原田ひ香の本、三冊を読む2022/07/14

異常気象や元首相暗殺、新型コロナ感染者増加など明るい話題のないこの頃。
今の気がかりは、夏の旅行に行けるかどうか。
コロナに感染するのは嫌だけど、二年間我慢したのだから、気分転換はしたいです。
だって兄犬が膝に怪我をし、ママは緑内障の手術をした左目がまた感染症を起こしそうで、ちょっと憂鬱なんですもの。
夏を無事に超えられるかしら?

さて、私の好きな作家の一人、原田ひ香さんの本を一挙に三冊、紹介しちゃいましょう。


『彼女の家計簿』
シングルマザーでコンピュータープログラマーをしている里里のところに、疎遠だった母親からの封筒が届く。
開けてみると簡単な手紙と谷中に住んでいる三浦晴美という人からのぶ厚い封筒が入っていた。
中には五十鈴善吉様、ご家族の皆様へという手紙と、五十鈴加寿という女性の家計簿が数冊入っていた。
里里の祖父は善吉といい、祖母は母の朋子が子どもの頃、外に男を作って心中したと聞いている。
この加寿という女性は一体誰なのか。
朋子に聞くわけにもいかず、里里は家計簿の備考欄に書かれていた日記を読んでいくことにする。

この本を読んでいて、日本のジェンダーギャップ指数が先進国で最下位というニュースを思い出しました。
戦中、戦後と比べると女性の地位が向上したとはいえ、まだまだなのですよね。

『人生オークション』
「人生オークション」
就活に失敗し、アルバイトをしている瑞希は叔母のりり子のところに行かされる。
りり子は不倫の果てに刃傷沙汰を起こして離婚し、一人暮らしを始めたばかりで、一族の厄介者扱いをされている。
行ってみるとりり子はキッチンで寝ていて、八畳間は段ボール箱で埋まっている。
自分でも何が入っているのかわからないようだ。
見てみるとブランド物のバッグや靴などが入っている。
瑞希はりり子を手伝い、ネットオークションにかけていくことにする。

「あめよび」
大谷美子は眼鏡屋に勤めている。二歳年下の彼氏・輝男はサンシャイン・ゴリラというラジオネームを持つ有名なハガキ職人で、彼とはあるイベントで知り合った。輝男は放送作家になろうとしている。
そろそろ結婚をと考える美子だったが、輝男は頑なに結婚しようとはしない。

私、りり子みたいな女性が羨ましいです。彼女のような人って、誰かがいないとダメで、必ず世話を引き受けてくれる人が現れるんですよ。私なんか、自分でどうにかしないと誰も助けてくれないもの…。
輝男みたいな男は結婚したい女には最悪ですね。でも美子が思い切ってよかったです。
「諱(いみな)」のことが出てきましたが、今もそういう風習ってあるのでしょうか?

『ギリギリ』
瞳は夫を亡くしてから偶然再会した同級生の健児と時を置かず結婚した。
身寄りのない元夫の母親・静江は何かと連絡をしてくるが、瞳は忙しいので、脚本家で暇な健児が静江と話すことが多く、二人は仲良くなる。
しかし健児が静江から聞いた伯母夫婦の話からヒントをもらい、書いた脚本がテレビ局に採用された頃から、だんだんと瞳と健児の間がうまく行かなくなる。

脚本家のことが詳しく書いてありますが、原田さんはシナリオを書いていたのですね。三谷幸喜ぐらいにならないと、好きに書けないのかしら?
外国人と日本語で話をするというボランティアみたいな仕事、本当にあるのかしら?あったらやってみたいわ。
なんとも言えない三人の関係がいいですね。最後が残念だけど。

三冊の本、どれもお勧めです。

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