ロバート・ソログッド 『マーロー殺人クラブ』2022/09/22

単行本なのですが、本格的ミステリーではなく、コージーミステリーなので、お間違えなく。


77歳のジュディス・ポッツは、ロンドン郊外のマーローで大おばから相続した古い邸宅に暮らしている。
おばから株も引継ぎ、全国紙に掲載されるクロスワード・パズルを作り、一週間に二つか三つ提出しながら、誰にも束縛されない、悠々自適の生活を送っている。
自分では自分のことをマーローの住人に知られていないと思っているが、彼女のことをみんな知っている。

ある夜、いつものように裸でテムズ川で泳いでいると、隣人のステファン・ダンウッディの家のあたりから叫び声が聞こえた。
川から呼びかけたが、彼女の言葉は銃声に遮られた。
急いで家に帰り、警察に電話をするが、やって来た警察官はろくに調べもせずに帰って行った。

翌朝、マリク巡査部長から電話が来たが、何も心配はないと言う。
納得のいかなかったジュディスは昨夜どこから銃声がしたのかを調べてみた。
するとステファン・ダンウッディの遺体を見つけてしまう。
警察はステファンが殺されたと考えようとはしないようだ。
そこでジュディスは決心した。自分で彼の殺害事件について捜査しようと。

それから次々と殺人事件が起る。
ジュディスは聞きこみ先の司祭の妻ベックスとドッグ・ウォーカーのスージーと仲良くなり、彼女たちを殺人事件の調査に引き込んでいく。
なかなか事件解決の糸口を探せないマリク巡査部長は、ジュディスたちを警察の民間アドバイザーにする。

さて、三人の女性たちは事件を解決できるのか…。

出てくる女性たちは個性的な面々です。
司祭の妻のベックスは「デニム・レギンスとジレを着た完璧な主婦」。
ドッグ・ウォーカーのスージーは「ロング・ジョン・シルヴァーと共に航海に出そうな様子で歩く、がっしりした体格の女性」。
ジュディスは「背よりも横幅のほうが目立つ、いつものように濃い灰色のケープをまとった、変わり物の貴族風の女性」。
そしてマリク巡査部長は、「全力をつくしたい、いい警官に、いい妻に、いい母親であり娘になりたい」と思う謹厳実直な女性。
四人は自覚していませんでしたが、女であること、妻であること、娘であることを強いられることに飽き飽きしており、日常生活に満たされない思いを抱いていました。しかし今回の殺人事件をきっかけに、はっちゃけてしまい、もう後には戻れなくなってしまいます、笑。
殺人事件って麻薬のようなものなのかしら?

二作目「Death Comes to Marlow」が来年1月に発売されるようです。
結婚式前夜のパーティで密室殺人が起り、ジュディスはまたまた警察は頼りにならないと捜査に乗り出すようです。
懲りないおばあさんたちのようですww。

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