村山早紀 『桜風堂夢ものがたり』2022/02/07



やっと梅の花が咲き始めました。


兄犬はお年なのか、散歩も20分を越すと足取りがゆっくりになります。
昨日は足の裏が痛いという仕草をしたので、抱いて帰りました。
だんだんと犬も人間も年を取ってきました。



今回の桜風堂のお話はファンタジー色の強いものです。
あとがきによると、桜風堂物語はもともとこんな風に描きたかったようです。
四編の心暖まるお話です。

第一話:「秋の怪談」
楓太が冒険をしようと言い出します。大人に内緒でハロウィーンの夜に『森の幽霊屋敷』に行ってみようと言うのです。
透も音哉も楓太を止められず、一緒に行くことにします。

第二話:「夏の迷子」
一整の元上司、銀河堂書店の店長・柳田は、桜風堂書店を訪ねてきました。
一整の申し出を断り、一人で歩き出したのはいいのですが、帰り道で迷ってしまいます。遭難しかかり、思い出すのは貸本屋のの猫田のおじさんといとこの美保、そして死んでしまった子猫のことでした。

第三話:「子狐の手紙」
一整の元同僚、三神渚砂はたまたま三日続けて休みが取れたので、桜風堂に行こうと思いました。店長が遭難したと聞き、私はそんなことないわと思っていたら、意外と駅からの三十分が遠く、荷物が重く、涙がこぼれた時に、聞こえてきたのは、懐かしい声でした…。

第四話:「灯台守」
叔母から送られてきた一冊のアルバム。その中には亡くなった父と母、姉の写真がありました。
一整は子どものまま死んでしまった、本が好きだった姉が喜んでくれるような棚をつくろうとしていました。
父は幼い彼に「世界の片隅に小さな灯りを灯すようなひとになってほしい」と願っていました。
猫のアリスは桜風堂に人間には見えない「お客様」がいるのに気づいていました。

桜風堂の続きのお話が読めるかと思って手に取ったのですが、違ったのでちょっと残念でした。
村山さんによると桜風堂のお話は完結しているそうなので、これからは番外編を書いていくようです。
桜野町は「お伽噺と伝説が息づいている」、「魔法の世界に近いような、そんな場所」。
柳田國男が書いた『遠野物語』のようなお話がこれから書かれていくのでしょうね。

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