「a human position」を観る2024/11/19

詩人の谷川俊太郎さんがお亡くなりになりました。たくさんの詩をお書きになりましたが、わたしは彼の第一詩集『二十億光年の孤独』が一番好きです。
ご冥福をお祈りします。

ノルウェー映画を観てきました。


夏が始まる頃、オーレスンに住み、新聞社に勤めるアスタは手術の後の療養生活を終え、出社する。
取材したのは、ホッケーチームやアールヌーボーの建物を保存するためのデモ、クルーズ船の景気など、地元のことだ。

アスタはガールフレンドのライブと猫といっしょに暮らしている。
ライブは古い椅子を修復し、キーボードで作曲しては歌っている。
二人は料理をしたり、ゲームをしたり、古い映画を観たりして穏やかに暮らしている。

ある日、ライブから新聞に載っている移民の子の記事を読んだかと聞かれる。
十年間ノルウェーに住み、働いてきた移民のアスランが労働法違反で強制送還されたという記事だ。
アスタはその記事に惹かれ、独自に調べて行く。


オーレスンは港町で、1904年に大火に見舞われ、町の中心部が焼失し、復興の際にユーゲント・シュティール建築の建物に建て替えられたそうです。
ユーゲント・シュティールはドイツ語で、「アール・ヌーボー」と同じ意味です。
物憂い、絵画のように美しい町です。

アスタは病気で子宮を摘出したのでしょうか。
どことなく悲しそうな様子です。
ライブはそんなアスタを心配しながらジッとそばで見守っている感じです。

二人で料理をしている場面が面白かったです。
何を作っているのでしょうか。
アスタは水中眼鏡(?)をつけて玉ねぎを沢山切っています。
ライブは着物、アスタは柔道着を着ています。
その後、丼ものを食べ、囲碁をしたり、日本映画を見たりしています。
「すみれの花、咲くころ」という歌が聞こえてきました。
監督は小津映画が好きだということなので、「お茶漬けの味」でも見ているのかもしれませんね。

アスタはライブに椅子を、ライブはアスタに歌をプレゼントする場面がいいです。
そういえばアスランが座っていた椅子がでてきます。
ライブはどうも移民の子のようです。
アスタの病気がきっかけとなり、アスタがライブに壁を作ってしまい、ライブはなすすべがなく困っていたのかもしれません。
でもアスランのことを調べるうちに、アスタはライブの置かれている立場に気づき、ここがあなたの居場所、ここにいてということを示したくなったのかもしれませんね。

特にこれといって何も起こらない、アスタの心の変化が映像で淡々と描かれている映画です。
私はつい心地よくて眠りに誘われてしまいそうになりましたww。

本編映像&予告編

つまらないことが気になるのですが、歯磨き。
最後に口をゆすぐのが、ライブが軽く一回でアスタがゼロ回。
イギリスでは口はゆすがなくていいと言われているとどこかのブログに書いてあるのを見ました。
ネットで調べると、歯磨き粉の中にフッ素や抗菌薬、抗炎症薬が含まれているので、軽く一回がベストだそうです。
古い時代のわたしは知りませんでした(恥)。
あなたは知っていましたか?