「シンク・オア・スイム イチがバチか俺たちの夢」を観る2021/07/25

オリンピックということで、シンクロナイズドスイミング、正式にはアーティスティックスイミングでしたっけ、のお話の映画を紹介しましょう。(特にオリンピックとは関係ないのですけど)
むさ苦しいオヤジたちの裸をお楽しみください、笑。

フランスのコメディ映画で、題名は「Le Grand Bain」で、直訳すると「大きなお風呂」ですが、「大人用プール」という意味で、「成長する」という意味合いで文章の中で使われることもあるそうです。
英語では「synchronized」の「sync」を「sink」にかけて、「sink or swim」で「一か八か」という意味にしたようです。
(ネタバレあり)


ベルトランは2年前からうつ病になり、それから引きこもり生活をしています。
コーンフレークに薬を入れて食べ、ゲームをし、そして自転車に乗り、仕事の面接に行きますが、見事撃沈。妻がいい人で、優しく夫を慰めています。

そんなベルトランがプールの壁に貼ってある男子シンクロナイズドスイミングのメンバー募集の張り紙を見つけ、思わず連絡先の紙を引きちぎります。
面接ではコーチのデルフィーヌには強い意志がなければシンクロはできないと言われますが、何しろ人数が足りないので喜んでシンクロメンバーに迎えられます。

シンクロメンバーたち、それぞれが家庭や仕事、将来などに不安を抱えています。
ティエリーはプールの用務員ですが、内気な性格ゆえ、使用者の横暴な態度を注意することができません。閉館時間だから早く帰ってくれと言っても無視され、この前なんかプールに突き落とされました。
ロランは激高しやすい性格で、いつもみんなにヘタクソとかまともに練習をしたいとか文句ばかり言っています。母や妻から邪険に扱われています。
シモンは売れないミュージシャンで、大きな夢を追ってキャンピングカーで暮らしています。娘の学校で給食のおじさんやってます。娘に誕生日プレゼントをあげますが、冷たくされます。
マルキュスは次々と会社を倒産させる男で、今度のプール販売会社も倒産の危機で、社員に4ヶ月も給料を払っていません。
ジョンは老人ホームの介護士で、ロランの母親が彼の施設に入居しています。
バジルは家のローンで悩んでいます。
後でスリランカ人のアヴァニシュも加入します。
コーチのデルフィーヌはシンクロの選手でしたが、デユットのパートナーが怪我をして引退。それから酒びたりになってアルコール依存症になってしまい、禁酒会に通っています。男に助けられたと言いますが、この男もいい加減な奴でした。

こんな素人に毛が生えたようなメンバーたちが、ネットで見つけた世界選手権にフランス代表としてエントリーします。

世界選手権に向かい、練習に励むメンバーでしたが、しばらくしてコーチのデルフィーヌが来なくなります。
代わりにコーチになったのが、車椅子のアマンダでした。
彼女はものすごいスパルタ式トレーニングをやります。殴るわ、蹴るわ、怒鳴るわ…。
始めは頑張ってついていっていたメンバーですが、だんだんと疲れが溜まっていって、アマンダをどうやって殺してやろうかとまで妄想して・・・とうとう爆発。
アマンダをプールに投げ込んでしまいます。
アマンダの仕返しが怖い。2時間サウナに閉じ込めるというサディスティックな拷問でした、笑。
さて、世界選手権はどうなるのでしょうか。

この映画はスウェーデンの男子シンクロチームの実話を基にして作られたそうです。
出てくるオヤジたちが有名人だそうですが、私にはわかりません。
だってみんなお腹が出ていてスタイルが今一なんですもの(失礼)。
日本の「ウオーターボーイズ」は観ていませんが、この作品は酸いも甘いも噛み分けた大人のシンクロのお話です。
お暇な時にフランスのちょっと変ったコメディを観てみてください。