香山リカ 『61歳で大学教授やめて、北海道で「へき地のお医者さん」はじめました』 ― 2024/07/01

香山リカさんというと精神科医でマスコミによく取り上げられていた人ですよね。
なんであれほどマスコミに登場していたのか?
この頃、メディァに出ていないなと思っていたら、北海道でへき地(むかわ町国民健康保険穂別診療所)の医者をしていると知り、どうしてなのか興味を持ったので、この本を読んでみました。
知らなかったのですが、リカさんは北海道の小樽出身だったのですね。
父親は医師でしたが、娘を医師にさせる気は一切なかったようです。
東京の高校に通うために上京し、一浪して医大に入学。
特に医師になりたかったというわけではなく、東大に落ちたけど、医大に受かっていたので…という感じのようです。
もともとは科学好きで、小学生の時に読んだ本が『少年少女科学名著全集』。
中学では古生物学や天文学に興味を持っていたそうです。
大学時代にポストモダン文化に出会い、「香山リカ」の筆名でコラムやエッセイを書いていました。
ここからして、ちょっと普通とは違う感じですね。
詳しくは本を読んでね。
なんでへき地の医者になろうと思ったのかというと、2016年に偶然、地域医療の最前線で働く同級生たちに出会ったことが発端だそうです。
充実した姿の同級生たちを見て、リカさんはいつか私も地域医療の仕事をやってみたいと思ったそうです。
そして2019年、59歳の時に、リカさんは実際に動き出します。
これには「ふたつの死」が関係しています。
ひとつは母親の死。
母親との関係についてリカさんがどう分析して書いているのか、私は知りませんが、共依存?毒親?っぽいです。
もうひとつは、面識はないらしいのですが、アフガニスタンで亡くなった中村哲さんの死。彼も精神科医だったそうです。
色々とあったのですが、詳しくは本を読んでもらうとして、なんで北海道のむかわ町国民健康保険穂別診療所なのかと言うと、面白いですよ。
リカさんの古生物好きが縁になったのです。
古生物というと恐竜です。
「カムイサウルス」って知っていますか。
えらそうに訊いていますが、私は知りませんでした。
カムイサウルスの化石は2003年に北海道むかわ町穂別地区で見つかりました。
この化石は「恐竜博2019」で展示され、リカさんはそれを見て、魅了されたそうです。
たまたま「北海道地域医療振興財団」のHPに「むかわ町国民健康保険穂別診療所」が副所長の求人を出しているのに気づきます。
北海道のどこなのかとグーグルマップで調べてみると、診療所と200メートルぐらいしか離れていないところに「むかわ町立穂別博物館」があったのです。
これで決まりました。
リカさんはすぐに「北海道地域医療振興財団」にメールします。
リカさんは意外とミーハーなんですね。
人生なんて、いくつになってもどうなるのかわからないものです。
特にリカさんのような才能豊かな人なら、色々とチャレンジできるのでしょうが。
本を読むと、わたしでもできるかもと思わせられるところがいいです。
五十歳を過ぎた方が読んでみると、勇気づけられるかもしれません。
スイスイと読める本ですので、時間がない方でも大丈夫ですよ。
「完璧な計画を作ってがんばっていても、人生、何が待っているかわからない。だとしたら、流れにまかせて、そのときやりたいと思ったこと、急に興味をひかれたことをやれば、それでいいんじゃないかな」
「1年後、2年後、そして5年後の自分はどうなっているか。それは誰にもわからない。おそらくあなた自身にも。どんなことが待っていようとも「これでよかったんだ」とそのときの自分にうなずきながら、変化を楽しみつつこれからの日々を生きていってほしい」
う~ん、こうポジティブに考えられるといいですね。
そうそう、弟さん、いいキャラですね。こういう弟ならほしいですわww。
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