マイクル・コナリー 『鬼火』2021/11/14

ハリー・ボッシュ・シリーズ。ボッシュは69歳になりました。
今回もレネイ・バラードと二人で事件に挑みます。


ボッシュは6週間前に痛めた膝の人口関節置換手術を行ったため、杖をついて歩いています。その上、昔の事件のせいで、生命に関わる病気も発症し、健康面で心配なボッシュです。

ジョン・ジャック・トンプスンはロサンジェルス市警に四十年以上奉職し、おおぜいの悪人を捕らえ、その方法を何世代もの刑事に教えてきました。
彼の教え子の一人がボッシュでした。
ジョン・ジャックが亡くなり、葬儀に参列していたボッシュに未亡人のマーガレットが話しかけてきました。
ジョン・ジャックに頼まれた渡す物があるというのです。
渡されたのは八センチほどの厚さのある一冊の殺人事件調書でした。
それは1990年に起った元服役囚で麻薬中毒者のジョン・ヒルトンがハリウッドの路地裏で停まっていた車の中で撃たれて亡くなっていたという未解決事件のものでした。
おかしなことにジョン・ジャックはこの事件の担当ではありませんでした。
何故彼はこの調書を自宅に持ち帰っていたのか…。

その頃バラードはテント暮らしのホームレス男性の焼死事件に関わっていました。
ボッシュとバラードはいっしょに事件に取り組むという取り決めをしていたため、ジョン・ジャックに託された未解決事件をいっしょに調べていくことにします。

一方、ボッシュはマイクル・ハラーに会いに行った時にたまたま傍聴した裁判の何かが気になりました。
ハラーは上級裁判事ウォルター・モンゴメリーを裁判所近くの公園で刺殺したという容疑のジェフリー・ハーシュタットの弁護をしていたのです。
現場に残されていたDNAがハーシュタットのものと一致しただけではなく、彼はみずから進んで殺害を自白していました。
気になるとほっておけないボッシュは、期せずしてモンゴメリー判事殺人事件にも関わることとなります。

何歳になろうが、ボッシュには「引退」という言葉はないんですね。
「どの事件も個人的なものとして捉える」というジョン・ジャックが教えてくれたルールを忠実に守っているボッシュ。
今回のことが彼に影響を与えないといいのですが。

バラードは睡眠時間2~3時間という生活を毎日続けています。
それも浜辺のテントが彼女の部屋で、そこで寝ているのです。
ボッシュは心配して寝ろと言いますが、バラードにうざがられ、寝ろとは言わないという約束をさせられてしまいます。
最後にボッシュはとうとう彼女のおじさんということになってしまいますが、ボッシュが祖父でもいいよというところが二人の仲の良さがわかり、いいですね、笑。
このまましばらくはバラードとの二人三脚が続き、最後はバラードへとバトンは渡されるのでしょうか。それとも娘のマディが跡を継ぐのかな?

あらすじには関係ないですけど、ボッシュが葬儀に持って行ったチェリーパイが気になりました。


夫のランチのために、この頃はパン屋のパンを頼んでいます。


かわいいハガキにメッセージが書いてありました。
サンドイッチを作りたいので、食パンや甘くないパンが欲しいのですが、好きなパンを選べないのが残念です。

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