読んだシリーズ物 ― 2023/03/10
久しぶりにこの頃聴いている歌を紹介しましょう。
藤井風は…ちょっとあっち(?)に行ってしまった感じなのでww、この頃気にいっているのは、日本のアーティストでは優理。
「ドライフラワー」や「ベテルギウス」、「レオ」などいい歌があります。
「レオ」は犬のことで、聴くと泣きますよ。
この歌に批判があることを知り、びっくりしています。
海外のアーティストでは日本国籍を持ち、イギリスで活躍しているリナ・サワヤマ。先月かな、来日していましたね。
2年前の「Chosen Family」ではエルトン・ジョンとデュエットしています。
この歌をOne Voice Children's Choirのこどもたちが歌っているのが可愛いいですよ。

安田依央 『出張料亭おりおり堂 あつあつ鍋焼きうどんと二人の船出』
特にこのシリーズがいいというわけではないのですが、一応最終巻なので、一番最初に紹介してみました。
老舗旅館に招かれて料理をしに行き、とんでもない事件に巻き込まれた仁と山田。
旅館の開かずの間は仁兄弟の過去が関係していた。
なんとかすべてが明らかになり、落ち着いたところで仁と山田は…。
や~、話が大きくなってびっくり。
R国やら文化財やら、なんたらかんたら…。ただの美味しい料理が出てくるお話だと思って読んでいたのに。
最後はすべて上手く行き、ゾンビの山田も普通の人間になり、幸せを手に入れましたとさ、笑。
喜多みどり 『弁当屋さんのおもてなし 新米夫婦と羽ばたくお子様ランチ』
このシリーズは終わったと思っていました。
今回はユウと千春の婚約時代から宅配サービスを始めるまでのことが描かれています。
何度でも言いますが、こんなお弁当屋さんがあったら、週に一回は食べたいです。
望月麻衣 『京都寺町三条のホームズ 19 拝み屋さんと鑑定士』
拝み屋さんとくれば、望月さんの他のシリーズも読んでいる人にはすぐにわかりますよね。
二月のある日、小松探偵事務所に賀茂澪人が二つの仕事を依頼しに現れる。
一つは清貴への鑑定の仕事で、もう一つは小松探偵事務所への調査の仕事だった。
これは何故19巻も続いているのか不思議なシリーズです。
私は前にも書きましたが、京都のガイドブックとして読んでいます、笑。
志賀内泰弘 『京都祇園もも吉庵のあまから帖6』
京都ガイドブックの二冊目。といってもこちらは元芸妓で甘味処「もも吉庵」の女将であるもも吉が、年の功といいましょうか、いい味出してます。
今回のお話は全体的にいいかも。
猫のおジャコちゃんのことがわかりますよ。
おすすめは『弁当屋さんのおもてなし』と『京都祇園もも吉庵のあまから帖』です。
『弁当屋さんのおもてなし』は1巻から、『京都祇園もも吉庵のあまから帖』はどこから読んでも大丈夫です。
桐野夏生 『真珠とダイヤモンド』 ― 2023/03/08

1986年、伊東水矢子と小島佳那は萬三証券株式会社・福岡支店に入社する。
水矢子は高卒で営業部補佐に、佳那は短大出で営業部一課のフロントレディに配属された。
水矢子は中学校の時に父を亡くし、母と暮らしている。
母は仕事から帰ると酒に溺れる毎日。
そんな母に愛想を尽かし、水矢子は金を貯め、二年後に東京の大学に進学しようと決めていた。
一方、佳那は、フロントレディは男性社員の結婚相手として雇われているような存在だったが、バリバリ働きたいと思っていた。
やる気のある目立つ存在だったことが裏目に出て、女子社員たちから除け者にされてしまう。
水矢子はフロントレディたちとは一線を画されている高卒社員だったこともあり、仲間はずれになった佳那と立場が近かったため親しくなっていく。
しばらくして佳那は同期の男性社員で野心家の望月と結託してのし上がろうとするが、望月は彼女の姉の元恋人を踏み台にし、危ないやからとも繋がり、なりふり構わずマネーゲームの渦中へと身を投じていく。
やがて佳那は東京に栄転が決まった望月と結婚し、仕事を辞め、ディズニーランドの見えるマンションで贅沢な生活を始める。
水矢子は第一志望校に落ち、東京の女子大に入学するが…。
バブル期のことはあまりよく覚えていません。
地上げや財テク、海外旅行、ホテルのクリスマスなどこの頃からかな?
この本のような証券会社や一流企業に勤めている人たちやお金持ちの方々がバブルの恩恵を受け、うちのようなお金のない普通の家庭にはそれほど影響がなかったんじゃないかなぁ…?
読んでいると、証券会社には勤めたくないと思いました。
人を騙すような形で金を出させ、投資させ、上客じゃなければ損をさせてもいいなんて、ふざけんじゃないよと言いたくなりました。
でも儲けようと思う、欲の皮のつっぱった人も似たようなものよね。
そんなにいい話はあり得ないと思わないと。
いい話に裏があるとは思いながらも、自分は騙されないと過信しているのでしょうね。
佳那と望月が我が世の春を謳歌していても、どこか地に足が着いていない危うさが感じられ、バブル崩壊後のことを思うと切なかったです。
二人のことは仕方ないと割り切れたのですが、地道に生きていた水矢子のことはネタバレになるので詳しくは書きませんが、可哀想だったです。
バブルって一体何だったのでしょうね。
その頃、企業で戦っていた人たちは今どう思っているのでしょうか。
懐かしいのかな?思い出すのも忌まわしいのかな?
邯鄲の夢みたいなもんなのかしら?
もう一度バブル期の高揚感を味わいたい人やバフル期ってどんなだったのか興味がある方は是非読んでみてください。
上下二巻ですが、あっという間に読み終わりますよ。
<今日のおやつ>
「ロンヤス饅頭」をもらいまいた。

この饅頭は1983年11月11日に日の出町にある日の出山荘で行われた日米首脳会談を記念して幸神堂が作ったものです。
当時の首相は中曽根康弘(ヤス)でアメリカの大統領はロナルド・レーガン(ロン)でした。

↑こんな山荘だそうです。(写真は公益社団法人東京市町村自治調査会からいただきました)
粒あんが結構美味しかったです。
近くに行くことがあったら買って食べてみて下さい。
幸神堂には武蔵五日市駅からバス5分で行けるみたいです。
秋川渓谷でバーベキューができますよ。
南杏子 『アルツ村』 ― 2023/02/24

ある日の夜、札幌に住む元看護師の三宅明日香は夫の卓也の暴力から逃れるために、娘のリサを連れて家から逃げ出す。
車を走らせ、士別剣淵インターチェンジで高速を下りたところ、あおり運転の標的になり、その車から逃げようとして車を路肩の岩塊に乗り上げてしまう。
運転している男たちに捕まらないように山奥へ逃げていくうちに崖から落ちてしまう。
気づくと明日香とリサは田畑修造と初子夫妻の家の座敷に寝せられていた。
修造は認知症を患っていて、明日香を孫の夏美だと思っている。
行き場のない明日香は夏美を装い、しばらく彼らの家に滞在することにする。
家には毎日センターからバンショウさんと呼ばれている男たちがやって来て、食料や日用品を置いていく。
その男たちに見つからないようにしながら、明日香は久しぶりに修造の家で平穏な生活を送っていたが、林という医師に見つかってしまう。
しかし林は何故か明日香に村にとどまる資格があると言い、明日香は修造の家にいられることになる。
しばらくして明日香は村で出会う高齢の村人たちのほぼ全員が認知症のように見えることに気づく。
一体この村はどこにあり、住民はどこから来ているのか。そして村の目的は?
明日香は秘かに村のことを調べ、村から出ていく準備を始める。
せっかくDV夫から逃れて来たのにゆっくりしないで、なんで急いで村から抜け出そうとするのか不思議でした。
それになんか行動がちぐはぐで変だなと思っていたら、種明かしされると納得できました。
認知症を患っている人にとっては、この村は天国みたいなものです。
これからも高齢化がどんどん進み、益々認知症を患う人が増えていくと、どうなるのでしょう。
家族で介護することには限界があります。
このアルツ村は一つの解決法のように思えました。
亡くなった後に脳を取り出すことが悪いことのように書いてありましたが、私はそうは思いません。
本に書いてあるように、「病理解剖できちんと調べなければ、アルツハイマー型認知症と診断できない」し、「多くの症例データが集まれば、やがて脳の画像だけで病理解剖によって得られるレベルの診断がつくように」なるので、「解剖による正確な診断と標本の確保が必要」なのです。
ちゃんと家族にその必要性を話し、承諾をもらえばいいのではないでしょうか。
死後の献体が一般的ではない日本では難しいでしょうが。
認知症に関して警鐘を鳴らすという意味ではいい本だと思います。
しかしミステリー仕立てなのに最後がなんかすっきりしなくて、その点ではお粗末としか言えず、残念でした。
秋川滝美 『ひとり旅日和 福招き!』 ― 2023/01/28

「ひとり旅日和」シリーズの四作目です。
三作目ではコロナ禍でなかなか旅へ行けなかったのですが、今回はコロナは終わっているみたいです。
行った先はまず長野と名古屋。
たまたま先輩の間宮麗佳に有給が余っているから取りなさいと言われた時に、父親のホテルに無料で泊まれる特典が使えることになり、運良く人気旅館が予約できたので行くことになったのです。
何故長野と名古屋かと言うと、『一筆書き切符』などというものがあることを片思いの蓮斗から聞き、使って旅をすることにしたからです。
『一筆書き切符』とは、「乗車駅から複数の駅を経由して、一筆書きするように乗車駅へ戻って来る経由で購入された切符」のことで、運賃がお得なんですって。そんな切符があるなんて、初めて知りました。
日和は長野から名古屋に行って東京に戻るルートを考えたのです。
長野から名古屋は三時間ぐらいかな。意外と近いですね。
この旅行の後、麗佳の家でお土産宴会をやることになります。
出席するのは麗佳はもちろんのこと、彼女の夫の浩介となんと蓮斗です。
彼女たち三人はもともと友達同士で仲がいいんです。
日和は変なことを考えてしまい、落ち込んでしまいます。
仲のいい人たちの中に入っていくのは結構大変ですものね。
だからといってねぇ…。
この飲み会の後、蓮斗とSNSで頻繁にやりとりをしていたのに、それも続かなくなり、日和の旅行熱も下がってしまいます。
そんな時に蓮斗が旅行に行かなくても計画すると楽しいよと言ってきます。
そこで日和は四国への旅を考えてみますが、考えたらもちろん行きたくなります。
そんなわけで、行ったのが高知と愛媛。レンタカーの旅です。
そして最後の旅は、休日出勤の代休で取れた三連休を使って、宮崎と鹿児島へ。
ちなみに私の行ったことのない県は、岩手・秋田・富山・福井、滋賀(たぶん)・宮崎・鹿児島・熊本・大分・佐賀・高知・愛媛・徳島の13県です。
九州と四国が多いですね。
都道府県は47ありますから、結構行っているのかな?
行った場所を日和と一緒に回るのが楽しかったです。
私が行かなかったところに行っていたり、行ったところに行っていても行動が違ったりしてね。
今はコロナが心配なので、電車を使う旅よりも車の旅をしようと思いますが、どちらの旅も一長一短ですよね。
コロナの心配がなくなったら、鉄軌道王国の富山に行きたいですわ。
読んでいる途中で日和のネガティブな思考が嫌になったりもしましたが、それでも次に日和がどこに行くのかが楽しみなシリーズです。
若い子はガイドブック代わりに読むといいでしょう。
<今日のわんこ>

前は見てくれなくても可愛らしく舌を出している兄犬です。
毛がボサボサですがww。
<今日のおやつ>

神戸のラトリエ・ドゥ・マッサのガレット・デ・ロワです。
サクサクとしたパイ生地とアーモンドクリームが美味しかったです。
他のケーキも食べたいですが、神戸は遠い…。
新川帆立 「競争の番人 内偵の王子」 ― 2023/01/27
『競争の番人』の第二弾作品です。

公正取引委員会に勤める白熊楓は、東京の本局から福岡県博多の九州事務所第四審査課へ転勤する。
母親の束縛が強くて、逃げたかったからみたいです。毒親ですね。
今回彼女が関わっているのは着物業界の暴力団絡みのカルテル。
地方の掟に阻まれ、なかなか成果があがらず。
同僚の常磐は約束していても現れず、一人で話しを聞きに行っても、「あんたみたいな余所者」扱いされて誰も話してくれない。
それなのに第四審査課は最悪。
課長の古賀は事なかれ主義のパワハラ男で係員の石山は白熊を嫌い、「僕たちが内偵して正式事件化しても、事件処理の功績をさらっていくのはいつも本局」と嫌みばかり言う。頼みの綱の常磐は当てにならない。
困った白熊、どうする。
そんなこんなでやっと常磐の協力を取り付け、元同僚の小勝負も参戦し、色々とありましたが、それは本を読んで下さいませ、笑。
最終的に本局第六審査長も加わり、カルテル独占禁止法の「三条案件」を本局で、「十九条案件」を九州事務所で調査することになります。
殺人事件が起ったり、白熊たちが銃撃に遭ったりと、九州は恐ろしい…かな?
白熊は地方と本局との仕事の差をつくづくと感じることになります。
びっくりしたのは、最後に白熊、本局に戻るんですよ。
アレ、一年もいないんじゃない。こんなことあるの?
それに石山君も着いてくるようです。
続きを書きやすくするためじゃないかと思いましたがね、笑。
前作に比べて白熊のパワーが落ち、残念です。
小勝負との仲はどうなるのかは持ち越しとなりました。
ドラマの都合で次はいつになるかしら?
白岩玄 『プリテンド・ファーザー』 ― 2023/01/17
将来子どもが欲しいと思っている、若い男性に読んでもらいたい作品です。

大手飲料メーカーに勤めている三十六歳の汐屋恭平はシングルファーザー。
一年前に妻が亡くなり、四歳になる娘の志乃を育てている。
近くに頼れる身内がいないため、すべてを自分一人でやらなければならず、営業部から人事部へ異動した。どうしても都合がつかない時にはベビーシッターに頼んでいる。
なかなか今の生活に馴染めず、この前娘の下着選びを後輩の女性に頼んでドン引きされる。
フリーランスのベビーシッターをしている藍沢章吾は、妻の海外赴任地へ着いて行くつもりだったが、勤務予定地が危険地域になったため、妻は単身赴任となり、一人で一歳半になる息子の耕太を育てている。
こんな二人がカフェで再会する。
恭平と章吾は高校の同級生で三年間同じクラスだったが、特に仲がよかったわけではない。
しかしちがう境遇ではありながらも、シングルに近い暮らしをしていることに親近感を覚えた恭平は章吾に娘のシッターをやってくれないかと頼む。
平日の夕方から夜は自分の子どもをみなければならないからと断られたが、それなら一緒に住まないかと章吾は提案する。
二人は来年の春までという約束で同居生活を始める。
何と言っても恭平の後輩の井口さんがいいです。
恭平に娘の下着選びを頼まれた時、「汐屋さん、その感覚、だいぶやばいですよ。自分ができないとかやりたくないことを頼みやすいっていう理由だけで後輩の私に丸投げしてません?もし私が年上だったら、同じ理由で頼めます?」とハッキリ言います。
電車で痴漢に遭い、事情聴取で遅れてきたというのに、無断で遅刻をしたと怒る上司には、「部下の女性が痴漢にあったのに『大丈夫か?』の一言もないんですか?普通、それ訊きません?」
子どものいる男同士の同居に偏見のある恭平に、「抵抗があるのは、汐屋さんが自分みたいな男を世の中のスタンダードだと思っているからですよ。その思い上がりをやめれば解決する話なんじゃないですか?」
夫の転勤先にある支社に移りたいと希望を出した女性に人事部長が、「君の旦那は一流企業に勤めているんだろ?だったらそこまでして働く必要があるのか、結婚したんだから家に入ればいいじゃないか」と言ったことに対して、「『他人の価値基準に口出しすんじゃねえ』ってどつきに行こうかと思いました。」etc.。
こういうことを言える女性っていいですね。
全く正反対の性格だった恭平も章吾も一緒に暮らすことにより、変わっていきます。
恭平は「井口のその主張は、分厚い金属製のドアを、握りこぶしで叩いているようなものだ。どんなに言葉を尽くして不平等さを説いたところで、社会はそう簡単に変わらない」と思っていましたが、妻の死により男性社会の中の弱者になったことで、前なら感じることも知ることもなかったことを経験していき、最後にはこう章吾に語ります。
「小さいところでは守ってやれても、俺は会社で志乃をいっぱい裏切っている。男尊女卑や女性差別を仕方がないことだと見過ごして、志乃が将来出ていく社会を悪くしている一方だ」と。
章吾は章吾で昔から男性性の支配する社会に溶け込めず、違和感を持って生きていて、自分の存在意義を感じられませんでした。
でも「僕の存在が志乃ちゃんの記憶に残らなくても、行為の中に愛があるのなら、それでいい。大事に思う存在が、その愛を栄養にして育つのであれば、僕がここにいる意味はあるのだ。」と思えるようになります。
「子どもを作るのは親のエゴでも、実際に生まれてきた子どもが歓迎されない社会にはしたくない」という章吾の言葉は重いです。
日本社会がすぐには変わるとは思いませんが、気づく人が少しずつ増えていけば、男性も女性も共に生きやすい世の中に変わっていくと思います。
男性諸君、是非読んでみて下さい。
読んだ本 ― 2023/01/06
初出勤した夫曰く、「同僚が年末にコロナに罹って休んだ。息子が飲みに行きまくっているらしい」。
若い人たちは滅多に重症化しないので、我慢するのはもう嫌になったのでしょうね。気持ちはよ~くわかります。
年配者としては症状は人によるので、どうなるのかかかってみなければわからないのが、ロシアンルーレットみたいで嫌です。
医師が処方する薬は解熱剤だけで、買い物ぐらいはしてもいいと言うそう。
もはや防ごうとしても無理という段階ですね。
お正月は遅く起き、二食の生活だったのですが、普通の生活が始まり、朝食を食べ始めると、胃が痛くなりました。
三食は胃に負担なのかも。
胃の不調でやっとプラトー脱出できる…かな?

青木裕子 『これは経費では落ちません!10』
天天コーポレーションで税務調査が始まり、調査官たちがやって来る。
森若沙名子は想定外の事態が持ち上がらないかと心配している。
問題は吸収合併したトナカイ化粧品。大丈夫か…。
私生活では太陽との結婚話が持ち上がるが。
経理のお仕事をしている人にとっては身近な税務調査のお話です。
いよいよお話も大詰めです。
森若さん、生真面目過ぎですよぉ。太陽に結婚へのタスク一覧を渡すんですからね、笑。
次回の天天コーポレーションのみんなのリアクションが楽しみです。
小湊悠貴 『ホテルクラシカル猫番館 7』
ブライダルフェアの準備は着々と進んでいる。
ウエディングドレスは地元のドレスデザイナーに頼むことになる。
新作のドレスが作られることになるが、モデルはホテルの従業員をというデザイナー側の依頼で、紗良が選ばれる。
しかしドレスのデザイナーが要の元カノだった。
やっとつき合い出した紗良と要はどうなるのか。
なかなか進まない二人の関係ですが、ブライダルフェアをきっかけに上手くいくといいですね。
いつも書いてますが、こんなホテルがあったら、泊まりに行きたいです。
森晶麿 『チーズ屋マージュのとろける推理』
美藻はDV彼氏から逃れ、ひょんなことから神楽坂にあるチーズ専門のレストラン、マージュでウエイトレスとして働くことになる。
マージュのシェフの真沙流は料理の腕も確かなのだが、推理力が抜群で、お客さんの悩みやトラブルを次々と解決していく。
ついでに美藻の方の問題も…。
森さんというと、黒猫シリーズが好きなのですが、この本には美学やポーのお話は全く出てきません。チーズに関する蘊蓄も少ないです。そこが私としては残念。
ヒロインもただのおバカ女か(失礼)。
風野真知雄 『潜入味見方同心 五 牛の活きづくり』
兄の敵を取った魚之進は今度は上さまの毒殺未遂の容疑者捜しをしている。
そんな中でも食べ物に関する謎ーー傷だらけの麺のうどんや結びどじょう汁、牛の活きづくり、青い飯などーーが次々と持ち上がり、魚之進は謎解きに奔走する。
いつしか魚之進は兄を超えているのに、そうは思わず、兄嫁との仲も進まず、どうなるのか。
『チーズ屋…』はシリーズになるのかどうかわかりませんが、他のシリーズ物は面白く、すぐに読めますので、時間つぶしに何か読みたい時にどうぞ。
堂場瞬一 『小さき王たち 第三部 激流』 ― 2023/01/04
『小さき王たち 第一部 濁流』、『小さき王たち 第二部 泥流』に続く第三部です。

二十五年前、田岡総司の陰謀により、新人代議士に絡む献金事件を地検特捜部は立件できず、東日新聞が書いた記事が誤報になる。
地検特捜部の副部長・松永光正は九州に異動になり、検事を辞め、弁護士に、高樹治郎は会社にしがみつき、副社長にまで上りつめたが、息子の和希は誤報の責任を取らされ、所属はずっと地方部で、引越しばかり。
高樹治郎は孫の健介を高樹家の最終兵器として育てあげる。
一方田岡総司は連続当選9回、文科大臣と厚労大臣を歴任し、党では幹事長、政調会長、総務会長を経験し、71歳で引退したが、今は民事党の顧問をしている。
息子の稔が総司の地盤を継ぎ、一回目の選挙で当選したが、二回目は苦戦を強いられている。
総司は稔の娘の愛海は優秀で、稔にはない胆力がある、彼女が自分の後継者にふさわしいと思っている。
そのため新潟で顔を売っておいた方がいいと新潟のテレビ局NBCに入社させる。
2021年、コロナ禍の日本。
高樹健介は東日新聞の記者として新潟支局に赴く。
健介は仕事の合間に田岡稔のスキャンダルを追い、稔を落選させ、田岡王国を崩壊させようと画策していた。
しかし予期せぬことが起る。
愛海と健介は新聞社とテレビ局とは言え、同じ記者同士で接点もあり、いつしか二人は…。
50年にも渡るお話はこれで終わりになりました。
新聞記者の孫が男性で政治家の孫が女性ということで、ロミオとジュリエットみたいになるのかと思いましたが、悲劇ではなく未来に続く形で終わったので、よしとしましょう。
なんか第三部で急にスケールが小さくなっちゃって、読みやすかったけど残念でした。
令和は個の時代なんですかね。
もっと新聞記者に暴れて欲しかったです。
<わんこの一日>

夏と違い、陰が長いです。

どうやっても正面から撮らせてくれません。

そっぽを向いています(悲)。おやつが必要か…。

兄の真似をして弟まで…。
読んだ本 ― 2022/12/29
とりあえず読んだ文庫本を載せておきます。

佐藤正午 『月の満ち欠け』
第157回直木三十五賞受賞作品。
小山内堅に会いに来た男、三角哲彦は小山内に彼と正木瑠璃という女の驚くべき愛の物語を語る。
三角に再び会うために瑠璃は何度も生まれ変わっているというのだ。
妻と共に亡くなった小山内の娘、瑠璃は正木瑠璃の生まれ変わりなのか。
そして…。
三角と瑠璃の間が純愛なのか…私にはなんとも言えません。
年月が経つに従い三角は年を取り、瑠璃は生まれ変わるたびに幼くなっていきますよね。う~ん、ちょっとキモいかも。
それにしても瑠璃の旦那の正木竜之介が可哀想です。
映画になっているようですが、どんな感じなんでしょうね。
私には予想がつきません。
まあ生理的に受け付つけないところもありますが、最後まで読ませる佐藤正午はさすがです。
篠綾子 『吾亦紅 小烏神社奇譚』
小烏神社に尼がやって来る。
宮司に亡き人の魂を浄土へ渡して欲しいというが、亡き人の魂がどこにあるのか分らないという。
竜晴は居場所がわからなければできないと断る。
尼が帰った後、小烏丸の様子がおかしくなる。記憶を失くす前に彼女を見たことがあるような気がするという。
猫のおいちがいなくなり、玉水は淋しそう。氏子の花枝と大輔が虫聞きの会を開いて平山弥五助とおいちを呼んではどうかと提案する。竜晴は早速虫聞きの会をすることにする。
虫聞きの会で泰山が近頃、寝付きが悪くなったり、悪夢で目が覚めて眠れなくなる人が増えているという話をする。
次の日、鷹のアサマがやって来る。伊勢殿が悪夢にうなされているという。
寛永寺で虫聞きの会があるので、竜晴はその時に伊勢殿に確かめてみると約束するが…。
今回は『平家物語』に登場する、清盛に寵愛された白拍子の祇王にまつわるお話です。彼女の人生をよく知らなかったのですが、色々とあったんですね。
平谷美樹 『貸し物屋お庸謎解き帖 百鬼夜行の宵』
江戸の貸し物屋、湊屋両国出店の主・お庸はまっすぐな気性で男勝り、口の悪さで知られている。彼女の店に様々な客がやって来る。
凧の骨を借りに来た十歳ほどの童や四十絡みの家の仲介を頼んできた男、三十五、六の坊主の着物を借りに来た二人の男たち、お庸を手籠めにしようと目論み、卒塔婆を借りに来た二人の大店の跡取り息子たち、十組の布団を借りにきた中年男、花嫁装束を借りに来た陸奥国神坂家の江戸家老、橘喜左衛門。
彼らは何のために物を借りに来たのか、お庸はその裏事情を調べて行きます。
はっきり言ってお庸のことが嫌いでした。しかし今回、お庸が今までとは違って、人の意見を聞いたり、助けを借りたりするようになってきました。
色々と経験するうちに大人になったってことでしょうか。
これなら次作も読めそうです。
なかなか年の瀬は本に集中することができません。
図書館から借りた本が貯まっています。なんで一遍に来るんでしょう。
2、3冊は読まずに返してしまいそうです(悲)。
大山淳子 『犬小屋アットホーム!』 ― 2022/12/28

「ニーシャシャン」はフランス語で「niche à chien」、すなわち「犬小屋」のことで、マダムが作った居場所を奪われた人の家。
入居者はマダムが選んだ人で、入居の際の唯一のルールは犬と同居し、その犬の面倒をみること。
入居費用も食堂の利用も、何もかもすべて無料で、後見人も不要だ。
その上最期の看取りまでしてくれるという。
支配人は横須賀という青年で、入居者に必要なことはすべてやってくれる。
入居者は一癖も二癖もある人たちで、例えば元ヤクザや余命わずかな人、盲目の女性、女詐欺師など居場所のない人たち…。
犬たちも入居者同様に様々な事情を抱え、過酷な人生を送ってきているマルチーズやラブラドルレトリバー、シベリアンハスキー、闘犬…。
そんな彼らにとってニーシャシャンはホームそのもの。
読んでいて印象的だった言葉があります。
「犬と人との関係って忠誠心とかではなくて、もっと自然であいまいな……絆みたいなものじゃないでしょうか」
「絆という言葉は最近なにやらすごく美しいことのような使われかたをしますけれど、正しくは人の自由を奪い束縛するもの、という意味なんです」
「語源的には犬や馬などの家畜を逃げないように木につなげておく綱を指す言葉だったそうです。木に綱できづな」
知りませんでした。「絆」という言葉が一時期よく使われていましたが、胡散臭い感じがしたのは、こういう意味があるからかもしれませんね。
こんな施設があれば、すぐにでも入りたいです。
『猫弁』を書いた大山さんですから、『猫弁』同様、人や動物に対しての目線が暖かいです。
ほのぼのとするお話ばかりではないのですが、読んだ後、心が温まるお話です。
<今日のわんこ>

兄がまっすぐ前を向いてくれました。
パパが水をあげようとしているのに、二匹共に無視です、笑。

兄にはこの服は少し大きいのですが、弟が着ている下のサイズではボタンがとまりません。胸厚なんです。
この後、いつもの場所で休憩をしたのですが、その時に兄がパパに向けておしっこをしたので、びっくりしました。
兄は滅多に外でおしっこはしません。2~3年に一回とかいう頻度です。
たまにやる時は壁に向けて足を上げるんですが、今日は壁がなかったので、パパの足に向けてやったのかしら?
年の瀬に、とんでもないことをやらかした兄犬でしたwww。
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