヌは彼は戻ってくる、待とうと言います。
ベンチに座っていると、医師が車でやって来て…。

監督がアニエス・ヴァルダ。この前観た「顔たち、ところどころ」の可愛いおばあさんです。
彼女ってなかなかアート感溢れる映画を撮るのですね。
どのカットも写真的と言えば言えますね。
パリの街をスタイリッシュに撮った映画で、クレオの心の機微がよくわかる演出でした。

白黒映画も素敵ですね。

「コーヒーをめぐる冒険」を観る2021/03/08

2012年制作のモノクロ・ドイツ映画で原題は「OH BOY」です。
簡単に言えば「俺はコーヒーが飲みたいんだ!」と言う映画です、笑。
(ネタバレあり)


ニコは起きた早々、彼女と喧嘩別れをしてしまいます。
その後、借りたばかりのアパートに荷物を運び込み、シャワーを浴び、ゆっくりするのかと思ったら、手紙を見て慌てて飛び出して行きます。
行った先は運転免許適正診断室。(こんな所、ドイツにあるのね)
情緒が不安定だという理由で、運転免許証は返却されませんでした。
なんてこったとコーヒーショップでコーヒーを飲もうとすると、お金が足りません。「今日だけまけてくれ」と頼んだら、「ホームレスが殺到しちゃうじゃない」と断られます。

キャッシュコーナーでお金を引き出そうとすると、機械にカードが飲み込まれてしまいます。ホームレスのカップからさっき入れたばかりのお金を取り戻そうとすると、女の子に見咎められてしまい、失敗。
父に電話をしますが、留守電なので、折り返し電話をくれとお願いします。

いじけて寝ていると、上階に住んでいるカールが妻の手作りのミートボールを持って来ます。彼は部屋の中に入りたそうだったので中に入れると、段ボールの中身を見て回り、その中にあった元恋人の写真を見つけ、色々と聞いてきます。
そのうち自分の家族の話を始め、ひとしきり泣いてから帰っていきました。
ミートボールをトイレに捨てるニコ。(トイレがつまんないのかしら?)

役者で友人のマッツェから電話がきます。
一緒に散歩に行くと、クソの臭いがすると文句ばかり。
レストランでコーヒーを頼むと、マシンが壊れていると言われ、飲めず。
女の子が話しかけて来ます。なんと彼女は13年ぶりに会う同級生のユリカでした。彼女は肥満児の通う学校に通っていて、ニコのことが好きだったらしいのですが、ニコは彼女のことをいじめ、彼女は自殺未遂までしていたらしいのです。
今夜劇場でパフォーマンスをするから見に来てと誘われます。

マッツェの友人から電話が来たので、撮影現場に会いに行きます。
ナチの将校の衣装で現れる友人。二人は俳優学校で出会ったようです。
そこにあるコーヒーを飲もうとすると、ポットの中は空っぽ。
撮影を見ていると、父から電話が来ます。

父に会いに、ゴルフ場に行くニコ。
どうも父はニコが内緒にしていたことを知ったようです。
実はニコは二年前に大学の法学部を辞めていたのです。
銀行口座は凍結、援助は打ち切り、と宣言され、最後に何枚かの紙幣を寄越し、「これで仕事を探せ」と追い帰えされます。

切符を買おうとすると、機械が壊れていて買えず。
仕方なく切符を買わずに乗っていると、無賃乗車だと思われ、罰金40ユーロを払えと言われ、逃げるニコ。

家に帰ると、マッツェにマルセルの家に連れて行かれます。
何やらやばい商売をしているマルセル。麻薬を売っているのか?
おばあさんがいるので、挨拶し、勧められた椅子に座り音楽を聴いていると、いつのまにか寝てしまうニコ。
(老人に優しい、いい奴か?)

ユリカの劇場に送れていく二人。
入場を断られるが、無理矢理入りこむ。何やら前衛的な舞踏で、笑い出すマッツェ。上演後、演出家や出演者から抗議を受けます。(当たり前よね)
ニコが劇場の外でタバコを吸っていると、ユリカが現れます。
ニコはユリカの勇気をたたえます。
ニコはユリカに言います。
「周りが変に思えて違和感がある。問題なのは他人じゃなくて自分なんだ」
3人の不良がやってきて、ユリカに絡みます。ユリカは彼らを挑発し、ニコは止めようとして殴られてしまいます。
ニコの怪我の治療をするユリカ。
ユリカは昔ニコに言われたことでどれほど傷ついたかを言います。
(ひどいんですよ。「デブリカ」とか「ゾウ女」とか言ってんです)
彼女はその時無視したけど、今はしない。でも心は昔のままの小さくて太っている、惨めな女の子のままだと言います。
いつしかいい感じになる二人。
トイレで行為に及ぼうとしますが、ユリカが変なことを叫び始めたので、ニコは違和感を感じたと言って途中で止めます。

バーでコーヒーを頼みますが、マシンを洗ってしまったと言われ、飲めず。
仕方なくウオッカとビールを頼みます。(変な注文ですね)
そこで老人に絡まれます。彼はヒットラーの頃の話を始めます。
ある夜、窓ガラスに石が投げつけられ、火事が起こった。通りはガラスの破片ばかりで自転車に乗れなくて泣いた…。(水晶の夜のことか?)
彼はバーを出てすぐに通りで倒れてしまいます。
ニコは救急車に乗り、病院まで着いていきます。(ニコっていい奴ね)
病院でコーヒーを飲もうとしますが、マシンが故障していました。
病院のソファで寝ていると起こされ、老人が亡くなったことと彼の名前がフリードリヒだったことを教えられます。

朝の光の中でやっとコーヒーにありつくニコ。
おめでとう。

ニコはモラトリアム期間なのね。
自分が何者か、何者になりたいのかがわからず、悶々と時を費やしているばかり。普通は大学に通いながら考えるのに、ニコは何故か大学を辞めちゃう。
それでいて仕事をするのも嫌だから、親に黙っていて、仕送りはちゃっかりもらっっちゃう。
老人たちへの接し方を見ると、育ちがよさそうですね。身近におじいさんやおばあさんがいたのでしょうね。
なかなか濃い一日でしたが、彼の中の何かが変ったかしら?
ニコ君がこれからどうするのか、ちょっと心配です、笑。

パリと同様にベルリンもモノクロが似合いますね。

読んだ本2021/03/09

とっても寒いニュースが届きました。
BBCの「白鳥救うため、バレリーナが凍った湾の上で「白鳥の湖」舞う 港建設に抗議」というものです。
氷点下15度でチュチュを着て踊ってます。さぞ寒かったでしょうね。絵面的には幻想的でいいですけど。

NYCB(ニューヨーク・シティ・バレエ団)がNYCB Digital Seasonでジョージ・バランシンの「Theme and Variations」を配信してくれています。
興味のある方は是非ご覧下さいませ。



成田名瑠子 『今日は心のおそうじ日和2』
平沢涼子は離婚後実家に戻りましたが、居づらくなったため、家事の能力を生かし、妻と子を亡くした作家・山丘周三郎の家の住み込み家政婦となりました。
それから一年が過ぎましたが、先生は滅多に笑わず、極端に口数が少ない人ですが、涼子たち親子に細やかな心配りをしてくれる優しい人で、思ったよりも先生との暮らしは安らかで心の落ち着くものでした。
しかし、そんな暮らしも終わりになりました。
片瀬結菜という女の子が弟子にしてくれとやって来たのです。
弟子は取らないからと一日だけ泊めてあげたはずなのに、彼女は居座り、先生に取り入り、涼子は自分たち親子の居場所がだんだんとなくなっていくような気がしてきます。
ちょうどそんな頃、実家からお見合いの話がきます。会ってみると、相手は家事好きな男性で、話が合います。心が動く涼子。
自分の悩みで鬱々としていて涼子は気づいていなかったのですが、娘の美空が担任と上手くいっていなかったのです。たまたま山丘が気づき、彼は学校を変ってもいいのではないか、その費用は自分が出すとまで言ってくれます。
結菜は一体なんのために山丘のところにやって来たのか。
涼子はどうするのか。

山丘先生、口数が少なく誤解されがちですが、実にいい人です。
そうそう猫のコヨーテが可愛いです♡。

柳美里 『JR上野駅公園口』
全米図書賞受賞作品というので読んでみました。
福島県相馬郡出身の男性が、世間が東京オリンピックで浮かれている時に、出稼ぎ労働者として上京します。これからという時に息子が死んでしまい、妻と二人で老後をという時に妻が死に、姪の世話になるのも心苦しくて上京したのですが、ホームレスになるしかなかったという、悲惨な男性の生涯を描いた作品です。
日本の高度成長期を担ったのが彼のような人たちですね。
最後の津波の描写は必要かな?と思いました。

高田在子 『まんぷく旅籠 朝日屋 ぱりとろ秋の包み揚げ』
親を亡くし、長屋からも追い出しをくらい、行く当てのないちはるの所に借金取りがやってきます。
ちはるの両親は夕凪亭という料理屋をしていましたが、久馬という男に騙され、店を乗っ取られ、心労が重なり、亡くなったのです。
借金取りはちはるに金を返すように脅しをかけてきましたが、死んだ父から聞かされていた火付盗賊改の宮藤怜治が現れ、借金の肩代わりをしてくれます。そのかわりにちはるは先月できたばかりの旅籠・朝日屋の調理場で働くことになります。
旅籠だけど料理がうまく、泊まらなくても料理を食べられるというのがコンセプト。上手くいくのでしょうか?

ちはるが夕凪亭を再開するまでのシリーズ物かな?

中島久枝『かなたの雲 日本橋牡丹堂菓子ばなし七』
小萩はお菓子が好きで、自分で作ってみたいと鎌倉から江戸に出てきて、日本橋の二十一屋で働いて三年になります。
お客の注文に応じてお菓子を考案する<小萩庵>にもお客が来るようになってきました。
そんなある日、鎌倉のおじいちゃんが寝込んだという知らせが来たので、心配な小萩は見舞いに行くことにします。家に帰ると、おじいちゃんは元気そう。
さて、何で小萩は呼ばれたのでしょうか?
そんな頃、小萩の思い人の伊佐の様子が変です。仕事の合間にどこかに行っているようです。そっと伊佐の後を着いていってみると、病に倒れた母親が身を寄せる寺に行っているのでした。幼い伊佐を捨てた親なのに…と小萩は納得がいきません。伊佐は頑なに助けを拒みますが、店のみんなは彼のために奔走します。

なかなか小萩は人の心がわからず、自分の思いで動いてしまいますねぇ。
苦労知らずだからでしょうね。でもそれは彼女の良いところ。めげずに頑張れ!
伊佐に思いを告げましたが、どうなるのかしら?次回に期待しましょう。

どれもすぐに読める作品です。



クリスマスローズがなかなか咲かないと思っていたら、やっと咲きました。
年々数が少なくなるようです。
肥料とか必要なのかしら?庭は勝手にいじっちゃ駄目なので、どうしようか考え中です。

アン・クリーヴス 『大鴉の啼く冬』2021/03/10

シェットランド諸島を舞台にした、ジミー・ペレス警部が活躍するミステリー・シリーズで全8巻。
5巻から7巻は電子書籍で発売されていたので読んでしまったので、1巻から4巻を取り寄せて読み始めました。
1巻から4巻をまとめて<シェットランド四重奏>と言うのだそうです。
翻訳者後書きによると、シェットランド諸島は「海岸線にはフィヨルドが重なり、一年じゅう吹き荒れる強風のために樹木や農作物がほとんど育たず、羊と海鳥にあふれた荒涼たる地」で、人口がわずか2万2千人。
「誰もが知り合いという濃密な人間関係故に、ちょっとした行き違いから、それまで無意識のうちに封印してきた怨嗟や嫉妬、そして欲望といった情念が噴出し、殺人へと至る」そうですが、これはシェットランド諸島特有というわけではなく、どんな小さな町でも起こりうることで、日本では古くは横溝正史の『八つ墓村』とか『犬神家の一族』なんかの世界ですね。
さて、どんな事件が起こるのでしょうか。


新年から五日目の朝、真っ赤なマフラーで首を絞められた少女の死体が見つかる。
少女はキャサリン・ロスといい、16歳でアンダーソン高校に通っていた。
母親の死後、学校の教師をしている父親と本土から越してきて、二人暮らしをしていた。父親は長患いだった妻の死をまだ乗り越えられず、娘に好きなようにさせていたようだ。
彼女を見つけたのは、フラン・ハンターで、彼女は遺体を見つける前日に、キャサリンがバスから降り、ヒルヘッドに住んでいる変った老人のマグナス・テイトと一緒に歩いて行くのを見たそうだ。

シェットランド署の警部・ジミー・ペレスはインヴァネスから捜査班が来る前に聞き取りを始める。
誰もがマグナスがやったと思っていた。
8年前にも同じような事件があった。
カトリオナという少女がいなくなり、彼女が最後に訪れたのがマグナスの家だったので、知的障害のある彼が怪しいと思われ、尋問するが、その時に警官が彼に暴力行為を行ったことと、証拠が見つからなかったため、彼は逮捕されなかった。
キャサリンの死がカトリオナの失踪と関係しているのか…。

そんなある日、フランが犬を連れて散歩している時に、泥炭に埋まっている子供の靴と洋服を見つける。
そこにいなくなったカトリオナが生きていた頃と同じ状態で埋まっていた。
マグナスは話を聞きに来たペレスにカトリオナのリボンを見せる。

キャサリンを殺したのはマグナスなのか?
ペレスは確信が持てず、関係者から話を聞き続けていく。
その中でキャサリンが映画を撮っていたことをつきとめるが、ビデオカメラもディスクも見当たらない。
彼女が撮っていたものと殺人に関係があるのではないかと思うペレス。

アップ・ヘリー・アーの日に、フランの娘のキャシーがいなくなる…。
(アップ・ヘリー・アー:1月最後の火曜日に行われるヨーロッパ最大のバイキングの火祭り)

ジミー・ペレスはフェア島出身。フェア島はシェットランド本島から郵便船で三時間もかかる地の果ての島です。(北ではなく南にポツンとある島です)
彼は祖先がスペイン人なので、黒髪、鉤鼻で、シェットランド人とはまるで違った風貌です。
12歳でラーウィック(シェットランド本島の大都市)で寄宿寮生活を始め、スコットランドのアバディーン警察に勤務し、離婚を機にシェットランド署にきました。
シェットランド人とはいえ、異質なタイプです。
彼の捜査方法は特別なものではありません。話をするだけです。
一見愚鈍に見えますが、彼は頭の中で色々と繋がりを考えていて、おかしいと思ったら質問をし、また考え、そのうち矛盾点を見つけだし、また質問し…。そうしているうちに犯人を突き止めるんです。誰でもペレス相手だと話してしまうんです。
人に話をしたくなるような雰囲気を持っているということは、ペレスの美点の一つですね。

私は誰もが互いに知っている閉ざされた土地に住むよりも、少しでもプライバシーが保てる大きな町に住む方がいいなと思いました、笑。