馳月基矢 『伏竜 蛇杖院かけだし診療録』&『萌 蛇杖院かけだし診療録』2022/06/08

江戸時代の医師たちの流行り病に立ち向かう姿を描いた作品です。


文政四年(1821年)の二月、江戸に悪いかぜが流行った。
旗本の次男坊の長山瑞之助は医者から匙を投げられたが、蛇杖院で治療を受け命をとりとめる。
病から生還した瑞之助は自分を助けてくれた真樹次郎のような医者になることを決心する。

蛇杖院は小梅村にある。主は玉石といい、日本橋瀬戸物町にある唐物問屋の大店、烏丸屋の娘だ。
三年前に玉石が金を出し、小梅村に屋敷を建てて、病者やけが人を受け入れる診療所としたのが蛇杖院だ。
蛇杖院では漢方医の堀川真樹次郎と蘭方医の鶴谷登志蔵、拝み屋の桜丸、僧の岩慶の他に下男や女中が働いている。
世間ではとんでもない噂がまことしやかに囁かれている。

瑞之助が医術の修行の防げになるから屋敷には戻れないと手紙を出しても、母から三日にあげず、戻ってこいという手紙が届いている。
瑞之助は蛇杖院で慣れない下働きをしている。不手際が多く、女中から叱られっぱなしで、自分は医者になれるのだろうかと自信を無くすことが多い。

ある日、母の治療費のために蛇杖院で働いている、瑞之助とも親しいおふうとおうたの姉妹が蛇杖院に現れなかった。
彼女たちの長屋で子どもたちが吐いて、腹を下して、動けないという。
蛇杖院総出で子どもたちを看ることにするが…。

やがて瑞之助は自分の果たしたい大願を「幼子の命を守れる医者」と決める。


瑞之助はやっと医者見習いと認められたが、診療に手が必要ではない時は下働きをしている。
ある日、通いの女中の一人、渚の妹のつわりがひどく、世話をしなければならなくなり、昼の間だけ蛇杖院で齢三歳になる息子を預かることになる。
幼子の命を守る医者になりたいなどと言ってしまったため、瑞之助はその子の面倒をみることになる。

その頃、船津初菜という産科医が蛇杖院にやって来る。
彼女は瑞之助が正月に両国広小路で破落戸(ごろつき)から救った女性だったが、瑞之助に心を開かず、瑞之助は産科の教授を請うが断られてしまう。
初菜は女の医者を頑なに認めない人たちをものともせず、命を狙われても、それでもひたすら妊婦の元へ足を運ぶ。
瑞之助たちはそんな初菜にそっと寄り添い、サポートしていく。

お産は命がけとはよく言ったもので、江戸時代の妊婦たちがいかに辛い思いをしていたかがわかりました。出産で命を落とす人が多かったのも納得です。
その上、どんなに腕がよくても、女であるというだけで、産婆ならいいけれど医者としては認めないなんて、今にも通じる女性蔑視ですね。

瑞之助は初菜と会うことによって、やっと小児科医としての道を歩み始めました。
出てくるどの人たちも魅力的です。
ドラマにするといいかも。


<今日のわんこ>


旅行先でちんちんをしている弟です。
今朝は疲れが取れたのか、ご飯もちゃんと食べ、走り回っています。

実は旅行から帰って来てからママは手足が痒いです。
どうも布製ソファにダ〇がいたらしく、5、6カ所刺されています。
何故か夫は刺されないのよねぇ。そういえばあまりソファに座っていなかったか。
ママは皮膚が弱くて、虫によく刺されるのよねぇ(恥)。
これからも犬連れで宿に泊まりに行くのだったら、犬用ホテルの方が設備とか備品など色々と考えられていて安心かもしれませんね。

<今週のおやつ>


父の日用のお菓子の詰め合わせですが、ママ用ですwww。
マドレーヌが猫の手の形で可愛いです。