ローラ・チャイルズ 『スパイシーな夜食には早すぎる』2021/08/16

「卵とカフェ」シリーズの九作目です。


結婚式まで後二ヶ月。
スザンヌは婚約者で医師のサムのところへ夜食を届けに行き、とんでもない事件に巻き込まれることになります。
病院で襲撃犯と遭遇してしまったのです。
とっさに持っていたチリコンカンの入った保温ボトルを襲撃者めがけて投げつけ、難を逃れますが、犯人は忽然と消えてしまいます。
その後も病院や薬局が狙われ、薬品が強奪されるという事件が相次いで起こります。

出来るだけ事件には首を突っ込まないようにしていたスザンヌですが、親友でカックルベリー・クラブの共同経営者でもあるトニの別居中の夫・ジュニアから古い農場を改装して共同の施設を作り、自給自足の生活を送っているサバイバリストたちのことを聞き、ウズウズしてきます。
トニもスザンヌが事件にかかわることを期待していました。だってスザンヌと一緒に彼女も捜査に参加したいのですもの。
サムはスザンヌのことが心配で、事件にかかわることに反対しています。
しかしスザンヌはトニにのせられ、二人で捜査まがいのことをしてしまいます…。

カックルベリー・クラブも朝食以外にお茶会やディナーをするようになったようです。作者のローラ・チャイルズは「お茶と探偵」シリーズも書いていますから、お手のものでしょうね。
どんな料理が出てきたのか、ご覧ください。

「園芸クラブのお茶会」
琥珀色の烏龍茶、バラ色のルイボス・ティー。
ピスタチオ入りのクリームスコーン。
アボカドと卵のサラダのサンドイッチと生ハムとリンゴの薄切り、ブリーチーズのサンドイッチ、蟹のサラダにアクセントとしてクランベリーとクルミを加えたサンドイッチ。
チョコレートのクランブルケーキとチョコレートガナッシュを会わせたコーンアイスのケーキ。

「プティ・パリ・グルメ・ディナー」
アミューズ・ブーシェ:エッグ・シューター。
前菜:かもの手羽肉のオレンジソースにシェリービネガーであえたベビーリーフのサラダ。
メインディッシュ:こぶりのヒレ肉に野生のアミガサタケを使ったソース。付け合わせがパルメザンチーズをたっぷりまぶしたポムフリット。
デザート:桃とアーモンドのタルトとエスプレッソ。
フランス産赤ワイン、ステファン・アヴィロン・ボージョレ・ヴィラージュ。
カリフォルニア産ソーヴィニヨン・ブラン。

鴨肉と牛肉では肉かぶりでちょっと重くないでしょうか。前菜は魚系の方がいいような気がしますが、アメリカ人は生魚をあまり食べないから無理でしょうね。
コーンアイスのケーキが食べたいです(涎)。

今回はトニが暴走気味で、それにスザンヌがのせられ、住居侵入まがいのことをしちゃいます。そのせいで、えらい迷惑を被る人が出てきます。それなのに二人は反省していないみたいです。
サムもこんな人が妻なんて、これからも大変でしょうね。

どんなに主人公がやり過ぎても、美味しいお料理が出てくれば許せるのがコージー・ミステリー(だよね)。
次はスザンヌの結婚式の様子が楽しみです。
結婚するわよね…?