テレビドラマ版「マメシバ一郎」を観る2022/02/12

「幼獣マメシバ」の続きです。
芝二郎は37歳になり、「幼獣マメシバ」の最後にお母さんとアルゼンチンまで行ったはずなのに、何故かまた引き籠もっています。
お母さんはアフリカで働いているようです。ボランティアしているのかな?


引き籠もり中の芝二郎は相変わらずうまい棒を食べる毎日。
ブログ書きの他にビデオ制作を始めたようです。

母の鞠子は二郎のリハビリのために、また何やら画策した模様です。
今度は「お小遣い帳を毎日つけること」、「何かお手伝いをすること」、「この2つのことをしないと一日1000円の仕送りはなし」とのこと。
二郎は一日1000円じゃ足りないと不満タラタラです。
それでも何もやらないので、終いには電気・ガス・水道が止められてしまいます。
二郎、考えました。叔父さんの家のポストに督促状を入れ、払ってもらおうと。
叔母さんはカンカンになって怒り、督促状を突っ返します。
それで二郎は勝手におばさん家の外にあるコンセントと水道の栓を使い始めます。
叔母さんはさる者、すぐに気づいて使えないようにします。

そんな頃、二郎のところに一人の女性がやって来ます。
犬嫌いなのに、何故か犬のボランティアをしている北条由紀です。
母の鞠子とボツワナで出逢い、二郎のことを頼まれたそうで、二郎がビデオ編集ができると聞いたので、里親募集の犬のビデオを撮って欲しいというのです。
これが鞠子の言うお手伝いではないかと言うべーちゃん。
二郎は生活費のためにしぶしぶビデオ撮りをします。

由紀は次々と犬を連れてやって来ます。
二郎のPVは好評で、里親が次々と見つかりますが…。

前回のヒロインの巻可蓮もそうでしたが、今回の北条由紀も変な女性ですね。
海外、それも特に大変な国にボランティアで行くらしいですけど、あの性格で大丈夫かと言いたくなりました。

色々と犬が出てきますが、その中で盲導犬ライラのお話が一番好きです。
ライラと飼い主さんのおかげで二郎は一郎がかけがいのない存在であることに気づきます。
最後に二郎がやっと働こうかなと思い始めます。
鞠子に「働くって大変?」て聞くんですよ。
鞠子は「働くのは大変だけど、いいこともあるかもね」って優しく答えています。
散歩中に自信のない二郎は一郎に「雇ってくれないか、普通」と聞くのですが、一郎君、同意しちゃダメよwww。

それにしても出演している犬たちは大人しいですね。
まったく吠えませんし、チョロチョロしません。さすが躾がいいです。
このドラマを観て、犬を飼うのが簡単だと思わない方がいいですよ。
家の犬たちのように、落ち着きのない、やんちゃな犬もいますから、笑。


豆源のオンラインショップで「おうちのおやつ」が売っていたので、頼んでみました。
豆源の豆菓子は『言葉の国のお菓子番』で2月のお菓子として出てきます。


美味しくて、次々と手が出てしまいます。
甘いお菓子よりも太らないかな?

映画版「マメシバ一郎」を観る2022/02/13

ドラマと映画では内容が違いました。
芝二郎がまた引き籠もりになったというのは同じですが。


死んでいなかったお父さんは富士山の「芝小屋」で暮らし、お母さんは相変わらず海外を飛び回っているようです。
育児(?)放棄したのか、二郎のことは親戚の叔父さんと叔母さんに任せっぱなしです。

叔母さんと叔父さんは二郎が光熱費の督促状をポストに入れるのに困り果て、一郎の友だち作りと偽って、二郎にお見合いをさせ、大人としての自覚を持たせようとします。
しかし二郎は一郎と叔父さんを使い、犬動画、「おじさんと犬」なんて言うのを作ってネットにアップして小銭を稼いでいます。
意外と評判がよかったので、写真集作成の話がきます。
気をよくした二郎は益々動画作成にのめり込みますが、「美女と犬」いう動画があり、そちらの方が人気があるので、写真集のお話はおじゃんになりそうです。

ある日、二郎は一人の女性に怒鳴り込まれます。
彼女は園子マユと言い、「美女と犬」を撮っているのが二郎だと勘違いをしたのです。
叔父さんはしっかりしているマユに二郎のお見合い相手になってもらいますが、彼女は二郎が一郎を大事にしていないと思い込んでしまいます。
彼女は「このこを私に引き取らせてください。このこは不幸です」と言って、一郎を自分が勤めているペットショップに連れて行ってしまいます。
「別に犬ぐらいどうということはない」と言って、やせ我慢をする二郎でしたが、一郎を見に夜中にペットショップに忍び込みます…。

感動場面もありますが、それにしても前回と同様に女性が怖いです、笑。
まあ普通の女性なら二郎のような男性は虫唾が走るぐらい嫌いでしょうから、仕方ないのでしょうが、それにしてもねぇ。
今後も怖い女性が登場し続けるんでしょうかね。

故人になった叔父さん役の志賀廣太郎さんがいいです。
頼りない二郎を陰ながらフォローしている、優しい気のいい叔父さん役がはまっています。

益々一郎と二郎の絆が深まっています。
次作は「マメシバ一郎 フーテンの二郎」ですが、二郎は働けるかな。

新川帆立 『倒産続きの彼女』2022/02/14

元彼の遺言状』の続編。


今回の主人公は、山田川村・津々井法律事務所に勤める弁護士、美馬玉子。
剣持麗子の一年後輩にあたる、結婚願望の強い、ぶりっこ弁護士です。
しかしそれは見かけだけで、唯一の家族である祖母の世話をし、彼女に介護が必要になった時のためにお金を貯めている良い孫です。
麗子のような何の苦労も知らない人たちや世の中の不公平や不条理に憤りを感じています。

玉子が麗子と受け持つことになったのは、有名なアパレル企業のゴーラム商会の案件でした。
ゴーラム商会は売れ筋のレインブーツ・シリーズの独占販売契約を打ち切られてから資金繰りが悪くなり、事務所の倒産チームが倒産を避ける方向で模索しているようです。
玉子たちに任されたのは、別件の内部通報の方でした。
経理部の「近藤まりあ」が転職するたびに会社が潰れる。彼女が不正行為をして、潰して回っているのではないかというものです。
履歴書を見ると、通報通りにこれまで勤めていた三社は入社後二、三年で潰れていましたし、資格のある経理のプロなのに、会社選びが不自然でした。

ゴーラム商会の経営悪化の原因を調べてみると、その一つがドラフトに入っていた「自動更新条項」が契約書原本で抜け落ちていたのに誰も気づかなかったことでした。
総務課長の只野によると、法務の人がごそっと辞めたため、彼女が見様見真似で契約書を扱い、弁護士にも上司にも相談できず、唯一相談したのが、あの近藤まりあだと言うのです。
近藤のSNSには高級ホテルに出入りし、高級品を身に付けている様子が…。
近藤がランダール社の内通者なのか、それとも只野が嘘をついて近藤に罪を擦り付けているのか。
玉子たちは近藤と只野のヒアリングをしますが、近藤のヒアリングの後、只野は現れず、隣室で死体となって見つかります…。

剣持麗子に比べるとヒロインが位負けしています。
これからもヒロインを回り持ちするのでしょうか。
それよりも麗子でやるか、玉子も成長したことですし、二人のコンビで行く方がいいのではないでしょうか。

弁護士というと、刑事事件に関わるというイメージがありますが(私だけ?)、他にも色々と仕事があるんですねぇ。
この本に出てくる山田川村・津々井法律事務所には、「会社法を専門とし、会社の平常運転時のサポートするコーポレートチーム」と、「倒産法を専門とする、会社が危機的状態に置かれた場合に活躍する倒産チーム」、「金融取引を担当とするファイナンスチーム」があるようです。
麗子も玉子もコーポレートチームに属し、倒産チームの哀田弁護士が彼女たちに協力してくれました。
次回はファイナンスチームの出番かな?

弁護士が主人公ですが、それほど難しい法律用語も出てこないのでわかりやすく、スラッと読めちゃいます。
『元彼の遺言状』の方がインパクトがありましたがね。


今日はバレンタインデー。
今年は忘れずにチョコレートを頼みました。


去年見つけて、可愛いなぁと思っているうちに売れてしまったクマさんを買ってみました。
買って後悔しました。どこから食べればいいのよ!可愛くて食べられないわ!

もう一つは、マリアージュフレールの「CHOCOLAT des MANDARINS マルコポーロ」。他に「サクラ」と「アールグレイインペリアル」があるようです。



紅茶「マルコポーロ」の香りがちゃんとするチョコレートです。
昨年のチョコよりもこちらの方が私の好みです。

西條奈加 『六つの村を越えて髭をなびかせる者』2022/02/16

江戸時代に九度蝦夷地に渡った実在の冒険家・最上徳内(1754年ー1836年)を描いた小説。


高宮元吉の父は無学な百姓だった。しかし元吉は生来、本が好きで、片時も本を離そうとはしなかった。そんな元吉を父は陰ながら支え、十歳になる元吉に、なけなしの金で買った数学を初歩から教える指南書『塵劫記』を与えた。
この時、元吉は必ず学問で身を立てようと決心する。

父は元吉が二十六歳の時に亡くなった。
一周忌を済ませてから単身江戸に上がり、元吉は煙草屋に奉公。その後御殿医の家僕となり、奉公しながら湯島に私塾を開いている関流の算学家・永井右仲に師事し算学を学ぶ。
29歳で本多利明の住み込みの内弟子となり、『音羽塾』に住まう。

時は江戸中期、老中・田沼意次が実権を握っていた。
幕府はロシアの北方進出に対する備えや蝦夷地交易などを目的に、蝦夷地見聞隊を派遣することにする。
利明は普請役の青島俊蔵の従者として随行することになるが、病のためと偽り、徳内を代役に推薦する。
元吉は名を改め、最上徳内とする。

天明五年二月(1785年)、蝦夷地見聞隊は江戸を立つ。

徳内は広大な蝦夷地と和人とは違う文化を持つアイヌの姿に魅了される。
アイヌと交流し、言葉を覚え、親しくなっていくが、その反面、松前藩には危険人物と見なされるようになる。

天明六年(1786年)、徳川家治が死去し、田沼意次が失脚する。老中となった松平定信は蝦夷開発を中止としたため、徳内たちは江戸に戻る。
天明七年(1787年)、徳内は再び蝦夷地へ行き、寺に住み込み入門するが、松前藩に正体が発覚して蝦夷地から追放される。
陸奥国野辺地に住んでいる時に、商家の島谷屋の娘・おふでと結婚する。

寛政元年(1789年)、クナシリ・メナシの戦いが起る。
真相調査のため派遣された青島は徳内を同行させ、西蝦夷方面から東蝦夷方面を廻り調査をする。
江戸に戻った青島は調査書を提出するが、幕府から背任を疑われ、徳内と共に入牢する。
利明らの働きかけにより、徳内は無罪となるが、青島は罪に問われ牢内で病死。

その後、徳内は普請役となり、たびたび蝦夷地へ行くこととなる。
生涯で合わせると九度に渡り蝦夷地を踏査し、千島やカラフトにも渡った。

幕府や松前藩のアイヌや徳内の上司・青島に対する仕打ちには腹が立ちました。
いつの世も、弱者に対する扱いは変らないのですね。

冒険家としての徳内はすばらしいのですが、彼はアイヌの人たちの扱いに対して、幕府にどういう働きかけをしたのでしょうか。
「アイヌ民族は、ゆっくり衰退していく運命にあったが、徳内は彼らに親しみ、交わり、そして愛した」だけなのですかね。
徳内は長生きをし、出世をしたのですが、彼と関わりのあったアイヌの人たちのその後が気になりました。

読んだ本2022/02/18



塔山郁 『病は気から、死は薬から 薬剤師・毒島花織の名推理』
ホテルマンの爽太は優秀な薬剤師で、鋭い直感力と洞察力の持ち主である毒島花織に仄かな恋心を寄せていた。
そんな時に毒島の恩人だという宇月が現れる。
彼は薬剤師である上に漢方医学のプロでもあり、爽太が遭遇するトラブルを次々と解決していく。

今回は認知症を疑われる女性のお話とマルチ商法、有毒植物を育てる女性のお話です。いつも面白く読んでいます。薬の世界は深いです。
さて、二人の仲は少しは進んだのか…。

瀧羽麻子 『うちのレシピ』
二つの家族のお話。
ひとつはレストラン「ファミーユ・ド・トロワ」を営むシェフの正造と妻の芳江、そして娘の真衣の家族。
もうひとつは普通の会社員の父・雪生とバリバリ働く母・美奈子、そして息子の啓太の家族。
二つの家族の誰かが一人称で語る六つのお話。
啓太は大学卒業後しばらく会社勤めをし、母親の反対を押し切ってシェフ見習いとして「ファミーユ」で働き始めます。真衣とは結婚を前提でつき合っています。
双方の家族の顔合わせを企画しますが…。

それぞれの家庭にはそれぞれの物語と歴史があります。
何があっても、最後は一緒にご飯が食べられればいいですよね。

泉ゆたか 『朝の茶柱 眠り医者ぐっすり庵』
江戸郊外の西ヶ原の茶問屋・千寿園の娘・藍は、長崎帰りの訳アリの兄・松次郎とひそかに眠り専門の養生所<ぐっすり庵>を開きます。
お客のほどんどは千寿園の元女中で千住宿の水茶屋に嫁いだ久からの紹介です。
そんなある日、茶畑に万屋一心という男が現れます。藍は知らなかったのですが、店の商売は傾きかけていたのです。一心はなんとも怪しげな男です。
一体彼は何を目論んでいるのか…。

江戸時代にも眠れずに困っている人が沢山いたのですね。
お茶でも飲んでゆったりしてから猫を抱いて寝る。眠れそうです。
最後に藍は千寿園を立て直すと決意します。
シリーズになるのかな?

風野真知雄 『わるじい慈剣帖 (八)だれだっけ』
愛坂桃太郎、なんと命を狙われます。
相手は伝説のやくざ・仔犬の音吉。
孫の桃子に万が一、何かがあってはいけません。泣く泣く桃子とはしばらく会わずに我慢することにします。
そんな桃太郎のところに次々と不思議な事件が持ち込まれます。
何と言っても南町奉行所の定町廻り同心の雨宮五十郎が頼りないからねぇ。

ヤクザの抗争も大変ですが、元上司のようにボケてもねぇ。
桃太郎、心安まるどころではないですわ。

間食をしないと言いながら、美味しそうなものがあると、食べてしまいます。


夫がもらってきたリンツのお菓子。リンドールが美味しいのよね。
3つも食べてしまいました、恥。

篠田節子 『失われた岬』2022/02/19



様々な人たちが、何年も前から北海道の寂れた漁港の町で消息を絶っていた。
彼らはカムイヌフという岬に行ったようだった。
そこには何があるのか。カルト教の施設か、それとも楽園なのか?

ノーベル文学賞を取った作家の一ノ瀬和紀が授賞式の前日に失踪した。
彼の担当編集者の相沢は会社からの命を受け、一ノ瀬の足取りを追う。
彼は岬に行ったようだった。
ツテを頼りに一ノ瀬に会うが、もはや一ノ瀬は前の彼ではなかった。

やがて岬は世に知られるようになり、警察が介入するという噂がたつ。
一ノ瀬を警察の手から守るために、相沢はフリー記者の石垣と共に岬まで行く。
しかしその時、岬に特別な植物が生えていることに気づいた窃盗団が上陸し、根こそぎ植物を強奪し、爆弾をしかけて去り、岬にいた人々はみな死んでしまった。

相沢は一ノ瀬の全集を出版しようとするが、著作権継承者である妻の杏里から、一ノ瀬の出奔から死に至るまでの事情や心理、その背後にあったものを探って欲しいという条件を出され、岬のことを調べることになる…。

とっても長い小説でした。前半の女性のお話はなくてもよかったかも。
岬には何が隠されているのか、興味津々で読み進んでいきましたが、それほどの秘密でなくて、ちょっと残念でした。
近未来から戦前にまで時が遡るとは、思ってもいませんでしたが。

真の幸せとは何かを考えさせられるお話でした。
このまま欲望に忠実に進んで行く未来がいいのか、それとも…。
世界はどちらに進んでいくのでしょうか。

そういえばこの頃、「ウポポイ」のコマーシャルをよく見ますが、何故なのかしら?

「取れるものならとってみろ」by 兄犬2022/02/20

兄犬はおもちゃで滅多に遊びません。
小さい時に歯を抜きすぎたのか、おもちゃを噛む力がそれほどないのです。
その点、弟犬はしっかりと歯が残っていて、おもちゃを噛んだら離しません。
たとえ宙づりになろうとも(?)離しません。さすが狩猟犬!

たまに弟がおもちゃで遊んでいると、兄がやってきて一緒におもちゃを取ろうとします。弟の勢いがすごいので、なかなかおもちゃを咥えられません。
ママがズルをして、兄におもちゃをあげます。


サンタさんをしっかりと咥えています。


取ろうとする弟から逃げます。


ハウスに持っていきます。


弟を威嚇します。
 

ソファの上に飛び乗ります。


ソファからハウスまで一気に駆け抜けます。


こうなったら、兄を止められません。


いつも舌を出して笑っている弟が、あきらめの表情をします。


「ママ、お兄ちゃんをどうにかしてよ」と訴えてきます。


自分が遊びたいのでしょうね。


兄が頑張っているので、ママは黙ってみていますわww。


この頃、ママがハマっているのが「Wordle」という単語ゲームです。
五文字の英単語を当てるというもので、単語を適当に入れてENTERキーを押すと、枠の色が緑色と黄色、灰色に変ります。
緑色はその文字がその場所で使われているということで、黄色はその文字が使われていますが、他の場所で使われているということ、灰色の文字は使われていないということです。
たまに同じ文字が2回使われていることがありますので、気をつけてください。
一日一回挑戦できます。

英語圏の人が日常的に使っていても私は知らないという単語が結構出てきます。
出てきた単語をメモしていないのですが…例えば「ulcer」。英辞郎ではレベル10で、「潰瘍」という意味です。
今日の単語はレベル11でした。
すぐに解ける時と、なかなか解けない時があり、単語を覚えるのが嫌いだった私にはいい頭の体操になります。
英単語に興味があったら、チャレンジしてみてください。

ここをクリック 「Wordle

ピーター・スワンソン 『アリスが語らないことは』2022/02/21

話題になった『そしてミランダを殺す』から翻訳された三作目の作品です。


大学卒業を間近に控えたハリー・アッカーソンはアリスからの電話で父のビルが亡くなったことを知らされます。
ビルは岸壁の遊歩道を散歩中に足を滑らせて転落したというのです。
アリスはビルの後妻で、若く美しい継母でした。

ハリーはメイン州ケネウィックの実家に戻り、葬儀に出ますが、やって来た刑事に事件の可能性があることを伝えられます。
アリスから頼まれ、しばらく父の経営していた古書店の手伝いをすることにします。
しかしだんだんとハリーはアリスは何かを隠しているのではないかという疑念を持ち始めます…。

物語は十代のアリスの視点で語られる過去の章とハリーの視点でたどる現在の章が交互に出てくる構成です。
アリスの過去はよくある崩壊家族で、意外性は全くありませんでした。
とにかく倫理的に胸くその悪くなるような関係が出てきます。
ハリーがアリスに性的に囚われており、罠に捕らわれずにいてくれという思いで読み進んでいきました。
スワンソンは悪女がお好きなのかな?


「どんだけ自己中」という変な名前の食パン屋があるということで、コロナ禍前から行ってみたいと思っていたお店にやっと行って来ました。


とにかく紙袋が変っていて、持って歩くのがちょっと恥ずかしくなります。
偉そうに座っているおやじが…。
一押し食パンの「自己中の極み」と期間限定品「ブリオッシュバニラ」を買ってみました。
他に自己中アンサンブルのレーズン食パンとカツサンド、クロワッサンがありました。そのうち買ってみます。
平日は予約しなくても買えそうです。
焼いたばかりなので、袋に一緒に入れられず、二袋を下げて帰って来ました。
買った当日はそのままで、次からは焼いて食べた方がよいそうです。
今日はシチューなどを作って食べてみましょうかしら。

髙田郁 『あきない世傳金と銀 十二 出帆篇』2022/02/22

いつも楽しみにしているシリーズの最新版です。


宝暦元年(一七五一年)、浅草田原町三丁目に店を開いてから十年。
武士の小紋染めを町人のものにし、麻疹禍に鉢巻き用として江戸紫の小紋染めの切り売りをし、買い手のことを第一に考える商いをしてきた「五鈴屋江戸本店」ですが、呉服仲間を追われて、太物商いのみになってしまいました。
それでも工夫を忘れず、湯帷子を浴衣へ転じ、勧進大相撲冬場所では、力士と揃いの浴衣を、浅草太物仲間の店で売り出してきました。
再び呉服も扱えるようになりたいという願いが、浅草太物仲間の協力を得ていよいよ叶いそうです。
奉行所からの沙汰はなかなか来ず、やっと来たかと思ったら、桁外れの冥加金を出せば、浅草太物仲間の結成を許すというものでした。
躊躇いなく出せる額ではありません。
幸の考えついたことは…。

なんとか呉服を扱えるようになったのですが、因縁の相手からの横槍が…。
亡き兄の朋友からの追書きに助けられます。
このことがあってから五鈴屋江戸本店には武家のお客が来るようになり、客層が広がっていきます。
しかし馴染みのお客からの言葉に何やら引っかかりを感じる幸。
買い手も売り手も幸せにする「この国一」の商いとは何か。
悩みは尽きません。

そんな時に吉原から衣装競べの話が来ます。

今回はこれといった困難がなく、ちょっと凡庸な内容でした。
トントンと上手くいくというのは、髙田さんの小説には合わないような気がします。
この本を読むのは、とことんヒロインが過酷な状況につき落とされるからですよねぇ(マゾかwww)。
無事に五鈴屋江戸本店は大海へと出帆しましたが、次にどんな大波が来るのか、楽しみに次巻を待ちましょうね。

南原詠 『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』2022/02/23

第20回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。


弁理士という職業があるのはしっていますが、一体何をしているのでしょう。
日本弁理士会によると、弁理士は「知的財産に関する専門家」で、主な仕事は「特許権や実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権を取得したい方のために、代理して特許庁への手続き」を行ったり、「知的財産権の取得についての相談をはじめ、自社製品を模倣されたときの対策、他社の権利を侵害していないか等、知的財産全般について相談を受けて助言、コンサルティング」を行ったりするのだそうです。
この本で描かれているように、「特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの侵害に関する訴訟に、補佐人として、又は一定要件のもとで弁護士と共同で訴訟代理人として参加するのも弁理士の仕事」です。

元パテント・トロールで、特許権を楯に企業から巨額の賠償金をふんだくっていた弁理士・大鳳未来は弁護士の姚愁林と共に特許侵害が専門の特許法律事務所を立ち上げました。

ある日、人気VTuberの天ノ川トリィの撮影機材が映像技術の特許権侵害だと警告されたという案件が舞い込みます。
トリィは機材をフリマサイトから入手したようで、この機材でないと活動ができないと大暴れ。
未来はトリィが活動を続けられるようにと、出品者や撮影システムの内容、警告主の背景などを調べていくことにしますが…。

表紙の雰囲気や題名が『元彼の遺言状』風で同じ作者かと思っていました。
VTuberって何?
「バーチャルYouTuber」のことだそうで、かわいいアニメの女の子たちが歌っているのがそうでしょうか?
なんか出てくる女性たちがみなエキセントリックで、企業のおやじたちは月並みだし、弁理士が活躍するというのが珍しいだけじゃないですか。
内容もミステリーというわけではないし、どちらかというと今時のライトノベル系の小説みたいです。
もっと落ち着いた弁理士の活躍するミステリーを読みたいなぁと思いました。