矢崎存美 『ぶたぶたのお引っ越し』 ― 2022/05/23
いつも楽しみな表紙です。今回も可愛いですね。
ぶたぶたさんが段ボールに入れられて、どこかに運ばれそう。
今回のぶたぶたさんは、いつものようにある職業につくのではなく、「引越」をテーマにした3つのお話です。
どう考えてもぶたぶたさんは引越屋さんとしては働けないよね。
重い物持ったら潰れるものね、笑。
第一話:「あこがれの人」
定年退職した夫と一ヶ月の「お試し移住」をしている成実は、三週間経ちそろそろ家に帰りたくなった。
夫はそんな成実の気持ちを知ろうともせず、お試しを楽しんでいるようだ。
歯医者に行ったついでに役場に行き、田舎暮らしアドバイザーに相談することにする。
やって来たのが、なんとぬいぐるみ。名前が山崎ぶたぶたという。
ぬいぐるみに相談なんかできるのかしら、と思う成実だったが…。
第二話:「告知事項あり」
大学時代の先輩から東京で興した事業が軌道に乗ったので手伝って欲しい誘われ、東京に住むことになった柚木詠斗。
住居を探しているが、家賃が高い。シェアハウスに住んで様子をみるしかないかと思っていたら、格安物件を見つける。
どうやら「告知事項ありの物件」らしい。
あまりそういうのを気にしない詠斗はその部屋が気に入り、住むことにする。
引っ越しの挨拶に行くと、奥の部屋に人はいたのだが、なんと彼はぬいぐるみだった。
インパクトの強さに圧倒され、会ってもなかなか話ができない詠斗だったが…。
第三話:「友だちになりたい」
憲治の小学校の同級生の父親が少し変わっている。
彼は小さなぶたのぬいぐるみで、名は山崎ぶたぶたという。
憲治はぶたぶたさんのことが気になってしょうがなかった。
中学生になったある日、憲治はショックなことを聞く。
山崎さんが引っ越しをするというのだ。
ぶたぶたさんと話したかったのに…。
杉本雫は書店で前に見たことのあるぬいぐるみを見かけた。
「ぶたぶた」という名前らしい。
それからは「ぶたぶた」を見るために書店に行き、彼が買った本を次の日に買って読むことにした。
ある日、マンガの新刊を買おうと書店の前の通りを渡ろうとすると、「ぶたぶた」がちょうど書店から出てきた。
その時、中学生らしき男の子が脇を駆け抜ける気配がして、フードを掴んでしまう。
次の瞬間、トラックが目の前を猛スピードで走り去った。危機一髪。
この時から憲治と雫は「ぶたぶた」のことを相談し合うことになる。
いつも変わらないぶたぶたさんです。
でもちょっとお話の雰囲気がいつもと違うなぁと思ってあとがきを読んだら、矢崎さん、体調不良だそうです。
コロナ禍でどんな人も心や体の不調を感じるようになっているのかもしれませんね。早くコロナ禍の前の状態に戻って欲しいです。
今は無理っぽいですが、それでも暮らしていくしかないですねぇ(溜息)。
早く山崎さんに元気になってもらって、ぶたぶたさんで癒やされたいです。
私もぶたぶたさんとお友だち希望ですwww。
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