堂場瞬一 『小さき王たち 第三部 激流』2023/01/04



二十五年前、田岡総司の陰謀により、新人代議士に絡む献金事件を地検特捜部は立件できず、東日新聞が書いた記事が誤報になる。
地検特捜部の副部長・松永光正は九州に異動になり、検事を辞め、弁護士に、高樹治郎は会社にしがみつき、副社長にまで上りつめたが、息子の和希は誤報の責任を取らされ、所属はずっと地方部で、引越しばかり。
高樹治郎は孫の健介を高樹家の最終兵器として育てあげる。

一方田岡総司は連続当選9回、文科大臣と厚労大臣を歴任し、党では幹事長、政調会長、総務会長を経験し、71歳で引退したが、今は民事党の顧問をしている。
息子の稔が総司の地盤を継ぎ、一回目の選挙で当選したが、二回目は苦戦を強いられている。
総司は稔の娘の愛海は優秀で、稔にはない胆力がある、彼女が自分の後継者にふさわしいと思っている。
そのため新潟で顔を売っておいた方がいいと新潟のテレビ局NBCに入社させる。

2021年、コロナ禍の日本。
高樹健介は東日新聞の記者として新潟支局に赴く。
健介は仕事の合間に田岡稔のスキャンダルを追い、稔を落選させ、田岡王国を崩壊させようと画策していた。
しかし予期せぬことが起る。
愛海と健介は新聞社とテレビ局とは言え、同じ記者同士で接点もあり、いつしか二人は…。

50年にも渡るお話はこれで終わりになりました。
新聞記者の孫が男性で政治家の孫が女性ということで、ロミオとジュリエットみたいになるのかと思いましたが、悲劇ではなく未来に続く形で終わったので、よしとしましょう。
なんか第三部で急にスケールが小さくなっちゃって、読みやすかったけど残念でした。
令和は個の時代なんですかね。
もっと新聞記者に暴れて欲しかったです。


<わんこの一日>


夏と違い、陰が長いです。


どうやっても正面から撮らせてくれません。


そっぽを向いています(悲)。おやつが必要か…。


兄の真似をして弟まで…。