「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」を観る2021/08/24

アメリカ、ジョージア州サバンナ郊外の川の景色が美しい映画です。
(メタバレあり)


ダウン症のザックは家族がいないため、若いのに老人福祉施設に入れられていました。
彼の夢はプロレスラーのソルトウォーター・レッドネックのプロレス学校に入ることです。彼のビデオを毎日何十回も観ています。

ある日、プロレス学校に行くために老婦人ローズマリーの助けを借り、ザックは施設を脱走しますが、捕まってしまいます。
1回の脱走は特典なしになりますが、2回脱走すると危険人物と見なされます。
しかしザックは諦めません。
今度は友人のカールの助けを借り、体にソープを塗りたくり、窓から脱走を図ります。

パンツ一丁で走るザック。川に辿り着き、見つからないようにボートの中に隠れます。
そこにタイラーが来ます。彼は無免許なのに蟹を捕っていたので、それを知ったダンカンに責められ、殴られていました。
その後一人になったタイラーは網や桟橋に油を巻、火を付けザックの乗っていたボートに乗り逃げ出します。
気づいたタイラーが追ってきます。
エンジンを止め、隠れるタイラーでしたが、気分が悪くなったザックは吐きそうになり、タイラーに見つかってしまいます。
あわててタイラーはザックの口をふさぎます。
やがてダンカンは諦めて戻っていきました。

その頃、施設の看護師のエレノアは施設長に呼び出されていました。
州にこのことを報告したくないので、サッサとザックを連れ戻すようにと命令されます。
エレノアはザックの観ていたビデオを観て、プロレス学校のことを知ります。

ザックはタイラーから不法侵入だと言われ追い出されますが、ボートを乗り捨て歩き始めたタイラーの後についていきます。
タイラーは適当なところでザックと別れ、ヒッチハイクをしますが、ドライバーから検問所のことを聞きまずいと思い、忘れ物をしたと言ってトラックから降ります。
ザックと別れた場所まで戻ると、ザックは泳げないのにジャンプ台にいました。
男の子から突き落とされるザック。タイラーは彼が泳げないと言っていたことを思い出し、助けに行きます。
考え直したタイラーはザックをプロレス学校まで連れて行くことにします。

とうもろこし畑を歩いていると、ザックは足が痛いと言い出します。
タイラーは敵を作ったことがないかと聞くと、ザックは昨夜作ったと応えます。
それなら道路は歩けないだろうと言ってザックをなだめます。

スーパーで買い物をしようとしますが、お金がないので、ピーナッツバターと安い酒を買おうとしますが、店主が何を思ったのか自家製の酒をくれます。
そこにエレノアがやってきて、ザックの写真を見せて彼を見なかったかときいてきます。どうしたのかと聞くと、施設から逃げ出したとのこと。
タイラーは知らないと応え、電話番号を聞こうとしますが断られます。

タイラーとザックは無法者同士、仲良くしようぜという感じになります。
タイラーはザックにルールを説明します。
ルール1:俺に遅れるな
ルール2:指揮は俺、荷物は交代で持つ
二人はダチの握手の仕方を考え、クソヤバイ時だけ使うことにします。

タイラーはザックに泳ぎやショットガンの撃ち方を教えます。
プロレスラーになりたいというザックの夢を聞き、歩きながらトレーニングをすることにします。

捨ててあったボートを見つけ、使えそうだと思って手を出すと、黒人の老人がピストルを持って出てきました。彼はジャスパーと言い、どうも目が見えないみたいです。なんとか彼に信用してもらい、一緒にビールを飲むことになります。
彼は不思議な人で、ザックに洗礼をしてやると言うのです。
そしてボート以外のものをくれるというので、二人は筏を作ることにします。

筏で旅だつ二人。
いつしかタイラーは亡くなった兄のことを思い出していました。

ザックは足首を痛めてしまいます。タイラーは彼に酒を飲ませ、浜辺でパーティを始めます。酔っ払って騒ぎまくる二人。
ザックにリングネームを付けてみろというと、ザックは顔にピーナッツバターを塗りつけて「ピーナッツバター・ファルコン」と叫びます。

翌朝、エレノアが二人を発見します。
彼女は嘘をついたタイラーにダウン症の子を連れ回し、一体どういうつもり。誘拐罪で逮捕させるわ」と怒りをぶつけます。
タイラーは「彼の夢を応援する。エイデンまで送る。一緒に行こう」とエレノアを誘います。
ザックはソルトウォーター・レッドネックのプロレス学校に入るのだから、施設には帰らないと言います。
エレノアとタイラーが言い争っている時に、なんとザックは車のキーを海に捨ててしまいます。
仕方なく筏に乗るエレノア。
エレノアは色々とザックの面倒をみようとしますが、それを見たタイラーは止めます。また言い争う二人。
その時ザックが手で魚を捕らえます。

魚を食べ、楽しく遊ぶ三人。
夜、寝ていると、筏が燃やされています。
ダンカンが現れ、「被害総額は1万2千ドルで廃業の危機だ。左手が右手のどちらかを撃つぞ」と言っている時に、ザックがショットガンを持って現れます。
驚いたダンカンは「金は返せ」と言い捨てて去って行きます。

エレノアが電話で施設長にザックが見つかったことを告げると、ザックが薬物依存者や売春婦が送られる別の施設に入れられることがわかります。

やっとソルトウォーター・レッドネックのプロレス学校がある町に辿り着きます。
ウエイトレスに住所を教えてもらい行ってみると…。

「友だちっていうのは、自分で選べる家族だ」という言葉がいいですね。
ザックとタイラー、エレノアは最終的にいい友だち、家族になります。
マーク・トウェインの描いたミシシッピー川を思い出させられる映画です。
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