「天空の結婚式」を観る2022/07/20

2012年にこの映画の舞台であるチヴィタ・ディ・バニョレージョ(Cvita di
Bagnoregio)に行ってきました。
下の写真のように長い道の果てにある街です。


懐かしいので観てみると、思っていたのと違って同性カップルの結婚式のお話でした。
イタリア語の題名は「Puoi Baciare lo sposo」で日本語では「あなたは新郎にキスができる」かな?
日本語の題名とすごい違いがありますね。


ベルリンで役者をしているアントニオは同性の恋人で役者仲間のパオロと同棲しています。
アントニオは人生を共に歩むならパオロしかいないと思い、プロポーズをします。
もちろんパオロはプロポーズを受けますが、復活祭でアントニオが帰省するときに、自分も連れて行ってくれとお願いします。
仕方なくアントニオはパオロと一緒に帰省することにしますが、なんと大家で同居人のベネデッタと同居人になったばかりの男性ドナートも同行することになります。
ドナートは女装癖がばれて家を追い出されてから情緒不安定で、一人で留守番するように頼まれたとたんに手首を切ったので、仕方なく連れて行くことになったのです。
そこに登場したのが、アントニオの幼馴染みで元カノのカミッラ。
彼女はアントニオが忘れられず、よりを戻したいと言いますが、アントニオは無視してイタリアに向かいます。

アントニオの実家はチヴィタ・ディ・バニョレージョにあります。
アントニオがパオロとの婚約を両親に報告すると、薄々息子のことを気づいていた母アンナは婚約を祝福します。
しかし村長をしている父ロベルトは断固として反対します。
過疎化が進む村に難民を受け入れようとするなど、寛容でリベラルな人なのにね。
アンナはそんなロベルトに息子の結婚を認められないなら出て行けと、家から追い出します。離婚までする決意です。
アンナは裕福な家の生まれで、家は彼女のものなのね。

アンナは結婚するにあたり、条件を出します。
結婚式をこの村ですること。テレビで有名なウェディングプランナーのエンツォ・ミッチョに式をコーディネートしてもらうこと(お金はアンナが全額払うのよ)。
そしてパオロの母親に式に出席してもらうこと。

問題はパオロの母ヴィンチェンツァでした。
パオロが三年前にカミングアウトして以来絶縁状態なのです。
頭を悩ます二人のところに、またカミッラが現れ、邪魔をします。
しつこい女ですねぇ。

四人でナポリに住むパオロの母に会いに行きますが、結婚式のことを持ち出すと、すげなく拒否されます。
アントニオは取りあえず招待状を置いていきます。
母のことを諦めるパオロにドナートは自分が女装して母親のふりをすることを提案します。

さて、二人は無事に結婚式を挙げられるのでしょうか。

脚本を書きはじめた時点ではイタリアにまだ同性婚を認める法律がなかったそうです。(2016年に同性カップルに対して結婚に準じた法的権利を与える「シビル・ユニオン法」が可決。2018年にイタリアで映画公開。)
イタリアって日本のように家父長制が強いのかしら。
お父さんに向かって毅然とした態度を取るお母さん、素敵でした。
同棲カップルだけではなく、結婚するということは色々とあるけど、頑張ろうと思える映画…かな?
コメディ映画ですが、私はそれほど笑えませんでした。イタリアの笑いのツボが今一つわかりませんわwww。
最後に唐突に始まるミュージカル。
それにしてもベネデッタ役の人、歌上手すぎです。
私はチヴィタ・ディ・バニョレージョが見られただけで、満足です。