西條奈加 『亥子ころころ』2021/07/20

『まるまるの鞠(いが)』の続編です。


「南星屋」は元武家出身の菓子職人・治兵衛と出戻り娘のお永、孫娘のお君の三人で営む店です。
全国各地の銘菓を季節ごとに、仕入れや天気、気分次第で毎日二種作り、販売しています。値段が手頃で美味しいので、大層賑わっており、すぐに売り切れになります。

そんな「南星屋」に一大事。治兵衛が手を痛めてしまったのです。
菓子を二種作っていたのを一種にし、片手で仕上げられるものばかり選びましたが、それをいつまでも続けてはいけません。
医者の見立てではへたをすると半年もかかるかもしれないとのこと。
職人を雇うと儲けどころか足がでます。
どうしようかと困っているところに、地獄で仏とはよく言ったもんで、店の前に男が行き倒れており、雲平というその男が菓子職人だったのです。

雲平は京からやって来たらしいのですが、元は治兵衛のような渡り職人でした。
番長にある旗本屋敷に奉公している弟分の亥之吉からの便りが半年ほど前に途絶えたのを心配して、駆けつけてきたのです。
旗本屋敷に行ってみると、亥之吉は屋敷を出て行方不明とのこと。
治兵衛は雲平のために、弟の相乗寺の元住職である五郎に旗本屋敷のことを探ってもらうことにします。
亥之吉のことがわかるまで、雲平は店で働いてくれることになります。
雲平は立派な職人で、いつしか治兵衛は彼と一緒に働くことで職人としての矜恃を思い出していました。

美味しそうなお菓子と人情溢れるお話です。
続編はあるのかしら?
できればお永とお君の二人が幸せになって終わって欲しいですね。
ほんわかした時代小説がお好みならおすすめです。


また弟が兄が部屋から出ようとしていますと教えてくれていましたが、出られないと思ってほっておくと、何やら爪の音が聞こえます。


まさかと思って見に行くと、兄がリビングにいます。
どうやって部屋から逃げ出したのか、わかりません。
置いてあった荷物の上になんとか飛び乗り、部屋から出たのかしら?
ママ会いたさに、すごい根性です。

昨日もパパがハウスと言っても動かず、ママの指示を待っていました。
家の順位はママ→兄→パパ→弟なのかな。
パパと弟の順位がどうなのか、ちょっとあやふやですが、笑。