読んだ本2021/04/27

本が溜まってきたので、一遍に紹介します。


ペネロピ・フィッツジェラルド 『ブックショップ』
映画「マイ・ブックショップ」の原作本。細かな点で違っているところもありましたが、ほぼ映画と同じ内容です。
大きな違いはクリスティーン。私は映画の彼女の方が好きです。
本には『ロリータ』は出てきましたが、ブラッドベリーは出てきませんでした。

”人間は絶滅させる者とさせられる者に分かれている、いかなるときも前者のほうが優勢だ”

この言葉の通りにフローレンスはなってしまいましたが、現実ではどうでしょうね。願わくは、絶滅させる者とならないことを…。

佐藤青南 『白バイガール フルスロットル』
神奈川県の白バイ隊員・本田木乃美は全国白バイ競技会へ出場することになりました。彼女の目標は箱根駅伝の先導で、目標に一歩近づけました。
茨城県ひたちなか市、自動車安全運転センター安全運転中央研修所で、全国白バイ安全運転競技会に出場予定の関東七都県から集まった交通機動隊員たちが合同訓練を行っていました。木乃美は誰とでも仲良くなれるという性格なので、ライバルなのにみんなと仲良くなっていきます。
そんな頃、優勝候補の他県の女性白バイ隊員たちが次々と猫をよけようとしてハンドル操作を誤り事故を起こし、負傷していきます。不審に思った木乃美は仲間の助けを借り、調べることにします。
同じ頃、横浜市内で椿山組と『凶龍』との抗争が勃発。椿山組を除名された三人が怪しい動きをしています。彼らの狙いは…?

完結篇なので、もう白バイ隊員たちに会えなくなりますが、番外篇希望します。

喜多みどり 『弁当屋さんのおもてなし しあわせ宅配篇2』
「くま弁」で宅配のバイトをしている雪緒のお話4つ。
第一話:突然弟の薫が雪緒のところにやってきます。雪緒に今の仕事のことを色々と聞いてきますが、何かある様子。心配して電話をしてきた叔父によると、バイトをしている叔父の店でミスをし、それから仕事に来ていないとのこと。さて、どうしたらいいものか…。
第二話:常連の黒川の娘、茜が夏休みで帰省してきます。いつもは休む「くま弁」ですが、今年はユウが仕事を入れています。一緒に過ごせなくて寂しく思っている千春に雪緒と茜がお節介をします。
第三話:常連さんからの不思議なお届けもののお話。墓地までおはぎを持って行って、幽霊に渡して欲しいと言うのですが…。
第四話:急に雪緒が前の会社を辞めるきっかけになった猪笹美月が電話をしてきます。彼女のことがずっと気になっていた雪緒。会って話すと元気そうでしたが、雪緒の仕事のことを聞くと美月は…。

仕事には貴賤はないとは言うけれど、世間一般の見方は変りません。
雪緒はどうやってそんな人たちの気持ちを変えっていったのでしょうか。

青山美智子 『鎌倉うずまき案内所』
出てくる人たちが次々と関わっていきますので、年表を書きたくなりますが、心配しないで下さい。後ろに年表があります。平成元年から平成31年まで、いろいろありましたね。最初は何だこれ、と思いましたが、ぐるぐるしたら、もう一回したくなりました。
こんな変った案内所があったら、私も行きたいですわ、笑。

佐伯泰英 『初詣で 照降町四季1』
18歳の時に男と駆け落ちをした佳乃が三年ぶりに照降町に戻ってきました。
実家は鼻緒屋。父親は病に伏せっており、脱藩武士の八頭司周五郎が奉公人として働いています。
佳乃は父親の代わりに職人として働くことになりますが、昔取った杵柄で、腕は鈍っていませんでした。
彼女の選ぶ鼻緒の斬新さもあり、老舗の下駄問屋・宮田屋にも認められていき、次々と仕事を頼まれます。
しかしそんな佳乃を追って、駆け落ち相手の三郎次がやってきます。

江戸時代に女の職人が結構いたのですね。
三郎次のことにけりがついたので、次からは八頭司のことがメインになるのでしょうね。四月から四ヶ月連続刊行だそうで、佐伯さんは多作な作家さんなのですね。

高野結史 『臨床法医学者・真壁天 秘密基地の首吊り死体』
第19回「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉だそうです。大賞を取ったのは『元彼の遺言状』です。

法医学者の真壁天は函館医大法医学教室の助教です。人と接するよりは死体を解剖する方がいいという変った人です。それなのに教授が彼に児童虐待を鑑定する仕事を押しつけてきました。彼の鑑定は的確なので、当てにされてしまい、抜け出せません。
しかし、しばらくして彼が子どもの虐待を指摘した親たちが次々と首吊り死体になって殺されていきます。その状態は彼が小学校の時に見た親友の首吊り死体と似ていました…。

なんかあっけなく読み終わってしまいました。
真壁のキャラが面白いので、シリーズ化してもよさそうですね。

平居紀一 『甘美なる誘拐』
こっちは第19回「このミステリーがすごい!」大賞・文庫グランプリ受賞作品。
色々と賞があるんですね。知りませんでした。

市岡真二と草塩悠人はヤクザの使い走りをやっていました。
上司の荒木田はセコく、人使いの荒い奴です。宝くじを買いに行かされ、やりたくもない地上げ屋の真似をさせられ、パーティ券のノルマを押しつけられ…。このために借金までしなくてはならず、まずいことに行ったら金貸しの爺さんが死んでいたりしました。
ある日、彼らは荒木田から宗教団体・ニルヴァーナの教祖の孫娘を誘拐するという仕事を押しつけられます。

地上げされそうな植草部品がどこに関係するのかと思ってたら、そこかという感じでした。
騙された感はありますが、ミステリーとしてはそこそこです。

桜木紫乃 『いつかあなたをわすれても』


桜木さんはこう言っています。

母が、私の名前を忘れていることに気づいたとき、実はあまり悲しくなかったんです。おおそうか、とうとうきたか、という感じでした
(中略)
「おかあさん、わたしをわすれていいよ。わすれたほうが、さびしくないから。わすれたほうが、こわくないから」この言葉を、気持ちを、母に手渡したい。
その気持ちが、絵本というかたちになりました。

とっても素敵な絵と文です。
母の日に、大人になった女性に読んでもらいたい絵本です。


今週のおやつ。


可愛らしいプティ・フールです。
両側にあるソフトクッキーサンドの中にクリームが入っていて美味しいです。