中島久枝 『浜風屋菓子話 日乃出が走る<二>&<三>』2022/10/11



『浜風屋菓子話 日乃出が走る<二>』
百日で百両、菓子を売って稼ぐという勝負に勝った日乃出は、浜風屋に残り、菓子修行を続けています。
彼女の中では西洋菓子を学びたいという思いが募ります。
そういう時に、ロビンソン商会のタカミナと出会い、彼からホテルにある彼の店で働けば西洋菓子を教えて貰え、行く末は日本一の西洋菓子の職人になれるとまで言われ、日乃出の心は乱れます。
そういう気持ちでいると、上手く行かないもので、浜風屋でいっしょに働いている勝次や純也ともぎくしゃくとしてきます。
浜風屋でたまたま働き始めた葛葉は、兄を探しているとはいえ、何やら秘密があるようです。

西洋菓子に惹かれるのはわかります。でも和菓子さえもろくに作れないのに、色々と手を出したくなる日乃出です。
思い切ってホテルに勤めたのですが、そうは問屋が卸さない。
タカミナの考えていたことがわかり、自分の立場をちゃんと理解したかな。
お嬢さん育ちですから、なかなか心根は変わりません。

天敵・谷善次郎の妾のお利玖は見上げた女性です。
女郎になり、病気になった姉の世話をし、鷗輝楼の経営もやり、谷に頼らずにもっと上を目指しています。
明治になって「刀の代わりに、金が力を持つ。人を動かす」と言い切るお利玖から目が離せません。

『浜風屋菓子話 日乃出が走る<三>』
結局、浜風屋に戻って来た日乃出。浜風屋が彼女の居場所です。
江戸で三本の指に入るといわれた名料亭、深川松から還暦の祝いの引き菓子を頼まれます。
しかし、そこに白柏屋が横槍を入れてきます。自分たちが橘屋の本流だというのです。
そんなわけで、双方で菓子を作り、祝いの席にいるお客にどちらの出来がいいか決めてもらうことになります。
これを皮切りに、白柏屋対浜風屋の勝負が続きます。
次は中が空っぽの饅頭、そして最後の勝負として、干菓子。
さて、どうなるのか。

そしてその頃、お光に縁談、日乃出には恋…。

日乃出も失恋して、少しは大人になったかな?
お菓子の方の発想はいいんだけど、勝次がいないとダメじゃない。自分で作れないんだから。当分修行が続きそうですね。
新しい職人、五郎が浜風屋に入りますが、どうなることか。
橘屋の再建はできるのか。
まだまだシリーズは続きそうです。

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