柴田よしき 『あおぞら町の春子さんの冒険と推理』2022/04/26



園田春子はプロ野球の二軍選手、拓郎と結婚してから埼玉県青空市の古いマンションに住んでいる。
看護師をしていたが、拓郎を支えるために辞めたのをちょっと後悔している。でも拓郎が今の仕事をしていられるのは、長くても十年…かな?看護師の資格は一生ものだから、いつでも復帰できるから大丈夫。
今は週に三回、スポーツ栄養学基礎講座に通っている。

「春子さんと、捨てられた白い花の冒険」
いつものようにテラスに出て、眼下の町並みを眺めていると、一人の男性が箱のようなものを抱えてゴミの集積所に近付いている。
箱の中身はパンジーのようだ。春子はパンジーが欲しかったので、急いで集積所まで行き、男性に話しかける。
男性は田川と言い、妻が花を育てるのが好きで、妻に捨ててくるように頼まれたと言って、快くパンジーをくれた。
燃えるゴミの日に土は捨てては駄目なんじゃないかと思う春子。
三日後、パンジーをもらったお礼をしようと、ベランダから集積所を見ていると、田川が現れた。彼はまた段ボールを持っている。中身は蕾のある百合だ。
春子は田川の妻がわざとその百合を捨てさせたのではないかと考え…。

「陽平君と、無表情なファンの冒険」
春子と拓郎が怪我で二軍落ちしている川田陽平と彼のフィアンセと飲んでいる時に三塁側の観客席に最近いつも座っている女性のことが話題となる。
彼女は試合中、まったくリアクションがないという。彼女は野球ファンではないのだろうか?春子は彼女のことがすごく気になる。

「有季さんと、消える魔球の冒険」
春子は「YUKI」さんがインスタグラムに載せているお弁当の写真を参考にしており、いつもコメントを付けている。
ある日、YUKIからダイレクトメッセージが届く。
YUKIは元プロ野球選手の本橋滋の妻有季で、この春青空市に転居してきたと言う。何故か春子のことを知っているようだ。
春子は有季とお茶をすることになる。
有季は春子に友だちになって欲しいと言われ、滋の過去を聞かされる。

何と言っても日常のたわいもない謎を解いていく春子さんがいいキャラです。こんなお嫁さんなら私も欲しいわ。
プロ野球のことは全く知りません。イチロー凄いわとか、OTANI-SAN、性格よさそうとか思うだけですが、この本を読むと野球界のことが少しわかります。
アメリカの野球選手にトロフィーワイフってあるのね。大谷選手がどんな女性と結婚するのか楽しみですね。金髪美女でお願いします、笑。
そうそう野球盤に消える魔球があったなんて知っていました?
夫に聞くと知っていて、消える魔球は打てないと思っていましたよ。

本格的野球ファンには出てくる蘊蓄は物足りないとは思いますが、ほっこりする後味のいい終わり方のお話です。


<今週のおやつ>


頑張ってクリックして買った、シヅカ洋菓子店のクッキー。
ザクザクとしたクッキーです。
「地球環境への負荷が小さいサスティナブルな栽培方法で収穫された優しい原料をシンプルに使用している」そうです。こういうクッキー好きかも。

<今週のパン>


この紙袋、前の「どんだけ自己中」に似ていませんか。
「うん間違いないっ!」と言うお店の食パン「Oh!間違いない」と抹茶パン「Oh!抹茶ー!」です。名前の付け方がwww。
「どんだけ自己中」と同じ岸本拓也がプロデュースしたようです。
食べてみると、こちらのパンの方が好みです。