デ・ラ・モッツ&モンス・ニルソン 『死が内覧にやってくる』2025/12/26

スウェーデン・ミステリの新シリーズ。


ストックホルムの国家殺人班の犯罪捜査官ピエテル・ヴィンストンは娘のアマンダの十六歳の誕生日パーティに出るためにスコーネ地方の田舎町エステリエンにやって来た。
元妻のクリスティーナが再婚してエステリエンに住んでいる。
ここ三年ばかり、誕生日パーティの参加を断っていたが、失神発作が起こるようになり、疾病休暇を取るように言われたため、娘の誕生日パーティに参加することにしたのだ。

ヴィンストンはなんとか苦手なパーティを乗り切り、パーティの翌日にクリスティーナに誘われ、ギスレブビーチにある物件の内覧に行く。
ところがそこでセレブな不動産ブローカーで有名なジェシー・アンダーソンの遺体を見つけてしまう。
ジェシー・アンダーソンはギスレブビーチの海際に豪邸を建てるという不動産プロジェクトを立ち上げ、早々に建築許可をとりつけ、地元民の怒りをかっていた。
彼女は住民を懐柔するために、村の自治会が欲しがっていた彫刻を買って、内覧物件に飾り、その家が売れば彫刻を村に寄贈すると言っていた。
皮肉なことにジェシー・アンダーソンはその彫刻、真鍮製の巨大な釣り針、ザ・フックに刺さって死んでいたのだ。

たまたま現場にいたため、ヴィンストンはアドバイザーとして初めて殺人事件を担当する地元シムリスハムン署の犯罪捜査官トーヴェ・エスピングの捜査を手伝うことになる。

北欧ミステリというと、風光明媚な土地ととっつき難い住民たちが出てくる暗いトーンのお話という感じですが、このお話は全く違い、明るいです。
ヴィンストンは上質な三つ揃いのスーツを着て、高級革靴を履き、モレスキンの革製のノートを使っているというスウェーデンらしからぬ人で、潔癖症。
動物が苦手で、車が牛たちで通れないのに牛が怖くて追い払えず、借りたコテッジにいる猫にも近づけないという、情けない人です。
対するエスピングは、地元出身で自分に自信があり、捜査を一人でやりたくてたまらず、ヴィンストンが邪魔で仕方がないという女性です。
うまく行きそうもない二人ですね。

スコーネ地方は元デンマークだったということもあり、方言も独特で独自の文化があるそうです。
次回が楽しみなシリーズです。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2025/12/26/9826272/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。