岩木一麻 『がん消滅の罠 暗殺腫瘍』2021/09/10

イグ・ノーベル賞(人びとを笑わせ、考えさせた研究や業績に贈る賞)の動力学賞を日本人研究者が受賞しました。日本人が受賞するのは15年連続とか。
色々な研究があって、面白いですよね。
イグ・ノーベル賞の世界展」というのを福岡市でやっているようです。



『がん消滅の罠 完全寛解の謎』の続編です。

築地がんセンターの呼吸器内科医師・夏目典明のところに大手保険会社、大日本生命の調査部課長職の森川雄一が部下の水嶋瑠璃子を連れてやって来ます。
住宅ローンのがん団信を利用した保険金詐欺が相次いで起っているというのです。
約1億円の物件で住宅ローンを組んだあと、がんと診断されるケースが5件。
5件ともローンを組んでから1年以内にメラノーマに罹ったというのです。
がん団信の場合、余命診断は必要なく、特定の条件さえ満たせば、がんと診断されただけで未支払い分の住宅ローン支払い義務がなくなるのです。

そんな頃、埼玉県内では医師殺人事件が2件連続して起っていました。
殺された医師は代替医療に何らかの点で関係していました。

夏目のところに埼玉県警の刑事がやってきて、がんを人工的に発生させることができるかと聞いてきます。
ある国会議員に脅迫状が届き、その中で言うことを聞かないとがんで命を落とすことになると書いてあったと言うのです。
同じ時期に無色素性メラノーマが肺転移した患者がやってきます。
彼は健康食品会社を経営しており、国会議員と同じように脅迫を受けていたと言います。
それからすぐに国会議員が無色素性メラノーマに罹り、肺にも転移していることがわかります。
夏目はがんセンターの研究所に勤めている羽鳥悠馬の助けをかり、2人の無色素性メラノーマのDNA型鑑定をすることにします。
そしてわかったことは、2人のメラノーマは他人の細胞ががん化したものでした。

保険金詐欺と医師殺害、そして人工的がんの発生。
この3つがどう関係していくのでしょうか…。

本当にこういうことができるようになると、恐ろしいですね。
事件の黒幕は誰かは最初からわかってしまいますけど、笑。
「当たり前のことを、きちんとこなしている」いい医師である夏目がなんでいつも絶体絶命の危機に陥るのか。悪に染まらない夏目に嫉妬しているのかもね、笑。
前回のあの方が今後どう動くのか、ちょっと不気味です。
次作で暴れてくれる(たぶん)のが楽しみです。

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