「刑事ヴァランダー シーズン1」を観る ― 2022/09/25
ヘニング・マンケルの刑事ヴァランダー・シリーズ一作目の『殺人者の顔』を読んでから気になっていたシリーズを、2008年からBBCが放映していたというので観てみました。
主演はケネス・ブラナー。さえない中年姿に驚きました。
でもさすがシェイクスピア俳優。演技は上手いです。
一話が約一時間半もあり、最初は飽きるんじゃないかと心配でしたが、面白くて引き込まれていき、長く感じませんでした。
撮影はスウェーデンでしたらしいです。

<シーズン1>
第一話:「目くらましの道」
第一話:「目くらましの道」
クルト・ヴァランダーは妻と別居中。お互いに新しいお相手が出来たら離婚することになっている。たまに娘のリンダと会うが、なんとなく気まづい雰囲気。
父親は画家で、認知症が発症している。新しい彼女と暮らしている。
父とは仲がよくなく、会うのを避けているのをリンダによくなじられている。
仕事がすべてという一人暮らしの生活は滅茶苦茶で、荒んだ様子がうかがえる。
ある夏の日、クルトは電話で呼ばれ、ひまわり畑に行く。
そこには一人の少女がいて、クルトが「警察だ」と言ったとたんに、焼身自殺をする。目の前で燃える少女を見て、ショックを受けるクルト。
追い打ちをかけるように、次の殺人事件に呼び出される。
元法務大臣が斧で頭を殴られ死亡し、頭皮の一部が切り取られていた。
彼のまわりをうろついていた記者によると、彼は売春婦に暴力を振るったが、カネで片を付けていたという。文化人を気取って芸術品にも手を出し、裕福な蒐集家と交流を持っていたそうだ。
次の殺人が起る。被害者は画商で、同じ凶器で、同じ傷、同じように頭皮が切られていた。
妻と娘に話を訊くが、娘は何故か警察に反感を持っているようだった…。
第二話:「混沌の引き金」
16歳と18歳の少女がタクシードライバーに暴力を振るったとして逮捕される。
金銭目的だと年上の少女ソニアが自供したが、わずかな額だった。
何か隠していると思うクルト。
そんな頃、広場のATMの前で死んでいる男が見つかる。心臓発作と思われたが、健康診断では20歳の心臓と言われたという。
タクシードライバーが亡くなり、ソニアを尋問しに行くと、彼女は留置所から脱走していた。
父親からヨーナスというボーイフレンドのことを聞き、クルトは会いに行く。
妻に新しい相手ができたと知ったクルトを心配して、リンダは勝手にお見合いサイトにクルトを登録する。そうすると、早速返信が来たという。
写真を見て、その気になるクルト。
ATMの男の元妻に話を訊くと、心臓発作ではないと言い切る。
彼は第三世界のアフリカを救うために力を注いできた。
前に進むために真実を知りたいと言う。
ソニアの行方は依然としてわからず、ヨーナスがいなくなる。
第三話:「友の足跡」
クルトとカッレ・スヴェートベリは港で密輸犯の車を探している。クルトはそんな仕事にあきあきして、帰ろうとすると、飲みに誘われる。
クルトがカッレに休日のことを聞くと、彼は私生活と仕事と切り替えるのが難しい時があると答える。
クタクタに疲れていたクルトはカッレを置いて家に帰る。
次の日、署に夏至祭の前日から娘が行方不明だと訴えている母親がやって来る。
友だちと三人でピクニックに行き、その2、3日後にヨーロッパを旅すると書いた絵葉書が届いたという。
前にもカッレが母親から話を聞いていたようだ。
クルトに何か言いたそうなカッレだったが、クルトは気にせず、仕事を続ける。
その夜、娘が来て、クルトは彼女の文字が行方不明になっている娘の字と似ていることに気づく。
クルトは他の友だちの親からも話を聞くことにする。
同僚のアン=ブリットがカッレに電話してもずっと留守電になっていると言ってくる。
心配になったクルトはマグナスと共にカッレの家に行く。
カッレは頭を撃たれて死んでいた。
クルトはカッレが何かを打ち明けたそうにしていたのを思い出す。
近親者と話すと、彼がクルトのことをよく話していたという。
クルトは自分がカッレの私生活のことを何も知らなかったことに気づいて忸怩たる思いをする。
彼の部屋に行き、家宅捜索をすると、絵の裏に女の写真が隠されており、机の中に行方不明になった娘たちの写真があった。
いとこと会うと、カッレにルイーズという別れた彼女がいたと教えてくれる。
そんな中、行方不明になっていた三人の男女の遺体が見つかる。
アメリカや日本の刑事って二人組で行動するのですが、クルトはいつも一人で行動していますね。いいんでしょうか。
スウェーデンではあまり凶悪な殺人事件がないからでしょうか。
そうそう、スウェーデンは銃社会ではないと思っていたら、スウェーデンだけではなくノルウェーやフィンランドでも銃の所持が認められており、銃の保有率が高いんですって。
そのわりにアメリカのように銃の乱射事件などが起らないのは何故でしょうね。
でも銃器による殺人は少なくても、銃による自殺率が高いそうです。
気になったのはスウェーデンの若者たち。
福祉国家だから幸せかと思っていたら、病んでますねぇ。
第三話でクルトは日頃の不摂生がたたって糖尿病発症。
困ったおっさんですwww。
人気者らしい、マグナス・マーティソン役のトム・ヒドルストン君はぼやくといつもクルトに遮られて、かわいそうでした、笑。
むさいケネスよりも彼にもっと活躍して欲しかったわぁ。
車のVOLVO、欲しくなりました。
荒涼としたスウェーデンの風景と一人駆けずりまわる崩壊寸前のおっさんがマッチしたドラマでした。
「ボッシュ」も好きですが、このシリーズもお気に入りになりました。
続けて観ていきますわ。
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