アリスン・モントクレア 『疑惑の入会者 ロンドン謎解き結婚相談所』2022/12/05



第二次大戦後のロンドンで元スパイのアイリスと上流階級出身のグウェンは<ライト・ソート結婚相談所>を開きました。

ある日、相談所にサイモン・ダイーレイと名乗るアフリカ出身の男性が入会したいとやって来ます。
二人は国際的なクライアントにも門戸を開くことにしますが、グウェンの直感が彼が嘘をついていると告げています。
なんとグウェンは家付近で彼と出くわします。つけているのかしら?
一体彼の目的はなんなのか…。

グウェンの屋敷では大変なことが持ち上がります。
義父のベインブリッジ卿がアフリカから帰って来たのです。
彼はグウェンに会った初っぱなから孫のロニーを聖フライズワイド校にやると言い放ち、食事の席ではロニーが味見をしたいと言ったので、まだ早いと言ったグウェンを無視して六歳児にワインを与え、礼儀として全部飲めと言い、飲ませます。
帰って最初の夜から毎夜、妻を顧みず、<リヴィングストン・クラブ>へ行きます。
料理人には三日後の金曜日の晩に八人分のチキンを用意するように命じます。配給切符を使ってもそんなに沢山のチキンは手に入らないというのに…。
そしてロニーの家庭教師には暇を出します。
ベインブリッジ卿は帰って早々、屋敷の女性のほぼ全員を敵にまわすのに成功します(笑)。

金曜日の晩餐会に<ベインブリッジ・リミテッド>の取締役会の人たちがやってきます。グウェンはこの会社の株を亡くなった夫から相続していましたが、彼女の法的後見人が財務上の問題をベインブリッジ卿に一任していました。
その日に取締役会が開かれることを知ったグウェンが取締役会に出ようとすると、ベインブリッジ卿は彼女を家から追い出すと脅します。

グウェンはベインブリッジ卿と戦うことを決意し、クラブに行く車に無理矢理乗り込みます。
しかし車は銃を持った者たちに待ち伏せされていました。
男に反撃したグウェンは頭を殴られ、気づくと寝台に固定され、猿ぐつわをかまされ、目隠しまでされていました。
ベインブリッジ卿とグウェンは誘拐されたのです。

レディ・ベインブリッジは嫌っていたはずなのに、アイリスに助けを求めます。
果たしてアイリスはグウェンを助けることができるのか…。

アイリスとグウェンの友情が素晴らしいです。
戦後間もない頃はまだ女性の権利が認められていなかったのですね。
この事件でベインブリッジ卿は少しはグウェンのことがわかったのではないでしょうか。
もはや妻に頭が上がらなくなったベインブリッジ卿は、これからずっと妻に仕える暮らしをしていくのでしょうかね、笑。
グウェンに冷たかったレディ・ベインブリッジでしたが、これからはグウェンに味方してくれるのではないでしょうか。
家のことが落ち着けば、次は結婚相談所。
今後の活躍が期待できそうです。

<今日のおやつ>
アドベントカレンダーの中に入っていたチョコレート。


一日目は大きかったのですが、だんだんと小さくなっているような…。
一日一つずつならカロリーも少なさそうでいいかなとは思いつつも、まだ食べていません。