光が丘公園に行く♡ ― 2024/06/15
暑い日は公園に行こうということで、光が丘公園へ行って来ました。
約60万平方メートルもあり、東京都23区内で4番目に大きな公園です。
(一位:都立水元公園(葛飾区)、二位:葛飾臨海公園(江戸川区)、三位:舎人公園(足立区)、四位:光が丘公園(練馬区・板橋区)、五位:新宿御苑(新宿区))
戦前は農村でしたが、戦中は成増飛行場になり、戦後は米軍家族の住宅地になり、「グラントハイツ」が作られました。
1973年に全面返還され、1981にグラントハイツ跡地の北側部分に光が丘公園ができたそうです。
公園の下には巨大な貯水槽があり、防災公園という役割もあるそうです。
(参考:「とっておきの練馬」、特集記事”光が丘公園の昔から今へ”)

体育館や野球場、陸上競技場、弓道場、図書館など様々な施設があります。
イチョウ並木を歩いて行くと、毎週土曜日に開催されているparkrunの人たちが走っています。

わんこたちは嬉しそうに歩いています。兄はハイになって、走ろうとするので、止めます。

兄は笑顔ですが、今日は野原には行きませんよ。

売店があり、公園のパン屋と書いてあったので、どんなパンが売っているのか興味がありましたが、わんこたちがいるので、見られませんでした。

芝生広場ではバイオリンやギターを弾いている人がいます。

鳥がいるのか、おじいさんたちがバードウォッチングをしています。

思ったよりも暑く、わんこたちは舌を出しています。

兄は優雅に水を飲んでいますww。

アララ、暑さに弱いヨーキーですねぇ。

兄は途中まで歩いたら、スリングに入ります。
スリングもいいみたいです。

この煙突みたいなものは何でしょう?
芝生広場というのに草がボウボウになっているのが気になりました。
もう夏みたいなものなので、家をもっと早く出て、7時前には公園に着きたいものですが、そうすると、ママは寝不足になりますわww。
アマンダ・スケナンドール 『にせ者が看護師になる方法』 ― 2024/06/17

1883年、ニューヨーク市。
スリのウーナは十一歳の時に故買人のマーム・ブライに拾われ、盗みの術を仕込まれた。
それから十四年が経った。
ある日、ウーナはルームメイトのデイドラと踊りに行き、男からカフスボタンを盗む。
ちょっとした出来心から、カフスボタンをマーム・ブライではなく、流しの故買屋トラベリング・マイク・シーニーに売ることにする。
一人で会いに行こうとすると、デイドラが嗅ぎつけて、いっしょに行くと言い張るので、仕方なく連れて行く。
トラベリング・マイクに指定された場所に行くと、彼が男にベルトか長いロープで首を絞められていた。
二人は巡査につかまり、デイドラの嘘からウーナはトラベリング・マイク殺害の犯人にされる。
警察から逃げ出したウーナは、雑誌の<女性の新しい職業>という記事に書かれていたベルビュー病院看護学校の学生募集に興味を持つ。
知り合いの新聞記者バーニーの助けを得て、なんとかウーナはベルビュー病院看護学校にもぐり込む。
ここに居れば、部屋も食事もある。ほとぼりがさめるまでの我慢だ。
看護師長のミス・ハットフィールドからは目の敵にされるが、見習いのみんなはウーナに親切だし、ルームメイトにも恵まれ、なんとか続けられそうだ。
そんな時に病院で不審死が起る。
ウーナはルームメイトのドルーといっしょに調べ始めるが…。
最初はガラの悪いあばずれ女(失礼)だったウーナですが、病院で様々な患者と接し、彼女のことを大事に思ってくれる研修医のエドウィン・ウェスターヴェルトやルームメイトのドルーと親しくなるにつれ、元来の彼女の良さが出てくるようになります。
いくらなんでも、看護学校に入れないでしょうとは思いましたが、今とは違い、昔は身分を偽るのは簡単だったのでしょうね。
彼女の身元がバレても、彼女のよいところを尊重してくれる人たちがいてよかったです。
ナイチンゲールが生きていた頃の病院の様子がよくわかります。
手を消毒せず、その手を患者の体の中に入れてピストルの弾を抜こうとする医師を殴ってやりたくなりましたww。
<美味しいお酒>
わたしはお酒は飲めませんが、夫が大好きです。
この頃、彼が気にいっているのがレモンサワー。
わざわざ写真を撮れと五月蠅いので、撮ってみました。

缶を開けます。

シュワシュワと泡が立ちます。

アラ、何かが見えて来ました。

もしや…。

レモンスライスでした。
すごいですね。見ているだけで面白いです。
このレモンサワーは甘いのと甘くないのと二種類あります。
ビール会社の回し者ではないので、詳しくは書きませんが、レモンサワーで調べると出てきます。
お酒のお好きな方は是非試して下さい。
大崎梢 『春休みに出会った探偵は』 ― 2024/06/18

「きらきらを少し」
中三になる前の春休みに、安住花南子の父親がシンガポールに赴任することになり、花南子は83歳になる父の祖母の五月が大家をしている、築三十五年という古アパート、「さつきハイツ」の102号室で暮らすことになる。
食事は五月が作り、彼女の部屋の101号室でいっしょに食べる。
とことが、五月がぎっくり腰になり、病院に入院してしまう。
そんなある日、郵便受けに茶封筒が入っていた。開けてみると、その中に「直井善弥」に関する書類と写真、地図が入っていた。
花南子は隣のクラスの根尾新太から、直井のことを聞いていたのを思い出す。
直井は老人のひとり暮らしで、この前、夜中に大きな物音や悲鳴のようなものが聞え、近所の人が不審に思い、翌朝、チャイムを押したり、雨戸を叩いたりしたが、誰も出てこないので、警察が呼ばれたという。
根尾は直井の家がよく見えるアパートの二階に住んでいたので、直井の不在を不思議に思っていたこともあり、花南子と根尾は直井のことを調べてみることにする。
「ここだけに残っている」
直井の件で助けてもらった「さつきハイツ」203号室に住む今津カホルは調査会社に勤める調査員で、花南子と根尾は彼を探偵と認定している。
ある日、花南子の部屋を覗く不審者が現れる。花南子は今津に相談し、しばらく様子を伺ってもらう。
すると、不審者が現れ、今津が跡をつけるが、逃げられてしまう。
不審者は中学生狙いの変質者か?
それとも、父親と関係があるのか?
「マイホームタウン」
根尾が今津に相談があるらしい。
二ヶ月前にとなりの部屋に引越してきた若い男が根尾の母親の跡をつけているという。彼は何故か母親が川清掃のボランティアをしているのを知っており、自分もやりたいと言って、今度母親と一緒に行くのだそうだ。
彼を見張るために、花南子と根尾も川清掃のボランティアに参加すると、彼から人を探して欲しいと頼まれる。
「おばあさんがいっぱい」
今津が急に引越してしまい、がっかりする花南子。
花南子は五月から、彼女の古い友だち、相馬希実子が犯人と疑われたという、四十六年前の相馬家アクセサリー事件のことを聞く。
事件後の相馬家について話してくれた翌日、五月はちょっと調べてくると言って出かけたっきり帰ってこない。
心配になった花南子は根尾といっしょに今津の会社に行き、五月のことを相談するが、今津に「おとなしく家に帰れ」と言われる。
花南子と根尾は相馬家に行ってみることにする。
「ここから上がる」
今津が直井の依頼内容を聞きに来ることを突きとめた花南子は、今津に会えないかと直井家の近くまで行くと、根尾の住むアパートの火災に遭遇する。
花南子は取り残された子どもを助けに行くが、煙に巻かれてしまい…。
図書館では一般書ではなく、YA(ヤングアダルト)になっていましたが、大人が読んでも大丈夫です。
とにかく好奇心旺盛な花南子が根尾君といっしょに、後先考えずに身近に起る謎に首を突っ込んでいくというお話です。ホント、危ういです。
そのフォローをするのが今津。
最後に明らかになる今津の正体には驚きました。
軽い日常の謎を解くのかと思って読んでいたら、結構今っぽい重い内容です。
表紙が可愛すぎですよ。小人のお婆さんがいっぱいwww。
根尾君、最後にいいことを言ってくれています。
「コップを大きくすればいい」
「どうやって」
「安住さんも勉強しなよ。いろんなことを学んで、本を読んだり人と会ったりしていると、たぶんコップは大きくなるんだ。飛んでも跳ねても水はこぼれなくなる」
いっしょに湘南高校に入れればいいですね。
湘南高校って本当にあり、偏差値72だそうです。
神奈川県立高校の中ではピカイチですね。
病院は疲れる ― 2024/06/20
今週は歯医者、眼科、内分泌科と通院し、もう病院に行くのは嫌だという気持ちになりました。
どの病院も家から30分以内で通えますけど、なんでしょうね、病院には悪い気が漂っているのでしょうかね、疲れます。
コロナ禍で家の近くに変えた眼科は、大学病院から派遣される医師が1~2年毎に変わるので、どうしようかと思い始めました。(今回の三人目の医師が…)
前の主治医のところに戻るか、その病院の常勤医師に変えてもらうか、1~2年毎に変わるのをよしとし我慢するか。
一生病院に通う身としては、気のあう主治医ならいいのですが、そういうのを望むのは無理みたいだし…。
医者に通うのがストレスになってますわ、笑。
ストレスが溜まったら、ワンコです。

歯磨きとブラッシングをした後、兄はソファに居座ろうとします。(ちなみに歯磨き、ブラッシングは毎日です。やらないと犬も歯周病になりますし、毛玉がつきます)
ママがもう部屋に帰ろうよというと、こういう風にソファにへばりつきます。

絶対に動こうとはしません。
この「ナンですか、ぼく、帰りませんよ」という絶対に目を合わせない、この表情が憎たらしい、いいえ、可愛いですww。
この前、このワンコはママのベッドの上で吐きました。
しばらく悪いことをしたと反省していましたが、今はすっかり忘れて、甘えています。
<今週のお届け物>

スウェーデンのtehuset JAVAの紅茶です。
アールグレイローズとルイボス・ルバーブ・クリーム。
この頃、ルイボスティーに凝っているので、飲むのが楽しみです。
警察小説シリーズ(文庫本)3冊 ― 2024/06/21
文庫本がたまってきたので、三冊一遍に紹介します。

堂場瞬一 『陰からの一撃 警視庁追跡捜査係』
昨年の新橋社長殺しの指名手配犯が、千葉で起きた交通事故で死んだ。
未解決事件を専門に再捜査する追跡捜査係の沖田は、追跡捜査係が手を出す事件ではないとは思うが気になり、千葉県警の知り合いや所轄の交通課長から情報収集をする。
その日、同じ追跡捜査係の西川の家の郵便受けに宛名のない白い封筒が入っていた。開けてみると封筒の中にはワープロで書かれた手紙が入っていた。
千葉県市川市で交通事故死した佐木昌也は社長殺しの犯人ではない。彼のアリバイを知りたかったら、明日、晴海ふ頭公園内の水産庁船舶専用桟橋前に一人で来いというようなことが書いてあった。すぐに沖田に手紙をスキャンして送った。
次の日、西川は社長殺しの事件の資料を見返し、一人で晴海ふ頭に行くことにする。沖田は追跡捜査係の後輩の林と牛尾にも協力を求め、西川に気づかれないように尾行することにする。
しかし、西川はそこに来た男に襲われ、男は逃走する。
西川は入院し、沖田は西川に恨みを持っていそうな男を調べてみることにする。
警視庁追跡捜査係シリーズの12作目。
前回の『不可能な過去』の時は仲のいいおじさんコンビという感じでしたが、今回はいい年をしているのに、絡み方がなんか若者風(?)というか年輪が感じられないって言うか、重みがないというか…。
この二人は他のシリーズの主人公たちに比べるとあまり印象に残らないですね。
立川署の伝説の刑事・岩倉剛や特殊な「目」の持ち主、SCU(特殊事件捜査班)の八神、総合支援課の柿谷晶などが出てきます。
柿谷は相変わらず嫌な女で、もう少し違った描き方ができないですかね。嫌な女は書きようがない?
注目したのがSSBCの東田君。どこか他のシリーズで出てきましたっけ?
定年後の話をする沖田と西川の二人よりも、他のシリーズの誰が出てくるのかが楽しみなシリーズです、笑。
麻美和史 『殺意の輪郭 猟奇殺人捜査ファイル』
深川署の管轄内で三件の猟奇的な殺人事件が立て続けに起る。
三件目の被害者は現役刑事だった。
刑事課の捜査員、尾崎隆文は赤羽署から異動してきた、モデル並みの容姿の広瀬佳純と組み捜査にあたるが、不可解な広瀬の態度に尾崎は苛立ちを覚えていた。
新シリーズです。
尾崎と広瀬の新コンビがこれからどう変わっていくのか、興味があります。
「猟奇殺人」とはいえ、まだアメリカには負けています。頑張ってすごいのを書いて下さいねww。
それにしても、女刑事は美人じゃないとダメなんですか?
佐藤青南 『ツインソウル 行動心理捜査官・楯岡絵麻』
警視庁捜査一課の取調官、楯岡絵麻は尊敬と畏敬に由来する呼び名の『エンマ様』と呼ばれ、しぐさから嘘を見破り、被疑者を百発百中で自供に導く取り調べのスペシャリスト。彼女の同僚の若手刑事の西野は絵麻の記録係をしているが、いつも絵麻に無茶ぶりされ、翻弄されている。
今回の被疑者は四人。
「第一話 人気者を殺ってみた」
被害者は動画投稿の人気者で、江東区千石の路上裏で見知らぬ男に因縁をつけれら、殴られ、脳出血を起こし死亡。
被疑者は指定暴力団・笹尾組の構成員で、事件への関与を否認し続けている。
「第二話 歪んだ轍」
買い取り要請の依頼を受け、港区白金に行った古物商『マルフジジュエリー』の社員二人が路上で刺される。彼らは七千万円をキャリーバックに入れて持ち出していたというが、その現金がキャリーバッグごとなくなっていた。
犯人のうちの一人は捕まり、事件に関しては知らぬ存ぜぬで押し通している。
この被疑者は前にも強盗傷害容疑で捕まっていて、出所後は更生しているようだったが。
「第三話 トンビはなにを産む」
足立区梅島のアパートで一人暮らしをしながら介護職に就いていた河北小百合が凄惨な暴行を受けて殺害されているのが見つかる。被害者は勤務する『とどろきケアサービス』の顧客、澤山松五郎と養子縁組をしており、澤山は被害者が殺害される二日前に死亡していた。さらに驚いたことに、澤山の入院から河北の殺害までの五日間の間に、養子縁組が解消されていたのだ。遺産相続人は娘の矢内好美のみだという。絵麻は好美の取り調べをする。
「第四話 きっと運命の人」
日比野達哉は週末の原宿の竹下通りに刃渡り十七センチの包丁を持って現れ、通行人を襲撃しようとして、銃刀法違反と傷害未遂の現行犯で逮捕された。
その三日後に西野の交際相手がゴシップ誌の記者に、「日比野が社会に戻ってきたらあなたが狙われるかもしれないから気をつけたほうがいい」と言われる。記者の狙いはなんなのか?
被疑者の取り調べをしているうちに、絵麻は事件の裏にいる人物に気づく。
間違って私は一作目の『サイレント・ボォイス』とこの本を読んでしまいました。
調べてみると、2015年に一作目から三作目まで読んでいました。この本は八作目なんですね。
残念ながら絵麻の性格に深みが感じられず、ただのがさつな女にしか思えません。
読みやすいですし、人の嘘を見抜くためのノウハウがわかるかもしれないので、興味のある方は一冊読んでみるといいでしょう。
わたしは絵麻に全く魅力を感じないので、もういいですわ。
麻美さんの新シリーズがこれからどのように展開していくのかに注目していこうと思います。
トリミングに行く ― 2024/06/22
月一回のトリミングに行ってきました。
兄の膝はもう大丈夫で、普通に歩くぶんにはなんともありません。
もう野原では走らせません。舗装道路よりも土の方が膝にはいいといいますが、野原は凸凹しているし、駆けると膝に負担がかかりますものね。

耳の毛が長くてうねっていますね。

弟はいつもよりも少し短くしてもらいました。

兄に匂いを嗅がれて緊張している弟。

アラ、眠いのかしら?それとも嫌なの?

おやつを見せると、寄ってきます。

「はい、お座り」
おやつの力はすごいですねぇ。

弟が舌出しをしたので、そろそろ終わりにしましょうか。
兄、3.3㎏、弟、3.5㎏。弟を抱くとズシッとします。
こうしてみると、まだ仔犬みたいですが(親バカ?)、兄が12歳、弟が8月で10歳ですので、人間の年に例えると、64+56=120歳になります。
犬は見かけでは人間よりも若く見えるのかしら。
羨ましいですぅwww。
読んだ時代小説(文庫本) ― 2024/06/23

知野みさき 『照らす鬼灯 上絵師律の似面絵帖』
律が夫の涼太と滝野川村まで忌問に行った帰りに、律の母の美和が辻斬りにあった場所で美和の冥福を祈ろうとしたところ、大阪から来た余助という男と出会う。
友人が辻斬りに殺されたという。
その夜、旅籠で追剥に襲われた親子を助けたという余助に再会する。
それから五日後、池見屋を訪ねた律は名指しで二人の客が着物を求めて来たと聞かされる。
しかし、女将の類は一人は断り、もう一人も断ろうかと迷っているという。
というのも意匠は「地獄」。自分を裏切ったおかみへの意趣返しに地獄絵を入れた死装束を仕立てたいというのだ。
描こうとしたが、描けず、結局、律は断る。
地獄絵や死装束を考えているうちに両親と行った鬼灯市を思い出した律は、鬼灯の絵を描いてみようと思う。
そんな律に亡き娘の供養として梅見の宴に着る鶯の着物の注文が入る。
その頃、茶葉屋・青陽堂に七朗と健生という二人の新しい奉公人が入る。
律には弟子入りしたいという男が現れる。
そして、余助がいきなりやって来る。
彼は律が描いた似面絵を見、知っている男だという。
たまたまやって来た定廻り同心の広瀬保次郎に紹介するが、余助は早々に帰って行く。
広瀬は余助に胡散臭さを感じたようだ。
そんなある日、涼太が出かけたまま翌朝になっても帰って来ない。
律が心配していると、「りょうた」という者が川に落ち、死亡したと話しているのが聞える。
急いで近くの番屋に駆け込むと…。
どんな意匠の着物かと想像するのが楽しみなシリーズです。
今回、律は沢山の似面絵を描いているので、途中で誰が誰か、わからなくなりそうでした。
相変わらず涼太は御用聞きの仕事を手伝い、落ち着きません。
若旦那なんだから茶葉屋の仕事を優先しないとね。
私としては着物にまつわる人情話を書いて欲しいのですけど…。
次にもう一つの女職人シリーズ「神田職人えにし譚」が読めるのを楽しみに待っていますわ。
このシリーズの一巻から載せておきます。
①『落ちぬ椿 上絵師律の似面絵帖』
②『舞う百日紅 上絵師律の似面絵帖』
③『雪華燃ゆ 上絵師律の似面絵帖』
④『巡る桜 上絵師律の似面絵帖』
⑤『つなぐ鞠 上絵師律の似面絵帖』
⑥『駆ける百合 上絵師律の似面絵帖』
⑦『しのぶ彼岸花 上絵師律の似面絵帖』
⑧『告ぐ雷鳥 上絵師律の似面絵帖』
⑨『結ぶ菊 上絵師律の似面絵帖』
⑩『照らす鬼灯 上絵師律の似面絵帖』

篠綾子 『幽霊草 小烏神社奇譚』
竜晴と泰山たちが旅から帰り、小烏神社に穏やかな日々が戻っていた。
そんなある日、気狐の玉水が妖狐に憑かれる。
伊勢家を祟った二尾の狐が舞い戻ってきたのかと警戒する竜晴。
そんな頃に、竜晴たちが留守の間に訪ねてきた少女の小ぎんがやって来る。
姉のおぎんを探して欲しいという。
小ぎんはおぎんが行方知らずになったのが何年前かも、どこの山でかも、二人はどこに暮らしていたのかも言えない。
別の日に姉の大切にしていたものを持ってきてもらい、竜晴が術をかけてみると、姉が亡くなっているのがわかる。
同じ頃、江戸の町で男たちが突然行方知らずになり、その場所に銀竜草の花が咲いているという事件が起きる。
銀竜草は小ぎんにゆかりの草であるため、小ぎんがこの件に関わっているのではないかと竜晴は心配する。
今回も悲しい出来事がありました。
今はそうではないかもしれませんが、物のなかった昔は物を今以上に大事にしたので、物に念がこもり、付喪神なんかになったんでしょうかね。
そうそう、気狐ってなんだって思ったでしょう。
調べてみました。
狐の妖怪には格付けがあるそうです。
「天狐→仙狐→空狐→気狐→野狐」で、天狐は神と等しい存在で、野狐は悪事を働く低級妖怪だそうです。
玉水は修業の身の気狐だったのですが、お話の最後に気狐の倍の神通力が使える空狐になりました。出世しましたねぇ。
このシリーズの一巻から載せておきます。
①『弟切草 小烏神社奇譚』
②『梅雨葵 小烏神社奇譚』
③『蛇含草 小烏神社奇譚』
④『狐の眉刷毛 小烏神社奇譚』
⑤『猫戯らし 小烏神社奇譚』
⑥『吾亦紅 小烏神社奇譚』
⑦『梔子の木 小烏神社奇譚』
⑧『龍の髭 小烏神社奇譚』
⑨『幽霊草 小烏神社奇譚』
花の名前が題名になっていますが、読めますか?
今回の「幽霊草」は「銀竜草」のことで、葉緑体を持たないため真っ白で、薄暗い場所に咲くので、「幽霊草」とも呼ばれているようです。
日本全土に分布していると言いますが、私は見たことありません。
読んだ文庫本 ― 2024/06/25

ほしおさなえ 『言葉の園のお菓子番 未来への手紙』
一葉が亡くなった祖母が通っていた連句会「ひとつばたご」で連句を初めてから二年が経つ。
勤めていた書店が閉店し、無職になったが、今は連句仲間から紹介された谷中にある「あずきブックス」に勤めている。
ある日、一月の連句の大会で知り合った「きりん座」の城崎大輔からメールが来て、「きりん座」のメンバー数人があずきブックスに来ることになる。
そのことがきっかけになり、あずきブックスに同人誌を置くことになり、「ひとつばたご」と「きりん座」の交流が始まる。
「きりん座」の同人誌に、一葉は若い頃に夕やけだんだんを撮り、区のアマチュア写真コンクールで三席を取ったことのある父とのことを書く。
このエッセイに坂の写真を撮るのが好きな大輔が撮った夕やけだんだんの写真が組み合わせられることになる。
大輔が父の夕やけだんだんの写真を見たいというので見せると、同じ場所を撮影して、いまとむかしの二枚を並べ、そこに一葉がエッセイやイラストを描き、雑誌をつくろうという話になる。初回は谷中・根津。
さまざまな人との出会いから広がる未来。
一葉にやっと春が来るのか…。
今回出てくるお菓子の中に、「パティシエ ショコラティエ イナムラショウゾウ」のショコラがありました。ケーキは食べたことがありますが、ショコラはどうだったかなぁ?
しょうがとミルクチョコレートをつかい、夕やけだんだんをイメージしたという「谷中」は食べてみたいです。
家から遠くなったので、あまり行かなくなった谷中ですが、涼しくなったら行ってみようかしら。
仙川環 『カナリア外来へようこそ』
西武新宿線と西武池袋線の中間辺りにある街で、保泉クリニックは過敏症の人のために特別外来を始めた。
院長は保泉則子という無愛想で仏頂面の医師。看護師は優しいけれどおちょこちょいのレン君。彼女たちのところにさまざまな患者とその関係者がやって来る。
<1>においに敏感で、化学物質や人工香料のにおいを嗅ぐと頭痛がしてくると会社に言ってあるが、なかなか理解してもらえなくて悩んでいる若い女性。
<2>去年の冬から倦怠感と頭痛で起き上がれない。夫が退職して家にいる時間が長くなってからだ。夫源病か?夫とはもういっしょに暮らせない。家を出たいと思っている女性。
<3>昨年の夏に突如として味覚障害になり、塩味、甘味、苦味などを通常の何倍も強く感じるようになった料理人。
<4>かつて手足に発疹が現れ、腫れ上がった娘が日光や紫外線に弱いと決めつけ、外遊びをさせない妻に反旗を翻す夫。
<5>シックハウス症候群の対策をした注文住宅を手がけている馬塲の注文主が引き渡し後に頭痛がする、喉も痛い、この家はシックハウスだと言い出す。
家には問題がなく、持ち込んだ家財道具に問題があるのではないかと思うが…。
過敏症といっても色々とあるんですね。なかなか人には理解してもらえないものですよね。
「国や自治体、業界団体やメーカーへの抗議も必要だろう。でも、それだけでは足りない。理解してくれる人を増やす必要がある」
「無関心な人を一人理解者に変えたら、その人がさらに和を広げてくれるかもしれない」
「当事者と一緒になって、世の中を変えていく。寄り添うというのは、そういうことだ」
理解されないから、もう人に言うのは止めてしまおう、などと思ってしまいがちですが、その中の誰かが理解してくれるかもしれません。
疲れますが、言い続けることが大事なのかもしれませんね。
「カナリア」は炭鉱のカナリア、「まだ起きていない危険や、目で感知できない危険を知らせる人」のことです。
二冊ともお勧めです。
『カナリア外来へようこそ』は続きを書いて欲しいですね。
川瀬七緖 『詐欺師と詐欺師』 ― 2024/06/26

伏見藍、三十三歳独身。日本とアメリカの二重国籍。欧米で詐欺をして稼いでいたが、ヤバくなったので、日本に一時的避難をしている。
そんな彼女がある政治家のパーティーで上条みちると出会う。
みちるは両親の仇を探している。
探すためには金がいるので、悪党から金を巻き上げながら日陰を生きてきたという。
みちるの復讐計画は杜撰で、彼女に関わるとろくなことにはならないのは目に見えている。
しかし、みちるに興味を持った藍は、みちるに協力することにする。
沈着冷静だけど情に脆い藍。
金を使うことを異常に嫌い、世間知らずだけど、どこか憎めないみちる。
この二人が組んで、何かいいことあるのかな?
藍は詐欺師だけど、みちるは…?
対象的な二人の女が壮大な詐欺事件に関わるお話だと思い読み始めたんだけど、全く違いました。
だんだんとスケールが小さくなっていき、最後の方が不気味なお話になってしまい、残念な終わり方でした。
人によっては好きなお話かもしれませんが、私には向いていませんでした。
お願いです。こういうお話よりも法医昆虫学捜査官シリーズの続きを書いて下さいませ。
遠藤彩見 『虹を待つ 駆け込み寺の女たち』 ― 2024/06/28
ちょっと忙しいので、一冊だけ紹介します。

鎌倉の東慶寺と同じ縁切寺で有名なのが、上州満徳寺です。
現在の群馬県太田市にあります。
日本橋から歩いて二日かかると書いてありますが、googleさんによると徒歩17時間強みたいです。
すごいですね。一日8時間以上歩き続けるとは。それだけ離縁への気持ちが強いということですね。歩かない場合は駕籠を使っていますけどww。
寺には尼住職の慈白と尼弟子の智栄、寺男の慶造、そして寺役人がいます。
寺に次々と訳アリ女たちが駆け込んできます。
さて、どういう人たちなのでしょうか。
第一話 妻の鏡
なつの亭主、大工の倉五郎は陽気で優しい男だったが、祝言から一月が過ぎたあたりから帰りが遅い夜が増えてきた。不思議に思って仲人に相談すると、倉五郎は玄人女と遊ぶのが好きで二十五まで独り者だったということがわかる。
結婚し心を入れかえたのかと思っていたら、さにあらん。倉五郎は仕立屋のはるという女と逢い引きをしていたのだ。
なつはお試しをするために満徳寺に駆け込むが、そこに夫の情女のはるがいるではないか。一体、何故?
第二話 小姑の根っこ
しずは亭主の岩吉と八つの娘のひさ、岩吉の両親と貧しいながらも穏やかに暮らしていた。しかし、夫を亡くした義姉のひさが息子二人を引き連れて出戻って来てから生活が変わる。
ひさは働かない上に義父母を通じて小遣いをねだるので、岩吉としずの負担は増え、夫婦喧嘩が絶えなくなってきた。
二年間我慢に我慢を重ねていたが、娘のおみよに義姉たちが自分たちのやるべき仕事を押しつけるようになっているのを見て、しずは決心した。
第三話 箱入り娘の呪い
十七歳の宇多は十歳年上の米問屋の跡取り、磯右衛門に嫁いだ。
大地主の箱入り娘で大人しい宇多には商売人の家は荷が重く、姑の言うことがことごとく不器用な宇多を嘲るように感じられるようになっていく。
祝言から二月経った頃、宇多は彼女をこっそり見張る人がいるとか、磯右衛門が幼馴染みの女と浮気をしており、宇多に毒を盛って殺し、その女を後添えに迎え入れようとしているとか思うようになり、とうとう我慢できなくなり、寺に駆け込んだ。
第四話 継母の呼び名
勢は夫の桐生直秀が離縁を許してくれないと行って寺に来た。
先妻の光子が病の床についてからの三年間、勢は光子の代わりに彼女の七歳の娘、千代の世話をしてきた。そして光子が亡くなってから、後添いに入ったのだ。
しかし、あれほど勢に懐いていたはずの千代が、勢が後添いに入ると知った日から別人のようになり、それで勢は身を引こうと思ったのだ。
最終話 駆け込み女たちの芯
町名主の治左衛門に嫁いだ紋は、夫の殴る蹴るの暴力に堪えきれず、離縁を考えたが、それに気づいた夫は彼女を家に閉じ込める。ある日、下女が縁切寺の話をしているのを聞き、紋は心を決め、家から逃げ出し、寺に駆け込む。
なつは夫との縁を切ってからも満徳寺に残っている。
彼女は満徳寺の世話役になって、駆け込み女たちを助け、彼女たちが幸せになる手伝いをしたいと思っているのだ。
浮気男やDV夫はいつの世にもいますよね。そういう夫の場合は離縁した方がいいですよね。
でも、互いの思いがちゃんと相手に伝わっていない場合は、誰かいい相談相手がいると、復縁できそうですよね。
その役割を担うのが、尼の慈白さんで、彼女の人を見る目は確かです。
第一話に出てきたなつが寺に残って、慈白の片腕として、駆け込み女たちの面倒をみそうな感じで終わっています。
なつの活躍が見たいので、シリーズになって欲しいです。
一見、不幸な女たちのお話のようですが、何故かそんな風には思えない、すがすがしいお話です。
人生では、何度でも”雨宿り”をして、止んだら歩き出せばいいんです。
そんなことを思わせられるお話です。
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