アレン・エスケンス 『過ちの雨が止む』2022/06/21

償いの雪が降る』の続編。


あれから五年。ジョー・タルバートは大学を無事に卒業し、AP通信社で記者として働いている。
同居しているガールフレンドのライラ・ナッシュは司法試験に向け猛勉強中。
自閉症の弟のジェレミーは彼らと一緒に暮らしている。
アル中で薬物依存症の母親とは縁を切り、連絡も取っていない。

ある日、ジョーはトッド・ドビンズ上院議員に名誉毀損で訴えられる。
彼は記事の撤回と膨大な慰謝料、そしてジョーの解雇を求めている。
記事に書いた内容の情報源は匿名で、名前を明かすことはできない。
ジョー、記者生命の危機か。

そんな時に編集長のアリソンからキャスペン郡に親戚がいないかと聞かれる。
ジョー・タルバートという男の死体がミネソタ州キャスペン郡で保安官補によって発見されたらしい。
ジョーが生まれる前に母とジョーを捨てた父親はジョーと同姓同名だと母親から聞かされていた。
この男は実父なのか?
そう思ったジョーはこの殺されたジョー・タルバートのことを調べるために、ミネソタ州バックリーに向かう。

自分の家族にかかわる秘密に目を背けず、知ろうとするジョーに成長の証が見えました。
ライラとの関係に危機が生じますが、なんとか二人で乗り越えていって欲しいと思います。
ジェレミーはいくつになってもジェレミーですねぇ、笑。
母親の変化はいつまで続くのかわかりませんが、彼女を受け入れ、新しい家族の関係を築いていってくれたらいいな。
日本語の題名がいいシリーズです。題名を変えるならこんな凝った題名を考えてつけて欲しいです。
前作を読んでいなくても関係なく読める作品です。読んでいた方がジョーの背景がわかっていいとは思いますが。
お勧めです。