読んだ漫画 ― 2022/12/09
腸内フローラ検査というものがあるというので、やってみました。
結果はC判定で、腸内フローラのバランスは可もなく不可もなく標準的でした。
腸内細菌の多様性は低めでしたが、健康長寿の人に多いビフィズス菌とフィーカリバクテリウム属は豊富とのこと。
大腸がんやポリープとの関連が示唆されている菌はほぼ検出されなかったそうです。
ショックだったのは、やせ菌が少ないことです。だから太っているのかと頷けましたけど、肥満菌は多くないのです。
ひょっとすると、やせ菌を増やすと痩せるのかしら?
やせ菌を増やすには果物やヨーグルト、乳酸菌飲料、玄米雑穀米の摂取がいいそうです。
実は果物やヨーグルトなどは食べると、特に冬には体が冷えるような感じがするので、あまり食べていません。
玄米は胃の消化に良くないので、苦手なのです。
避けている食べ物が腸内フローラに影響しているのですね。
これからちゃんと食べるようにします。

中山有香里 『泣きたい夜の甘味処』
連作短編漫画。
熊と鮭が営む真夜中だけ営業している甘味処は、毎日一品だけスイーツを提供している。
毎日の生活に疲れた人がふと店の前で立ち止まると、優しい店主が店に誘ってくれ、出されるスイーツが心を癒やしてくれる。
誰でも泣きたくなる日はある。一時、スイーツに身を委ねると、また進んで行ける。
レシピはそれほど難しものではないので、誰でも作れそうです。
疲れて何もかも投げ出したくなる時や心が傷ついた時、悲しい時…などに読むと泣けてきますよ。
中山有香里 『疲れた人に夜食を届ける出前店』
今度はクマの夜食の出前店のお話。従業員はサケ、ゴリラ、ネコ。
頼みもしないのに、夜食が届くのがいいですね。
家にも来てくれないかしら。
レシピはご飯もので、卵を使うものが多いみたいです。
私としては野菜が少ないのが気になりますww。
内容は『泣きたい夜…』の方が心に響きます。
ゆざき さかおみ 『作りたい女と食べたい女 1~3』
小食の野本さんは一人暮らし。料理を作るのが大好きで、いつかゲームに出てくるレシピの再現やデカ盛り料理、大量に作る系の料理を作りたいと思っていた。
ある日、隣の隣に住む女性、春日さんがフライドチキンを大量に持っているのを見かける。たまたま話をすると、彼女が一人で食べると言う。
別の日、野本さんは料理を大量に作り過ぎてしまい、処理に困って春日さんに助けを求める。そうすると春日さんは見事に全部平らげてしまう。
それから二人は予定が合えば一緒に食事をするようになる。もちろん野本さんが作って、それを春日さんが食べるのだ。
取り上げているテーマがジェンダーとLGBTQです。
野本さんも春日さんも家族から強いられている役割から逃げだそうとしています。
まだまだ日本は遅れていますからねぇ。
二人の関係がどうなっていくのか。これからの展開が楽しみです。
オノ・ナツメ 『僕らが恋をしたのは 1~3』
教授、キザ、ドク、大将の四人は定年後、山奥の暮らしを楽しんでいる。
そこにひとりの女神がやって来る。彼女は一人旅の途中で、蕎麦屋にあった貸家の張り紙を見て来たという。その家は教授が借りているので、完成間近のログハウスを貸すことになる。
男たちは彼女を「お嬢」と呼ぶことにする。
お嬢は元女優らしいが、一体何のために山奥までやって来たのか。
疑問に思いつつも、お嬢の魅力に翻弄される男たち…。
謎めいた女性の過去が気になります。
男四人の楽園は続いて行くのか、それともこの女にメチャクチャにされるのか。
年老いたイケメンはいいですね。私の好みは…。
今回の漫画はすべてオススメです。
鷹野久 『午後3時 雨宮教授のお茶の時間 4』 ― 2022/06/22

私立青葉学院大学の雨宮教授は文学に出てくるイギリスのお菓子を作るのが趣味。
イギリスから日本に来た姪のサヤが日本の学校に溶け込めないのが心配でした。
サヤはイギリスのおばあちゃんにお菓子作りを教えてもらっていたので、雨宮はイギリスの物語の中に出てくるお菓子をサヤに教えて貰うことにします。
(1・2巻はこちら)
今回のお菓子は次のものです。
『クマのプーさん』から「バースデーケーキ」
『ツバメ号とアマゾン号』から「バースバンズ」
『エマ』から「アップル・ダンプリング」
『指輪物語』から「ブラックベリータルト」
『サイラス・マーナ』から「ポーク・パイ」
『おちゃめなふたご』から「ヴィクトリアサンドイッチ」
三巻の本とお菓子を書いていなかったので、書いておきます。
『花の魔法、城のドラゴン』から「コーニッシュパスティ」
『ポケットにライ麦を』から「チョコレートケーキ」
『ダレン・シャン』から「ストロベリーチーズケーキ」
『クリスマス・キャロル』から「ミンスパイ」
『グリーン・ノウの子どもたち』から「クリスマスプディング」
『ハリー・ポッター』から「ロックケーキ」
番外編:『秘密の花園』から「クランペット」
サヤも中学校に入学し、どうにか学校や学校外でも友だちができ、日本の生活に慣れてきたようです。
そんなわけで、このお話も今回が最後となります。
この巻で私が作ったことがあるのは、ヴィクトリアサンドイッチ。
材料さえ用意できれば、すぐに簡単にできます。
小学校以上のお子さんに何を読ませればいいのかわからない方はこの漫画を参考にして、出てくる本を読ませるといいと思います。
本にレシピが載っているので、お子さんと一緒に作ってみるのもいいでしょう。
もっと詳しいレシピが知りたかったら、ネットで調べると載っていますよ。
このブログでも紹介していますが、「ブリティッシュ・ベイクオフ」を見ると、イギリスのお菓子のことがよくわかりますので、是非ご覧ください。
ずいの・系山冏 『税金で買った本 (1)~(3)』 ― 2022/06/04
公共図書館のお仕事マンガ。図書館の実態がリアルに描かれています。

司書に興味があったので、公共図書館や学校図書館に勤めている友だちに仕事の話を聞いたことがあります。
その時の話を思い出しながら、読んでみました。
久しぶりに図書館にやって来たヤンキーの石平君。
図書カードを作ろうとすると、なんと十年前に借りた本を返していなかっため、作れません。
色々とあったのですが、結局、本を買って返すことになります。
文句タラタラだったくせに、何故か石平君は図書館でアルバイトをすることにしちゃいます。
それほど図書館が好きだったのねぇwww。
図書館で石平君が遭遇するアレコレ、図書館あるあるをわかりやすく描いた漫画です。
私が聞けなかったことも描いてあって、図書館の仕事をしたいと思っている方や図書館を利用している方、これからしようと思っている方には是非とも読んでいただきたい漫画です。
そうそう、白井君が若い女性には怒鳴りつけるのに年配の男性には下手に出る男性を見て、「人間も動物なんだ」と悟り、ムキムキマンになったっていうのは、なんか悲しいですね。
「動物は自分より強そうなものとは争わない」
私がおばあさんになったら、どうなるんだろうと思ってしまいました、笑。
読んだ本 ― 2022/04/15

佐々涼子 『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』
2011年3月11日、宮城県石巻市にある日本製紙石巻工場は津波に襲われ、機能停止に陥る。しかし工場長は半年で工場を復興させると宣言し、誰もが無理だと思うなか、従業員たちは奮闘努力をしていく。
大分前に買っておいて寝かせておいた本です。すぐ読めばよかったと後悔しています。
日本製紙は出版用紙の供給の4割を負っており、石巻工場はその心臓部だそうです。ほしおさなえさんの本で和紙のことを少し学びましたが、この本には洋紙のことが詳しく書いてあり、本や教科書、新聞、雑誌など様々な用途に適した紙を造ることがどれほど大変かがわかりました。
美談だけではなく、報道されなかった震災の負の側面も書かれており、複雑な気持ちになりました。
お勧めの一冊です。
中山裕二郎 『やめるな外科医 泣くな研修医4』
雨野隆治、三十歳。外科医になって三年、受け持つ患者も増え、手術も任されるようになりました。しかし同時期に入院した二人の老婦人が手術をすれば助かるのに、手術を拒みます。一人は家族への説明も断る始末。
このまま死なせてもいいのか、迷う雨野。
そんな時に手術で失敗してしまい…。
前回は末期ガンの患者を何の用意もせずに富士山に登らせてしまい、唖然としましたが、今回は真摯に患者の死と向き合っています。
でもこういう思いを各医師たちはしているはずなのに、何で患者の心のわからない医師がいるのか…?
一色さゆり 『コンサバター 失われた安土桃山の秘宝』
修復士ケント・スギモトは狩野永徳の落款が捺された屏風「四季花鳥図」の「春」の復元コンペの参加を依頼される。この屏風は本当に永徳のものなのか。失われた「春」にはどのような絵が描かれていたのか。スギモトは手がかりを得るために助手の晴香と共に京都へ赴く。
一方晴香には恩師の野上から思いもかけないオファーが舞い込む。
『若冲』を読んだばかりだったので、狩野派のことが書かれていて、興味深く読めました。
植松三十里 『レイモンさん』
函館名物「函館カール・レイモン」のハムやソーセージ、ベーコンなどを食べたことのある方は多いでしょう。
そのソーセージを作ったのが、今のチェコ、カルルスバード生まれのカール・レイモンです。この本は彼と妻のコウのことを描いたフィクションです。
レイモンは大正末期に函館にやってきて、宿泊していた旅館の娘コウと出会い、天津まで駆け落ちし、結婚する。チェコに戻り店を開くが、コウは馴染めず、コウの気持ちを慮ったレイモンは函館に帰り、店を開くことにする。
しかしまだ肉食の習慣のない日本人には受け入れられず、やがて戦争が始まる。
レイモンの意固地なところがちょっと嫌でした。コウさんはものすごく苦労したんだろうなぁ。
彼の子孫が誰もソーセージ作りを継いでいないことが残念です。
原田マハ 『まぐだら屋のマリア』
東京の老舗料亭で板前の修業をしていた及川紫紋はある事件を機に料理人としての夢を失い、何もかも投げ出して失踪し、辿り着いたのが尽果というバス停だった。とりあえず崖っぷちにある小屋を目指して歩いて行くと、それは「まぐだら屋」という定食屋で、いつしかそこで働く訳アリのマリアと共に働くことになっていく…。
登場人物の名前を見ると、すぐに何がテーマかわかってしまいますね。
それなりに面白く読めましたが、マハさんとしては今一かな。
望月麻衣 『京都寺町三条のホームズ・18 お嬢様のミッション』
ホームズこと家頭清貴は約束の期限が過ぎたのに未だに小松探偵事務所で働いている。仕事始めの日、事務所に上海の大富豪の娘・ジウ・イーリンがやってきて、彼女の父親の仕事相手の娘が京都に来るので、彼女のガイド兼ボディーガードをしてくれないかとお願いしてくる。何故かイケメンであることが大事とのこと。
清貴の出番ですが、葵がいますから、彼はやりたくないです。しかし小松はお金が欲しい。というわけで清貴は金持ちの一人娘で傲慢なお嬢様相手をしなければならなくなります。が、清貴は小松のことなんか頓着しません。断られるように、いつものいけずの彼で行きます。そこは小松、考えます。葵を呼んじゃうんです。
それで上手く行きそうだったのですが、とんでもない事件が起こります。
読んでいて京都に行きたくなりました。今行くと人が少なくていいんだろうなぁ。
外国の観光客が来る前に行きたいなぁ。
あ、本の内容はいつも通り、安定したものですので、ファンの方は安心して読んでね。
波津彬子 『ふるぎぬや紋様帳 六』
漫画ですが、好きなシリーズで、今回で終わってしまったので、書いておきます。
「着物を巡り縁をつなぐ、ふるぎぬや」でしたが、世の流れには逆らえません。
現代の人たちは着物を着なくなり、昔のように物に霊が宿るなんて誰も信じなくなり、ふるぎぬやは閉店してしまいます。しかしそこで出逢った伊都子と青砥には縁があったようです。
私は青砥ももののけの一種だと思っていました。人間だったのね。伊都子と上手く行くといいな。
幻想的な漫画がお好きな方、読んでみて下さい。
どの本もすぐに読めますので、興味があるものがあったら読んでみて下さい。
読んだ本 ― 2022/03/24
ここ数週間で読んだ漫画と文庫本の紹介です。
まずは漫画から。
<漫画>

本田 『ほしとんで 1~5』
八島芸術大学文学科に入学した尾崎流星が学校から割り当てられたゼミが俳句ゼミ。全く俳句なんて読んだこともないし、興味もない。
ゼミ仲間になった人たちも同じです。
個性的な仲間と共に、流星は講師坂本の指導の元、俳句を学んでいきます。
俳句漫画です。切れ字、季語などを学び、最後には連句まで作ってしまいます。
こんなゼミがあったら入りたいわ。
たらちねジュン 『海が走るエンドロール 1~2』
夫と死別した65歳のうみ子は、久しぶりに訪れた映画館で海という映像専攻の美大生に会う。そして自分は「映画が撮りたい側」の人間だと気づく。
65歳にして、うみ子は映画を撮るために海のいる美大に入学する…。
65歳にして自分のやりたいことを見つけ、挑戦するうみ子。
いい年して何してんのという周りの雑音に負けずに、挑戦することは素晴らしいです。私も何かやろうかしらと思わせてくれます。
シリーズ物の訪問看護師を描いた『ナースのチカラ 7』と子どもの心の診療所の『リエゾン 8』はお勧めです。
もし介護や子どものことで悩んでいたら、読んでみて下さい。参考になることがあるかも。
<読んだ文庫本>
風野真知雄 『いい湯じゃのう 将軍入湯 二』
目安箱の投書を目にした徳川吉宗は実際に湯屋に赴くといいだします。
そのため家来たちはあらゆる事態に対処できるように準備に大わらわ。
湯屋に行ったことのない吉宗のために、予行練習をしようということで、なんと本丸の庭に湯屋を再現することに!
準備万端で湯屋に行った吉宗は湯屋が気に入りますが、ひょんなきっかけから市井で起こる謎を解くことになっちゃいます。
凝りも大分よくなり、揉み治療師の上野銀内が不審に思うほど。
一方、湯煙り権蔵とくノ一・あけびは、「上さまの落とし胤」と噂されている天一坊の出自をさぐるため、吉宗のかつての思い人の行方を追うことに。
なんとまあ、吉宗の気がいいこと。こんな殿様だったら幕府も安泰か?
五十嵐佳子 『星巡る 結実の産婆見習い帖』
結実は14歳で産婆見習いとして祖母の真砂に弟子入りし、早八年。
任されることも増え、やりがいを感じるこの頃です。
同じ見習いのすずは夏に子が生まれます。赤ん坊の世話を引き受けてくれる人がいなければ、夏以降も真砂と結実のふたりだけでお産の立ち会いをしなければなりません。
結実には他に悩み事がありました。医者になる源太郎が好きでしたが、産婆でお産に飛び回る自分が、医者を志す源太郎にふさわしくないと考え、源太郎への思いに踏ん切りをつけなければと思うのですが…。
そんな頃、薬種問屋の跡取娘の紗江が源太郎の働く診療所で押しかけ手伝いを始めます。どうも彼女のお目当ては源太郎のようです。
江戸時代にも「甲斐性のある男と夫婦になって、自分の子どもを育て、楽しく暮らしていくことが女の幸せ」なんて言う人がいたのですね。
産婆をやっている結実をみじめという幼馴染みの女がひどいです。そんなことを言う自分は幸せではないのに。
源太郎と結実の未来に幸あれと願わずにはいられませんでした。
岡本さとる 『八丁堀強妻物語』
日本橋にある将軍家御用達の扇店・善喜堂の娘の千秋は、方々の大店から嫁の声がかかるほどの娘でした。
しかし彼女には、いいえ、善喜堂には人に知られてはいけない裏の顔があったのです。そのためどんな良縁が来ても、千秋には物足りなく、首を縦に振れませんでした。
そんな千秋に出会いがやってきます。
南町奉行所の廻り方同心の芦川柳之助に一目惚れをしたのです。
早速千秋は叔父の勘兵衛のところに行き、柳之助のことを色々と聞きます。
姪の気持ちを知った勘兵衛は後押しをすることに…。
「強妻」ですから、千秋の秘密がどんなものか想像してみてください。と言っても、読んだらすぐにわかってしまいますが、笑。
青木祐子 『派遣社員あすみの家計簿 2』
悪性インフルエンザが流行り始め、世界経済は急激に悪化する。
そんな中、嘘つき彼氏とは別れ、引越しをしたあすみは契約社員の豊加とつき合い始める。
洗濯機が新居に入らず、洗濯機を買うために副業で「ムーバーフード」の配達員をしてみるが、意外と合ってるみたい。でも豊加はよく思っていない。
そんな頃、豊加の正社員採用話がダメになり、自棄になった豊加は仕事を辞めてしまう。それなのに結婚を匂わすし…。
無職の君に色々と言われたくないわぁ、と思うあすみだった。
あすみが高い洗濯機やピンクのリュックサックにこだわったりするのは、私には理解できないことですが、前よりも金銭感覚が少しマシになってきました。
男の趣味が悪いのが難点ですね、笑。
<今日のわんこ>

弟は散歩よりも遊びが大好きです。
飽きもせず、サンタクロースを追います。
ヨーキーは活発ですばしっこく、駆けずり回るのが大好きで、ソファにジャンプしたり、降りたりするのが得意です。エネルギーに溢れていて、興奮しやすく、頑固で自己主張が強いです。
ヨーキーの運動量はテリアの中では少ない方だと書いてありますが、これで少ないのなら、他はどうなのでしょう。
テリア系は心して飼った方がいいですね。

兄はしませんが、弟はサンタを遠くに投げたり、蹴ったりすると、走って取りに行きます。おもちゃを手に持って動かすと取ろうとします。反射神経がいいです。
狩猟犬と愛玩犬の違いなのかもしれませんね。
「リトル・フォレスト」を観てから読む ― 2022/03/13
『リトル・フォレスト』は五十嵐大介による漫画です。
五十嵐さんが岩手県衣川村で実際に生活したときの実体験をもとに描かれているそうです。

漫画は2巻で、主人公は女の子です。
私は映画の方を先に観ました。
映画は「リトル・フォレスト 夏/秋」と「リトル・フォレスト 冬/春」に別れています。

いち子は東北の小さな集落・小森にある古い一軒屋に母の福子と暮らしていた。
しかし五年前に福子はいち子を置いて、いなくなってしまった。
それから都会に出て、スーパーでバイトをしながら男と暮らしていたが、都会になじめず、男とも上手くいかず、いち子は逃げるように小森に帰って来た。
近所には幼馴染みのキッコや2個下の後輩・ユウタが住んでいる。
小森では畑や田んぼで農作業をしながら、自給自足に近い暮らしをしている。
すべて福子に教えられたことだ。
薪を割り、パンを焼き、米サワーやグミのジャム、干し芋、干し柿、自家製のヌテラやウスターソースなどを作り、鴨を締め、クルミをつぶし、栗を煮る。
身体を動かし、汗をかき、自分で食べる物を用意する。
いち子は福子はずぼらだと思っていた。しかし自分で何もかもやることになってから、福子が料理に一手間かけていたことに気づく。
そんな頃、福子から手紙が届く。
いち子はキッコと喧嘩をしてしまう。
キッコから他人とちゃんと向き合ってきたのかと聞かれ、自分は向き合えなくて、小森に帰ってきたのだと思う。
集落の集まりの後、ユウタにも言われる。
いち子は一番大事なことから目をそらしている。それを誤魔化すために一生懸命とりつくっているのではないか。本当は逃げているのではないかと。
ユウタは小森で生きていくと決めている。
しかし自分はまだ小森で生きていくと決意できていないと思う。
福子の手紙を読み返し思う。自分は母にとって本当に家族と言えたのだろうか。
母も自分と同じように悩んでいたのかもしれないと。
「人生は螺旋そのものかもしれない」。
いち子は小森から出て行くことを決意する。
五年後、廃校になった分校で、小さな森の春祭が開かれる。
そこには…。
映画は漫画を忠実になぞって作られています。
主人公のいち子は漫画ではショートカットでワイルドですが、映画では橋本愛で、おとなしめ。ちょっと雰囲気が違うかも。
実際、女性一人で機械も使わず、畑や田んぼをやっていけるのかと思いました。
相当な体力と農業の知識がなけらばやれないでしょうね。
私なら三日ももたないわぁwww。
でも自然がとても綺麗で、畑や田んぼをやらなくてもいいんなら、住んでもいいかなと思いました。
それでももって一年かな(恥)。
とにかく料理の場面が多く、どの料理も美味しそうでした。
実際に橋本さんが作っているそうです。
最後に好きな言葉を。
「自分自身の身体で実際にやったことと、その中で感じたこと、考えたこと、自分の責任の中で話せることってそれくらいだろ。そういうことをたくさん持っている人を尊敬するし、信用もする。何もしたことがないくせに、何でも知ってるつもりで、他人が作ったものを右から左に流してるやつほど威張っている。薄っぺらな人間の空っぽな言葉を聞かされるのにうんざりした」
ユウタの言葉です。都会の会社でこういう人たちばかりと出会い、失望し、彼は小森に帰ってきたのです。
韓国でも映画化したそうです。内容が違うようですが、韓国の田舎がどういう感じか、そのうち観てみようと思います。
ボーと観ているだけでも心の洗われる映画です。
映像と音が綺麗でした。
読んだ本と漫画 ― 2021/12/06

今日、兄犬はワクチンをうちに動物病院に行ってきました。
近所のおじいさん先生の病院に行ったら休診でした。お年なので、いつまで休診かわからないので、少し遠い、今度トリミングをしてもらう予定の病院に行ってみました。
動物は人間と違って医療費が決まっていない上に保険がきかないので、行く病院によってはとんでもない費用になることがあります。
前にちょっと近い病院で五種のワクチンをしたら一万円以上取られてびっくり、なんてことがありました。
今回は6種で6500円、一般的な費用だと思うのですが、どうでしょう。
前の病院は歩いて行くのが辛いぐらいのちょっと遠い場所だったのですが、今度の病院はそうでもなさそうです。
犬も人も年を取りますから、近くがいいですわ、笑。
弟のワクチンは今度のトリミングの時でいいと言われました。
そうそう、体重は3.5㎏で、少し痩せたようです。

溝口智子 『万国菓子舗お気に召すまま 10 婚約のお菓子と最後のガーデンパ
ーティ-』
ーティ-』
変った名前のお菓子屋『万国菓子舗』は注文されたお菓子はなんでも作るというお店です。今日も荘介に作ってもらいたいお菓子を求めてお客さんがやって来ます。
店主の荘介のお菓子に惹かれ、アルバイトを始めた久美は、今や荘介の婚約者。
いよいよ荘介と久美は結婚することになります。彼らの選んだ結婚パーティーとは…。
読むのを止めようと思っていたら、最終巻だというので、読みました。
ほっこり、楽しい結婚のパーティの様子はいいですね。私も若かったら、こんなパーティを開きたかったわ。
里見蘭 『古書カフェすみれ屋とランチ部事件』
古書カフェというのですから、カフェに本屋がついている感じです。
古書カフェすみれ屋はオーナーの玉川すみれが脱サラして店を開き、奥の五坪ほどのところに古書スペースがあります。
古書の店長は紙野貢と言い、すみれに賃料と光熱費を払っています。
紙野は本屋のみならずカフェも手伝っています。
仕事上のつき合いなのですが、実はすみれは彼のことを意識しているようです。
紙野には不思議な力があり、カフェに来る悩みを持ったお客さんに一冊の本を紹介します。その本を読むとお客の悩みが解決するという素晴らしさです。
今回出てきた本は読んだことのないものばかりでした。
クリスマスが近いので、カポーティーの『クリスマスの思い出』でも読もうかと思います。
知らない本に出会える本です。
椹野道流 『ハケン飯友 3 僕と猫の、食べて喋って笑う日々』
気づいたら、私、結構椹野さんの本読んでますね。
ホント、しょうもない話なんですけどね、笑。
失業してしまい歎いている時に神社で神様にお願いしたらやってきた「猫」。
彼は夜な夜な人間になり、坂井の家にやって来て、一緒にご飯を食べてくれます。
彼のおかげで元気になり、茶房「山猫軒」の雇われマスターになり、オーナーの沖森さんから頼られ、パン屋で宮司の猪田さんとも仲良くなり、何とか生きている坂井です。
私も「猫」さんに来てもらいたいわ。
≪漫画≫
沖田×華 『お別れホスピタル 7』
△×病院の終末期病棟のお話。
様々な最期を迎える患者たちと関わる危ないヘルパーとナース。
こんな人たち、本当にいるの。絶対に会いたくないですわ。
東元俊哉 『プラタナスの実 4』
父の小児病院で働き始めた鈴懸真心と兄の英樹。全く正反対の二人。
ある日、小児白血病患者のともりんが病院を抜け出します。
救急車で帰ってきた彼女は、稀な好中減少性腸炎を発症していました。
手術は避けたいと思う真心。しかし小児外科医の英樹も父のセンター長も手術を推す…。
阿部潤 『忘却のサチコ 17』
最初はいなくなった彼を探していたのですが、この頃は彼のことは忘れ去られ、編集者としてのサチコが前面に出ていますね。
有能なんです、サチコは。一仕事終えた後の食事が、とっても美味しそうです。
六月柿光 『警視庁犯罪被害者支援室の女 4』
犯罪被害者と真摯に向き合う静。
彼女の夫は勤務中に謎の死を遂げていた。
今回その死の真相が明らかに…。
なんと、今回が最終回。もっと話を続けていけるのに、人気がなかったので打ち切りになったのかな。残念。
この他に『しっぼ街のコオ先生 11』とか『サターンリターン 6』を読んでいます。
この中でお勧めは『プラタナスの実』と『警視庁犯罪被害者支援課』かな。
『しっぽ街のコオ先生』もいいですよ。
漫画ばかりですが、漫画は日本の誇るべき文化です、笑。
読んだ本と漫画 ― 2021/11/20

井上荒野 『あちらにいる鬼』
瀬戸内寂聴さんがお亡くなりになりましたので、ご冥福をお祈りいたします。
彼女と不倫関係にあった男性と彼の奥様をモデルにして娘が書いたということで評判になった小説を読んでみました。
残念ながらどの人にも私は魅力を感じませんでした。
3人共にまだ深く描き切れていないという感じです。
井上さんの恋愛体験がどのようなものかは知りませんが、彼女の本より瀬戸内寂聴が瀬戸内晴美だった頃の本の方がお勧めです。
山本巧次 『大江戸科学捜査八丁堀のおゆう 8 ステイホームは江戸で』
東京はコロナ禍。関口優佳は江戸へ避難することにします。
もちろん江戸にコロナを持ち込んではならないので、二週間の自主隔離をしました。
江戸では十手持ちの女親分である優佳ことおゆうは、読売が書いていた深川門前仲町の信濃屋の跡目争いに興味を持ちます。
同じ頃、南町奉行所同心・伝三朗からこのひと月ほどの間に、歳が三つぐらいの子どもが消えて、二、三日で戻っているということが続いているので、調べて欲しいと頼まれます。
一見関係なさそうな二つの出来事でしたが…。
なかなか進まないおゆうと伝三朗の仲です。
読んでいてまさか江戸時代に…と思わずにはいられなかったですわ、笑。
友井羊 『スープのしずくの謎解き朝ごはん 7 朝食フェスと決意のグヤーシュ』
理恵は今まで働いてきたフリーペーパー・イルミナの編集部が移籍したため、新しい会社で働き始めました。
仕事内容は同じだと思っていたら、会社主催の朝食フェスの運営をするようにとの業務命令が…。スープ屋しずくも出店することになり、戸惑いながらも、頑張る理恵でしたが、出店を頼んでいたお店から出店を考え直したいという連絡がきます。
スープ屋しずくの店長、麻野の出番です。彼は謎解きが得意なんです。
おゆうたち同様になかなか進まない二人の関係ですが、娘が懐いているので、そろそろどうにかなりませんかね。
≪漫画≫
よしながふみ 『きのう何食べた?(19)』
映画になっちゃったわね。来年あたりにテレビで放送されるのを楽しみにして待ちますわ。ヒットしたのも俳優さんたちが良かったからですね。
レモンパウンドケーキとミートソース、作ってみたいです。
高口里純 『グランマの憂鬱 9』
本当にこういう村があったら、面白いですね。
今回は今流行のYouTuberが村にやって来るということで、危ないことにならないように、村総出で見守るというお話です。
無知は怖いよね。こういう人たちが結構いそうです。
ちょっとマンネリしたかなという感じです。
水凪トリ 『しあわせは食べて寝て待て 2』
一巻で期待したのですが、二巻は肩すかしでした、残念。
もっと薬膳のお話が欲しかった。
広田奈都美 『ナースのチカラ~私たちにできること 訪問看護物語~6』
コロナ禍で葛藤しながらも活躍する訪問看護師たち。
そこにやってきた研修ナースの深原は何故か持田に絡みます。
彼女の母親は難病で亡くなっていますが、そこに何か深い闇がありそうです。
富士屋カツヒト 『19番目のカルテ 徳重晃の問診 4』
総合診療科の必要性が問われます。さて、どうなるのか。
患者が多くて、診察が流れ作業のようになってしまいがちですが、医師が忙し過ぎですよね。
コロナ禍で働いている医療従事者の方々、ありがとうございます。
コロナ患者が少なくなった今、十分お休みになってください。
何と言っても『きのう何食べた?』は大好きです。
ドラマもいいけど原作も読んでくださいね。
医療を扱った漫画はどれもいいですよ。
弟犬はカモシカが気にいっています。

こういう風に噛みついています。
歯が鋭いのですが、このおもちゃは破れません。
兄はかみずらいのか、見向きもしません。
もっぱらハンカチです、笑。
読んだ本と漫画 ― 2021/11/06
この頃海外ドラマを見るようになったので、なかなか本が読めません。
原則としてミステリー以外の文庫本はまとめて紹介します。

坂井希久子 『すみれ飴 花暦居酒屋ぜんや』
ぜんやシリーズはお妙と只次郎が結婚をした前回で終わったと思っていたら、続きが出たようです。
新しい主人公はお妙と只次郎が養い子として引き取ったお花です。
お花の母親は鬼畜のような人で、お花に心理的かつ肉体的虐待をしていました。
娘を吉原に売れば金になるのに売らなかったのは、娘が衣食住に困らなくなるのが許せなかったかららしいです。変な理由ですね。
最後にはお花を捨て、男と駆け落ちですから、呆れた人です。
善人を絵に描いたようなお妙と只次郎ですから、お花を大事にしてくれますが、お花は母親に虐待を受けていたため、彼らの気持ちを素直に受けとめられません。
いつ嫌われ、捨てられるかとビクビクしながら暮らしています。
いつもお妙たちのことばかり考え、彼らの役に立ちたいと思い行動します。
そういうお花がお妙たちには痛ましいのです。
何でも好きなことをしたらいいと言われても、何が好きなのかもわからないお花。
これからどういう風に成長していくのかが今後の楽しみです。
椹野道流 『モンスターと食卓を 3』
法医学者の杉石有は恩師から託された美青年・シリカと暮らしています。
彼には辛い過去がある様子が見られ、自らも過去のトラウマを抱いた有はシリカのことを黙って見守っていくことにしていました。
しかし…。
不思議な青年シリカの過去がだんだんと暴かれていきます。
美味しいお料理が出ると思って手に取りましたが、椹野さんの本ですからだんだんと怪奇じみてきました。
このままで最後までいくのか、どんでん返しがあるのか…?
喜多みどり 『弁当屋さんのおもてなし(9)しあわせ宅配篇3』
6月の北海道。『くま弁』の配達の仕事も順調な雪緒。
店長のユウと千春の結婚記念日が近付き、店の常連たちが集まり結婚記念パーティを開催することになります。黒川が発起人となり、ユウと千春が料理を作り、雪緒が二人を喜ばせるサプライズを考え、楽しいパーティになりそうです。
こんなお弁当屋さんがあれば、週に一回以上使いたいですね。
雪緒は一体何をやりたいのかがよくわかりません。回りを見回せば、彼女のことを思ってくれているいい人がいるのにね。
次は漫画です。
荒川弘 『百姓貴族 7』
北海道の農業高校の様子を描いた『銀の匙』の作者で、自らも農業高校を卒業し、七年間自宅で農業に従事していた荒川さんが描いた北海道の農家のあるあるです。
これを読むと、農業って面白そうと思いますが、体力のない私には無理だ・・・とも思います(軟弱)。
農業にあこがれるあなた、一度読んでみてください。
堀田あきお&かよ 『おふたりさま夫婦、老活はじめました。どうなる!?わたしたちの老後』
そろそろ老後のことを考えなければと読んでみました。
コロナ禍でよかったことの一つはお葬式が簡素になったことです。
昨年親戚に家族葬をするから葬式に来なくていいと言われました。コロナ禍だから人数を少なくするために、家族以外は断ったようです。これがスタンダードになればいいのですが。
うちは直葬で、お墓はいらないから樹木葬にしようと話しています。
話すだけではなくて、ちゃんと遺言書にでも書いて置かなければ…。
二階堂ヒカル 『あおざくら 防衛大学校物語22』
夏季定期訓練が始まり、いよいよ船の上での訓練になります。
近藤をライバル視する嫌な奴の登場で、近藤ピンチ!
真のリーダーシップとはなど色々と考えさせられます。
自衛隊について知りたい方、読んでみてください。
福丸やすこ 『一杯のしあわせ 1&2』
食べ物に潜む思い出を描いた作品。
思い出すたびに幸せな気分になったり、ちょっぴりおセンチになったり…。
こころに染みる物語です。
石塚真一 『BLUE GIANT EXPLORER 4』
アメリカ大陸を巡る旅で、いよいよロスに到着。
ヨーロッパで認められていたのに、アメリカでは大のような音は嫌われるようです。ロスは耳障りのいいジャズ好みなんですね。
いつアメリカで大は認められるのか、次回に期待します。
医療関係の漫画
荒井ママレ 『アンサングシンデレラ 7』
水谷綠 『こころのナース夜野さん 4』
水谷綠 『こころのナース夜野さん 4』
薬剤師と精神科ナースのお話。どちらもお勧めです。
幻想的な世界の漫画
猪川朱美 『鵺の絵師 10』
今 市子 『百鬼夜行抄 29』
今 市子 『百鬼夜行抄 29』
こういう感じの漫画、大好きです。妖魔のいる不思議な世界が好きな方向きです。
漫画はどれも面白かったです。
トリミングで顔の毛を短くしてもらったら、ちょっと目がぎょろ目になって、可愛くなくなった犬たち。

弟は相変わらずトナカイを咥えていますが、咥えたままだとママが遊んでくれないことを覚え、トナカイを持ってきては床の上に置くようになりました。
(唾液がベットリついているので、ジュータンが汚れますぅ)
こうなるまでに二、三週間かかりました(ママは疲労困憊、笑)。
読んだ本と漫画 ― 2021/10/03

内藤了 『EVIL 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』
堀北恵平は無事に警察学校を卒業。正式に東京駅おもて交番に配属されました。
初めて作った名刺を今までお世話になった人たちにお礼と共に渡していきます。
恵平と先輩刑事の平野、鑑識の桃田は「東京駅うら交番」の謎を解くために、都市伝説になっている警察官・柏村の息子で現在高齢者施設で暮らしている柏村肇と連絡を取ります。
柏村が警察官時代に記録していた資料が柏村の妻が暮らしていた群馬県前橋市の家にあるということなので、彼らは受け取りにいくことにします。
資料に謎を解く鍵が残されているのか…。
そんな頃、恵平の交番の前でとんでもない事件が発生します。
恵平が白蛇神社に行きたいという大きな荷物を抱えたおばあさんと話している時に、通りを歩いていた若い男が次々と歩行者に切りつけたのです。
恵平は現場に突っ込んで行き、男と対することになってしまいます。
なんとか男を取り押さえますが、事件現場に持ち主不明の風呂敷包みが置いてありました。
開けてみると…。
益々謎が深まる「うら交番」です。
読んでいて知った言葉、「ケーシング」。私はあれがこう呼ばれているのを知りませんでした、恥。
「ハム・ソーセージの肉を包み込む、薄い膜状の袋」のことだそうです。
この頃魚肉ソーセージなんて食べませんものねぇ。
志賀家泰弘 『京都祇園もも吉庵のあまから帖4』
第一話:
元芸妓でタクシードライバーの美都子のお客様は埼玉県から来た修学旅行の中学生。
昔はタクシーで観光なんてなくて、迷いながらも地図を見ながら歩くことが面白かったのですけどね。
四人の中で一人、元気のない女の子がいました。何か事情がありそうです…。
第二話:
無銭飲食で捕まろうとする男の真意とは。
第三話:
老舗和菓子店「風神堂」で社長秘書をしている朱音に茶道「桔梗流」の次期家元・夢遊が惚れて、一緒になりたいと言い出します。
姉の楓は大反対。もも吉に相談しに来ますが…。
第四話:
「吉音屋」の前に佇む女性が気になったもも吉は、彼女に声をかけます。
第五話:
「風神堂」にまつわる兄弟のお話。
好きな京都が舞台なので、毎回読んでいます。もも吉のお節介が心地良い時と、ちょっと…と思う時がありますが。今回はいい感じのお節介でした、笑。
安田依央 『出張料理亭おりおり堂 こっくり冬瓜と長い悪夢』
恋愛ゾンビ山田が仕事に出向いた老舗旅館で、仁と似た男・カゲオに山田は誘拐され、連れて行かれた洞窟で何故か口説かれます。次の日旅館に帰ると、誰も山田のことを心配していません。
旅館では相続人である兄弟たちが集まり、旅館を続けるか、廃業するか、話し合っています。
仁は先代と約束した『弔いの料理』を作りますが、そこにカゲオが現れ…。
美味しいお料理が出てくるからと読んでいましたが、今回で読むのを止めます。
わけのわからない男の登場で、これはホラー小説なのか…?
望月麻衣 『わが家は祇園の拝み屋さん 14 渓谷に散る紅葉と陰陽師の憂鬱』
今回澪人と小春たち『OGM』が関わるのが、心霊動画。
心霊スポットに行く動画配信者のことは、組織の本部長や宗次郎は当人の問題として放っておくしかないと言っていますが、小春は心配です。
そんな頃、学長から今は使っていない幼稚舎の除霊を頼まれます。
東京編で終わってもよかったのに、いつまで続くのか。陰陽師とかはそれなりに面白いのですが、高校生の恋愛話が出てくるとバカバカしくなります(ゴメン)。
洋風羊羹食べたいわぁ。
篠綾子 『弟切草 小烏神社奇譚』、『梅雨葵 小烏神社奇譚』
『蛇含草 小烏神社奇譚』
『蛇含草 小烏神社奇譚』
葛城山一帯を支配した古い名族加茂氏の血を引く竜晴は江戸・上野にある小烏神社の宮司で、先祖には神を使役したという役小角や世に知られた陰陽師安倍晴明の師匠だった賀茂忠行、保憲父子もいます。そのため人ならぬモノたちの言葉を聞き分けることができます。彼には抜丸という白蛇と小烏丸というカラスの、二柱の刀の付喪神が使えています。彼らは竜晴の亡き父竜匡から竜晴の教育を任せられていました。
彼の唯一の友人が医者で本草学者の泰山。彼は神社の土地を借り、薬草を育てています。
彼らのつき合いは二年前、たまたま通りがかった泰山が神社の庭に蓬が生い茂っているのを見て、薬として使いたいので分けてくれないかと声をかけたことから始まります。
それから泰山は何日も続けて蓬を採りにきて、他の薬草も植えたらどうかと言い出します。
人付き合いが悪くて無愛想な竜晴でしたが、泰山の熱意に負け、泰山が薬草の面倒をみることとして土地を貸します。
ある日、上野山を偵察に行った小烏丸が目に見えぬ強い力に引き寄せられ、侍を追って寛永寺に行ってしまいます。庫裏近くの木の枝にとまっていると、不吉だと人が集まり騒ぎ始めました。
そこに天海大僧正が出てきて、小烏丸と目を合わせると、小烏丸は金縛りにあい動けなくなってしまいます。
竜晴は寛永寺の天海大僧正から書状をもらい、寛永寺に向かいました。
天海は付喪神が見える人で、彼はカラスが竜晴のものであることを知っており、カラスを返すから事件が解決するまで力を貸してくれるように頼みます。
この後から竜晴は天海からたびたび呼びつけられるようになります。
『わが家は祇園の拝み屋さん』が中・高校生用だとしたら、『小鳥神社奇譚』は大人用って感じです。
森鴎外 『カズイスチカ』
『鴎外青春診療録控え 千住に吹く風』を書くときに参考にされた作品です。
父のことを老人と言い、「老人のつまらないのは当然だと思った」りする花房は鴎外のことでしょうか。
「自分が遠い向こうに或物を望んで、目前の事を好い加減に済ませて行くのに反して、父はつまらない日常の事にも全幅の精神を傾注していることに気が附いた。宿場の医者たるに安んじている父のrésignationの態度が、有道者の面目に近いということが、朧気ながら見えて来た。そしてその時からにわかに父を尊敬する念を生じた」(résignation:諦め、諦観)
若さ故の見方ですね。
ここからは漫画です。
山口つばさ 『ブルーピリオド 11』
山口八虎はさえき絵画教室でバイトをすることになります。なんと佐伯先生は高校で八虎に美術を教えてくれた人でした。何故か橋田までバイトをすることに…。
様々な子どもと保護者と出会う八虎。
しばらくして八虎は橋田から海外旅行に誘われます。
来年、イタリアのヴェネチア・ビエンナーレ、スイスのアート・バーゼル、ドイツのドクメンタが同時に開催されるというのです。
4月に八虎は2年生になります。
恵三朗 『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見 21』
AITL(血管免疫芽球型T細胞リンパ腫)の天羽ひなたは移植前の処置の副作用で苦しみます。何よりも患者を優先しようとしてきた主治医の朝加は自らの無力さを思い知ることになります。
ケア医の稲垣は朝加に手を差し伸べようとしますが、朝加は拒絶します。
しかし天羽のために、看護師、介助士、管理栄養士、病棟薬剤師、理学療法士が一丸となって、より「質の高い療養生活を送れるように、身体的精神的な苦痛に対するケアを提供できる体制」を作り上げていきます。
移植後、天羽は皮疹と腹痛、発熱で苦しみ出します。
困った朝加は岸がまだ帰っていないことを知り…。
チーム医療とは何か。こんな風に一丸となってどんな患者のためにもしてくださるのなら、安心して任せられますがね。
ヨンチャン 『リエゾン 6ーこどものこころ診療所ー』
今回は摂食障害とゲーム依存症、自閉症スペクトラム障害、カサンドラ症候群、性同一性障害が取り上げられています。
七海仁 『Shrink~精神科医ヨワイ~6』
アルコール依存症がテーマです。次回は産後うつのようです。
この中で興味があるものがあったら読んで見てください。参考になることがあると思います。
漫画はすべておすすめです。
この頃、医療系漫画は面白いものが増えましたね。
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