映画「ディア・エヴァン・ハンセン」を観る2022/09/10

ミュージカルの「ディア・エヴァン・ハンセン」が映画になりました。
主演がミュージカルでも主人公を演じたベン・プラット。
2014年21歳の時からエヴァン・ハンセンを演じてきて、映画では28歳になります。
ベンの演技が悪いというわけではありませんが、10代の初々しい新人を主人公にしてもよかったんじゃないかなと思いました。


17歳のエヴァン・ハンセンは社交不安障害を患っており、セラピーに通っていました。
夏休みに州立公園で自然保護官の見習いをしていた時に木から落ちて腕を骨折したエヴァンでしたが、彼のギプスにサインをしてくれる友だちさえいません。
しかし何を血迷ったのか、友だちでもないのに、コナー・マーフィーがサインをしてくれました。

セラピストに自分への手紙を書くように指示され、学校の図書館で印刷を待っていると、コナー・マーフィーがやって来て、手紙を見られてしまいます。
その手紙にはエヴァンが秘かに心を寄せているコナーの妹のゾーイのことが書かれており、それを読んだコナーは激怒し、手紙を持って行ってしまいます。
誤解を解いて、手紙を返してもらおうとコナーを探しますが、見つかりません。

校長から呼び出されたので行ってみると、コナーの両親のラリーとシンシアがいて、あの手紙を見せられます。
コナーが命をたち、ポケットにこの手紙が入っていたというのです。
彼らは手紙を遺書だと思っていました。
シンシアはギプスに書かれたコナーのサインを見て、エヴァンが親友だと勘違いをし、エヴァンを夕食に誘います。

夕食に行くと、妹のゾーイはエヴァンからのメールが1つもないことを不審に思っているようでした。
コナーは麻薬依存症でドラッグ回復施設に入っていたことがあり、切れやすく暴力的なので、学校では鼻つまみ者として扱われ、友人はいませんでした。
妹のゾーイでさえ、コナーとのいい想い出なんてないと言いはなちます。
ラリーとシンシアはエヴァンという親友がいたことに救いを求めていたのです。
エヴァンは真実を告げようとしますが、シンシアは聞き入れません。
仕方なくエヴァンは話を合わせました。
いつしか腕を折った時に一緒にいたことになってしまいます。
このなにげなくついたウソが、エヴァンを悩ませることになります。
困ったエヴァンは友人に頼んで、メールまででっち上げてしまい、ウソにウソを重ねていきます。

そんな頃、学級委員のアラナからコナーの追悼式でスピーチをして欲しいと頼まれます。
その後アラナから、「コナー・プロジェクト」を立ち上げ、クラウドファンディングをしたいというメールをもらいます。コナーが好きだった果樹園を甦らせるというのです。
アラナと話していると、彼女もエヴァンと同じように社交不安障害で悩んでいることがわかります。

エヴァンはコナーの家族に「コナー・プロジェクト」のことを話しに行きます。
そうすると、シンシアはエヴァンをコナーの部屋に連れて行き、コナーのネクタイを渡して、これをつけてスピーチをして欲しいと頼みます。

追悼式の日のエヴァンのスピーチがネットに上げられ、どんどん拡散されていき、エヴァンは一躍時の人になります。

スピーチのおかげで、エヴァンはゾーイと付き合うようになり、マーフィー家で暖かく迎えられ、家族同然に扱われるようになり、エヴァンは束の間の幸せを噛みしめます。
エヴァンは母のハイディと暮らしています。
看護師をしているハイディは忙しく、いつも帰りが遅く、エヴァンと話す余裕さえない状態です。別れた父親に連絡しても、この頃無視されます。
家に来たゾーイにエヴァンは大学進学のために奨学金付きのエッセイコンテストに優勝しなければならないことを話しました。

エヴァンがマーフィー家の夕食に行くと、驚いたことにハイディも招かれていました。
そこでコナーのために用意していたお金をエヴァンの学費に使って欲しいと言われ、ハイディは激怒し、資金援助を断ります。
家に帰り、エヴァンはハイディに初めて本心を告げます。
「彼らは僕を病気だとは思っていない。お母さんにとって僕はお荷物で、邪魔者なんだ」
ハイディは「あなたはかけがえのない存在、人生で最高の宝物よ。ただ余裕がないの」と話しますが…。

そんな頃、エヴァンはアラナから本当にコナーの親友だったのかと聞かれます。
メールには6月に腕を折ったと書いてあるのですが、本当は9月だったのです。
アラナの疑惑を解くために、エヴァンは手紙を見せてしまいます。

なかなかお金が集まらないことに焦ったアラナは、他の人には絶対に見せるなとエヴァンに言われていた手紙をネット上に公開してしまいます。
ネットは大荒れ。
コナーが自殺したのは両親が原因ではないかとまで言われ始めます。
心配になってゾーイに会いにいくと、ラリーとシンシアは喧嘩を始めます。
その姿を見たエヴァンは、ついに真実を告白します。
そしてマーフィー家は自分がこうあって欲しいという理想の家族だったと告げ、去っていきます。

マーフィー家は真実を公表しませんでした。
そのためコナーの自殺の原因だとして責められ続けていました。
いたたまれなくなったエヴァンは動画を撮り、snsで真実を公表しました。

エヴァンは、前と同じように一人ぼっちになります。
しかしエヴァンは今度はコナーのことを知ろうと努力します。
彼の好きだという本を読み、コナーのことを知っているらしい人にメールを送り、彼のことを教えて欲しいと頼みました。
そうすると、コナーと同じ施設にいたデレクという子が、コナーがギターを持ち歌う姿が写っているビデオを送ってくれました。
エヴァンはビデオをコナーの家族やアラナたちに送りました。

ある日、エヴァンはゾーイに呼び出されます…。

実は私、勘違いをしていました。
このミュージカルは「ハイスクールミュージカル」みたいな青春真っ只中の明るい学校生活を描いたものだと思っていたのです。
見始めてびっくり。ぼっちのエヴァンと狂犬みたいなコナー、生意気そうなゾーイが出てくるんですものぉwww。
現代のアメリカ社会のダークな一面を描いた作品だったのですね。
歌詞をちゃんと見てみるべきでした(恥)。

これから見ようと思う人は、重いテーマのミュージカル映画だと思って見てくださいね。